ボーナス返済の割合別に、1回いくら払っているか
まず現状を数字にします。借入3,000万円・35年・元利均等・金利0.6%・2026年9月返済開始で、 元金のうちボーナス返済に回す割合だけを変えた場合の内訳です。ボーナス返済分は返済開始月から半年ごとに支払う前提で計算しています。
| ボーナス返済の割合 | ボーナス返済分の元金 | 毎月返済 | ボーナス月に上乗せ(1回) | 年間の支払合計 | 総返済額 |
|---|---|---|---|---|---|
| なし | — | 79,208円 | — | 950,496円 | 3,326.7万円 |
| 10% | 300万円 | 71,287円 | 47,578円 | 950,600円 | 3,327.1万円 |
| 20% | 600万円 | 63,366円 | 95,157円 | 950,706円 | 3,327.5万円 |
| 30% | 900万円 | 55,446円 | 142,735円 | 950,822円 | 3,327.9万円 |
このサイトの計算エンジンによる算出値です。ボーナス返済分は半年ごとの利息計算・半年ごとの返済として、月々返済分とは別勘定で計算しています。
割合20%なら毎月63,366円、ボーナス月にさらに95,157円です。 毎月返済はボーナス返済なしの79,208円より15,842円軽くなりますが、 年間の支払合計は950,496円に対し950,706円で、ほとんど変わりません。 総返済額もボーナス返済なしより7,437円多くなっています。 毎月の金額が下がるのは、支払いの一部を半年ごとにまとめて置き直しているためで、支払う総額が減る仕組みではありません。
ボーナスが減ると、いくら足りなくなるか
ここからが本題です。ボーナス1回あたりの手取りを400,000円と仮定します(この額は本ページの仮定で、平均額ではありません)。 割合20%のボーナス返済95,157円に対して、手取りが減っていくとどうなるかを並べます。
| ボーナスの減り方 | 1回の手取り | ボーナス返済 | 返済後に残る額 | 手取りに占める返済 | 不足額 | 不足を6ヶ月で割ると |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 減らない | 400,000円 | 95,157円 | 304,843円 | 23.8% | ±0円 | — |
| 20%減 | 320,000円 | 95,157円 | 224,843円 | 29.7% | ±0円 | — |
| 40%減 | 240,000円 | 95,157円 | 144,843円 | 39.6% | ±0円 | — |
| 60%減 | 160,000円 | 95,157円 | 64,843円 | 59.5% | ±0円 | — |
| 80%減 | 80,000円 | 95,157円 | — | 118.9% | 15,157円 | 2,526円 |
| 100%減 | 0円 | 95,157円 | — | — | 95,157円 | 15,860円 |
ボーナス返済額はこのサイトの計算エンジンによる算出値です。手取り400,000円は本ページの仮定で、減り方の各行はその仮定に対する割合です。
手取りが400,000円なら、返済95,157円が占めるのは23.8%です。 つまり手取りが76.2%減ったところで、ボーナスは返済でちょうど消えます。 それより減ると不足が出ます。全額なくなった場合の不足は95,157円で、6ヶ月で割ると15,860円です。
表の見方で注意したいのは、不足が出ていない行でも負担は増えているという点です。 60%減の行では不足は出ませんが、手取りに占める返済の割合は23.8%から 59.5%へ上がり、返済後に残る額は304,843円から64,843円へ減ります。 ボーナスを他の支出にも充てているなら、不足が出る前の段階で使える額は削られています。
ボーナス返済は「毎月15,860円の先送り」に近い
不足額95,157円を6ヶ月で割ると15,860円でした。 一方で、ボーナス返済をやめて残債すべてを毎月返済へ振り替えると、毎月返済は63,366円から79,208円へ 15,842円増えます。この2つの数字はほぼ同じです。 振り替える時期を変えるとどうなるかを見ます。
| 振り替える時期 | その時点の残債合計 | 残り期間 | 振替後の毎月返済 | いまの毎月返済との差 |
|---|---|---|---|---|
| 借入時(2026年9月) | 3,000.0万円 | 35年 | 79,208円 | +15,842円 |
| 5年後(2031年9月) | 2,609.0万円 | 30年 | 79,208円 | +15,842円 |
| 10年後(2036年9月) | 2,206.1万円 | 25年 | 79,208円 | +15,842円 |
| 20年後(2046年9月) | 1,363.1万円 | 15年 | 79,207円 | +15,841円 |
このサイトの計算エンジンによる算出値です。振替後は残債合計を残り期間の元利均等で計算し直しています。手数料は0円、金利は0.6%のままとして計算しました。
差額はどの時期でも15,842円前後で、ほとんど動きません。 月々返済分の残債とボーナス返済分の残債が同じ速さで減っていくため、両者の比率が変わらないからです。 「もっと減ってから振り替えた方が負担が軽い」という形にはなりません。
