ボーナス返済分だけを消すのに必要な額
ボーナス併用のローンは、月々返済分とボーナス返済分が別勘定として組まれます。 当初借入3,000万円・35年・金利0.6%・ボーナス返済割合20%なら、 元金は月々分2,400万円とボーナス分600万円に分かれ、 毎月63,366円とボーナス月95,157円という2本立てになります。
「ボーナス分だけを消す」に要る額は、このボーナス勘定の残債です。返済が進むほど小さくなります。
| 経過年数 | 必要な一括額 | 残りのボーナス返済回数 | 消える利息 | 投じた額に対する比率 |
|---|---|---|---|---|
| 5年目 | 5,217,925円 | 60回 | 491,466円 | 9.4% |
| 10年目 | 4,412,070円 | 50回 | 345,754円 | 7.8% |
| 15年目 | 3,581,708円 | 40回 | 224,545円 | 6.3% |
| 20年目 | 2,726,097円 | 30回 | 128,584円 | 4.7% |
このサイトの計算エンジンによる算出値です。ボーナス勘定を半年ごとの元利均等で走らせ、各時点の残債と残りの利息を出しています。
10年目なら4,412,070円で、以降のボーナス月95,157円が50回ぶん、 つまり年190,314円の支出がなくなります。同時に消える利息は345,754円です。 20年目まで待つと必要額は2,726,097円まで下がりますが、消える利息も128,584円に縮みます。
同じ額を月々分の繰上げ返済に入れた場合
同じ現金には別の使い道があります。月々返済分に対する通常の繰上げ返済です。 同額を投じたときに減る利息を、3つの使い方で並べます。
| 経過年数 | 投じる額 | ボーナス分を消す | 月々分・期間短縮型 | 月々分・返済額軽減型 | 期間短縮型との差 |
|---|---|---|---|---|---|
| 5年目 | 5,217,925円 | 491,466円 | 881,197円 | 484,999円 | 389,731円 |
| 10年目 | 4,412,070円 | 345,754円 | 614,105円 | 340,275円 | 268,351円 |
| 15年目 | 3,581,708円 | 224,545円 | 394,506円 | 220,105円 | 169,961円 |
| 20年目 | 2,726,097円 | 128,584円 | 222,821円 | 125,206円 | 94,237円 |
このサイトの計算エンジンによる算出値です。金利は0.6%で横ばい、手数料は含めていません。
どの時点でも、利息の削減額がいちばん大きいのは月々分への期間短縮型でした。 10年目なら614,105円で、ボーナス分を消す場合より268,351円多く減ります。 一方、月々分への返済額軽減型は340,275円で、ボーナス分を消す場合とほぼ同じ水準です。
つまり「ボーナス払いは早く消した方が利息も得」とは限りません。 利息だけを比べると、同じ現金は月々分の期間短縮型に入れた方が大きく効きます。
期間短縮型が上回るのはなぜか
ボーナス勘定と月々勘定は同じ金利です。それでも削減額が違うのは、 消える返済がいつの分かが違うからです。
ボーナス勘定を消すと、これから完済までのボーナス返済が一様に消えます。 10年目なら50回分が、今後25年にわたって均等に散らばっています。
対して月々分の期間短縮型は、返済の末尾を削ります。 10年目に4,412,070円を入れると6年7ヶ月短くなり、消えるのは完済直前の回です。 利息は「元金 × 金利 × 借りている期間」で積み上がるため、より先の返済を消す方が利息の削減は大きくなります。 これが268,351円の差の中身です。
期間短縮型と返済額軽減型の違いで扱った差と同じ構造で、 ボーナス勘定の消滅は返済額軽減型に近い効き方になります。
ボーナス返済の割合別に見た必要額
必要額はボーナス返済の割合にほぼ比例します。当初借入3,000万円・35年・金利0.6%で、 返済10年目の時点を比べます。
| ボーナス返済割合 | 毎月返済 | ボーナス月の返済 | 年間のボーナス負担 | 10年目の必要額 | 消える利息 |
|---|---|---|---|---|---|
| 10% | 71,287円 | 47,578円 | 95,156円 | 2,206,039円 | 172,864円 |
| 20% | 63,366円 | 95,157円 | 190,314円 | 4,412,070円 | 345,754円 |
| 30% | 55,446円 | 142,735円 | 285,470円 | 6,618,119円 | 518,639円 |
| 40% | 47,525円 | 190,314円 | 380,628円 | 8,824,150円 | 691,527円 |
このサイトの計算エンジンによる算出値です。元金をボーナス勘定と月々勘定に割合どおり分けて、それぞれ元利均等で走らせています。
割合40%で組んでいる場合、10年目に消すには8,824,150円が必要です。 手元資金でまとめて用意できる額かどうかで、選べる選択肢が変わります。 用意できない場合は、条件変更でボーナス返済をやめる方を先に検討することになります。
金利が上がる局面での差