ここから言えるのは、ボーナス返済は毎月15,860円の支払いを半年ぶんまとめて後ろへ寄せた形に近い、ということです。 ボーナスが減って払えなくなったときに開く穴は、突然生まれたものではなく、 毎月の家計から見れば最初から15,860円分の支出でした。 ボーナス返済をやめたい場合の考え方もあわせて確認してください。
借入額が変わると、ボーナス月の負担はどう動くか
ボーナス返済の割合が同じでも、借入額が大きいほどボーナス月に必要な額は大きくなります。 割合20%で借入額だけを変えた場合です。
| 借入額 | 毎月返済 | ボーナス月に上乗せ(1回) | 手取り400,000円に占める割合 | 毎月へ振り替えた場合の増加 |
|---|---|---|---|---|
| 2,000万円 | 42,244円 | 63,438円 | 15.9% | +10,561円 |
| 2,500万円 | 52,805円 | 79,297円 | 19.8% | +13,202円 |
| 3,000万円 | 63,366円 | 95,157円 | 23.8% | +15,842円 |
| 4,000万円 | 84,489円 | 126,876円 | 31.7% | +21,122円 |
このサイトの計算エンジンによる算出値です。返済期間35年・金利0.6%・ボーナス返済の割合20%で、借入額だけを変えています。
借入2,000万円なら手取りの15.9%ですが、 借入4,000万円では31.7%になります。 同じ「割合20%」でも、ボーナスに対する依存度は借入額で変わります。 自分の場合を見るときは、割合ではなく1回あたりの金額と手取りの比で見た方が判断しやすくなります。
金利が上がると、ボーナス月はいくらになるか
ボーナスが減るリスクと金利が上がるリスクは同時に来ることがあります。 割合20%のまま、2026年9月を起点に10年かけて一定ペースで金利が上がる仮定を当てました。 これは予測ではなく「もしこの水準になったら」という条件です。
| 上昇幅 | 到達金利 | 改定後の毎月返済 | 改定後のボーナス1回 | 年間の支払合計 | 125%上限 | 未払利息 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 据え置き | 0.6% | 63,367円 | 95,157円 | 950,718円 | 当たらない | 発生しない |
| +0.5% | 1.1% | 66,118円 | 98,869円 | 991,154円 | 当たらない | 発生しない |
| +1% | 1.6% | 68,956円 | 102,682円 | 1,032,836円 | 当たらない | 発生しない |
| +2% | 2.6% | 74,894円 | 110,613円 | 1,119,954円 | 当たらない | 発生しない |
| +3% | 3.6% | 79,207円 | 118,946円 | 1,188,376円 | 当たる | 発生しない |
このサイトの計算エンジンによる算出値です。改定後の額は、月々返済分は60回目(2031年8月)、ボーナス返済分は半年ごとの10回目(2031年3月)の予定額です。
+2%のケースでは、ボーナス月の上乗せは95,157円から110,613円へ上がります。 手取り400,000円に占める割合は23.8%から27.7%です。 ボーナスが減らなくても、金利の側からボーナス月の余白が削られる形になります。
125%上限に当たるのは+3%のケースだけで、月々返済分は本来81,191円のところ79,207円、 ボーナス返済分は本来118,956円のところ118,946円に抑えられます。 上限で抑えられた分の利息は消えるわけではなく、後の返済へ回ります。 未払利息は表の5ケースとも発生しません。ここは注意が要る所で、 借入直後に未払利息が出る金利は月々返済分が3.17%、ボーナス返済分が3.17%と、 到達金利3.6%より低い水準にあります。それでも発生しないのは、 金利がその水位に届く前の2031年8月の改定で返済額が上がり、 水位が4.38%・4.36%へ切り上がるためです。 逆に言えば、改定より前に金利が上がりきる形なら結果は変わります。
| +3%に届くまでの年数 | 月々返済分の未払利息 | ボーナス返済分の未払利息 | 合計 | 総返済額 |
|---|---|---|---|---|
| 1年 | 373,576円 | 76,020円 | 449,596円 | 5,614.3万円 |
| 3年 | 149,525円 | 25,131円 | 174,656円 | 5,418.6万円 |
| 5年 | 4,220円 | 発生しない | 4,220円 | 5,235.6万円 |
| 10年 | 発生しない | 発生しない | 発生しない | 4,833.9万円 |
このサイトの計算エンジンによる算出値です。到達金利は4行とも3.6%で同じで、そこまでにかかる年数だけを変えています。未払利息は累積額の最大値です。
同じ+3%でも、1年で届く場合は月々返済分に373,576円、 ボーナス返済分に76,020円の未払利息が出ます。 10年かけて届く場合はどちらも発生しません。 危険水位を見るときは金利の高さだけでなく、返済額の改定より前に届くかどうかを合わせて見る必要があります。 125%ルールの上限がどこまで効くかもあわせて確認してください。
なお、返済額の改定時期が月々返済分とボーナス返済分でずれているのは、本ページのモデルが ボーナス返済分を返済開始月から半年ごとの別勘定として数えているためです。 実際のボーナス月と改定の時期は契約によります。上限や未払利息の考え方そのものは、 住宅金融支援機構【フラット35】の解説で確認できます。
ボーナス返済の割合を下げれば金利上昇に強くなるのか
「ボーナスが不安だから割合を下げておけば、金利が上がったときも楽になるのでは」と考えたくなります。 同じ+2%の上昇を割合別に当てて確かめました。
| ボーナス返済の割合 | 改定後の毎月返済 | 改定後のボーナス1回 | 改定前の年間合計 | 改定後の年間合計 | 年間の増加 |
|---|---|---|---|---|---|
| なし | 93,618円 | — | 950,496円 | 1,123,416円 | +172,920円 |
| 10% | 84,256円 | 55,306円 | 950,600円 | 1,121,684円 | +171,084円 |
| 20% | 74,894円 | 110,613円 | 950,706円 | 1,119,954円 | +169,248円 |
| 30% | 65,532円 | 165,920円 | 950,822円 | 1,118,224円 | +167,402円 |
このサイトの計算エンジンによる算出値です。10年かけて+2%上がる仮定で、1回目の改定前後の年間支払額を比べています。
年間の増加は172,920円から167,402円までで、割合を30%まで上げても5,518円しか縮みません。 金利上昇が効くのは残債に対してであり、その残債をどこで払うかを変えても、増える額はほとんど変わらないためです。 割合を下げる判断は、金利上昇への備えというより、 半年に一度の大きな支払いを毎月へ均すかどうかの選択として考える方が実態に合います。
ボーナスが減ったときの確認手順
まず返済予定表で、ボーナス月の返済額と月々の返済額を分けて確認します。 このページでは1回95,157円という数字を使いましたが、実際の額は借入額・割合・金利で変わります。 次に、その額を6で割った月額を出します。これが毎月の家計から見たボーナス返済の実質的な負担です。
そのうえで、毎月の黒字がその額を吸収できるかを見ます。吸収できるなら、 ボーナス返済をやめて毎月へ振り替える選択が現実的な候補になります。吸収できない場合は、 ボーナス月までに不足分を積み立てる必要があるため、必要額と積立の期間を先に決めておきます。 手元に残す現金の考え方もあわせて確認してください。
変更の手続きは金融機関により異なります。三井住友銀行は借入中のローンの内容を変更する場合について 「変更にあたっては、内容により当行(担保登記事項の変更の場合は保証会社)所定の手数料がかかります」とし、 変更例として「ボーナス月(6月・12月⇒7月・1月等)」「ボーナス返済の有無(ボーナス返済あり⇒ボーナス返済なし等)」を挙げています (三井住友銀行の案内)。 手数料の額、必要書類、審査の要否は契約先に確認してください。
返済が続けられないと感じたときに先に見る数字
不足額そのものより先に見たいのは、不足が何回続くかです。ボーナスが一度だけ減ったのか、 水準として下がったのかで、必要な対応は変わります。一度だけなら、 その回の95,157円をどこから出すかという資金繰りの問題です。 水準として下がったなら、毎月15,860円の支出が家計に足された状態が続くとして考える必要があります。
後者の場合、返済方法の変更で対応できる範囲を先に把握しておくと、選べる手が多い段階で動けます。 返済額を下げる方向の手段には、ボーナス返済の取りやめ以外にも、 返済期間の延長などがあります。 いずれも金融機関への相談と手続きが要るため、支払いが遅れる前の段階で問い合わせる方が話が進みやすくなります。
よくある質問
ボーナス返済にすると総返済額は増えますか
この試算では、借入3,000万円・35年・0.6%で、ボーナス返済なしの総返済額3,326.7万円に対し、 割合20%では3,327.5万円でした。差は7,437円です。 条件によって向きは変わり得ますが、少なくとも「ボーナス返済にすると総額が大きく安くなる」という結果にはなっていません。 毎月の返済額が下がるのは、支払いの一部を半年ごとにまとめているためです。
ボーナス返済をやめると、毎月はどれくらい増えますか
この試算では割合20%で15,842円増えました。振り替える時期を借入時から20年後まで変えても、 増加額は15,842円前後でほとんど動きません。 ただし変更できるかどうか、手数料がいくらかは金融機関と契約によります。
ボーナス返済分にも5年ルールや125%ルールは効きますか
本ページのモデルでは、ボーナス返済分にも月々返済分と同じように5年ごとの改定と1.25倍の上限を当てて計算しています。 表では+3%のケースで、ボーナス返済分が本来118,956円のところ118,946円に抑えられました。 実際の適用は契約によるため、契約書と返済予定表で確認してください。
不足分を繰上げ返済で消すことはできますか
ボーナス返済分の残債を減らせば1回あたりの返済額も下がりますが、必要な額は返済額の何倍にもなります。 考え方は上がった返済額を元に戻す場合の試算と同じで、 毎月の増加額に対して必要な元金は大きくなります。手数料や最低金額は金融機関により異なります。
まとめ
- 割合20%なら、ボーナス月の上乗せは1回95,157円。毎月に直すと15,860円分にあたる
- 手取り400,000円の仮定では、76.2%減ったところで返済額と並ぶ
- 毎月へ振り替えた場合の増加は15,842円で、振り替える時期をずらしてもほとんど変わらない
- 金利が2%上がったときの年間の増加は、割合を変えても167,402円〜172,920円に収まる