ボーナス勘定にも5年ルール・125%ルールは同じように効きます。金利の見直しは半年ごと、 返済額の改定は5年ごとで、改定時の上限は直前の1.25倍です。 返済10年目から5年かけて金利が1%上がったと仮定すると、 ボーナス月の返済は95,157円から106,242円へ、 毎月返済は63,366円から71,551円へ改定されました。 いずれも1.25倍の上限には届いていません。
| 10年目の選択 | 残り25年の総利息(金利横ばい) | 同(1%上昇) | 横ばいでの削減 | 上昇時の削減 |
|---|---|---|---|---|
| 何もしない | 1,706,780円 | 4,176,425円 | 基準 | 基準 |
| ボーナス分だけ消す | 1,361,026円 | 3,333,318円 | 345,754円 | 843,107円 |
| 同額を月々分へ(期間短縮型) | 1,092,675円 | 2,572,458円 | 614,105円 | 1,603,967円 |
このサイトの計算エンジンによる算出値です。上昇は5年かけて1%、半年ごとの階段で当てています。金利の予測ではなく仮定です。
金利が上がる想定にすると、どちらの使い方でも削減額は大きくなります。 ボーナス分を消す場合は345,754円から843,107円へ、 月々分への期間短縮型は614,105円から1,603,967円へ増えました。 順位は入れ替わらず、上昇局面でも期間短縮型の方が削減額は大きいという結果です。
ただし家計への効き方は別です。ボーナス分を消すと、改定後の106,242円という年2回の支出がなくなります。 月々分への期間短縮型では、改定後の毎月返済は69,307円にとどまり、 何もしない場合の71,551円より2,244円低い水準です。 なお、この時点のボーナス勘定で未払利息が出始める金利は4.31%でした。
金融機関の取り扱いを先に確認する
ここまでは「ボーナス勘定の残債を一括で消せる」前提で計算しています。 実際にその指定ができるかは金融機関により異なります。
住宅金融支援機構の個人住宅融資では、ボーナス返済を利用している人が借入期間を短縮する場合、 ボーナス返済月が変わらないように「ボーナス払い分も含めた6か月単位(毎月払い6回分+ボーナス払い1回分)」で 入金する必要があるとしています(繰上返済(個人住宅融資の場合)|住宅金融支援機構)。 この場合、毎月払い分とボーナス払い分をまとめた単位での入金になります。
繰り上げて返済できる額も定められており、同機構では金融機関の窓口での手続きが100万円以上、 インターネットサービス「住・My Note」での手続きが10万円以上で、いずれも手数料はかからないとされています。 手数料の扱いは金融機関ごとに違い、三菱UFJ銀行の一部繰上返済ではインターネット申込が無料、 店頭窓口が16,500円(消費税込)と案内されています (一部繰上返済|三菱UFJ銀行)。
手数料が乗ると削減額はその分だけ目減りします。 繰上げ返済の手数料は何円まで見合うかも合わせて確認してください。
どの数字で決めるか
利息の削減額だけを基準にするなら、この試算では月々分への期間短縮型が上回りました。 10年目の4,412,070円で比べると差は268,351円です。
一方、ボーナスに依存した家計を組み替えたい場合は、削減額ではなく 年190,314円の支出が消えることが目的になります。 賞与が業績連動で読みにくい、あるいは転職や役職変更で賞与の前提が変わったときは、 利息の差よりこちらが重く働きます。
手元資金をどこまで使うかも同じ表で見ます。4,412,070円を一度に投じると、 その現金は返済以外に使えなくなります。生活防衛資金を削って投じると、 収入が減ったときの選択肢が狭くなります。
確認手順
最初に返済予定表を開き、ボーナス返済分の残債を確認します。 ボーナス併用の場合、予定表は月々分とボーナス分が別の欄、または別の表になっていることが多く、 返済予定表の見方のとおり両方の残高を拾います。 これが「ボーナス分だけを消す」のに要る額です。
次に、金融機関にボーナス返済分のみを対象にした一部繰上返済ができるか、 最低金額、手数料、手続き方法を確認します。できない場合は、 期間短縮型か返済額軽減型のどちらで受け付けられるかも聞いておきます。
そのうえで、同じ額を月々分へ入れた場合の削減額と並べます。 金利が上がったときの改定額も両方の前提で出しておくと、 家計のどこが変わるのかを金額で比べられます。
よくある質問
ボーナス返済分だけを指定して繰上げ返済できますか
金融機関の取り扱い次第です。住宅金融支援機構の個人住宅融資では、借入期間を短縮する場合に 毎月払い6回分とボーナス払い1回分をまとめた6か月単位での入金が必要とされています。 ボーナス返済分のみを対象にできるかは、契約先の案内で確認してください。
ボーナス分を消すと毎月の返済額も下がりますか
この試算では下がりません。ボーナス勘定と月々勘定は別建てのため、 ボーナス勘定を消しても毎月返済は63,366円のままで、ボーナス月の95,157円がなくなります。 毎月の額を下げたい場合は、月々分に返済額軽減型で入れる方が目的に合います。
金利が上がる前に消しておいた方がよいですか
この試算では、1%上昇を仮定するとボーナス分を消す場合の削減額は345,754円から843,107円へ増えました。 ただし同額を月々分へ期間短縮型で入れた場合も614,105円から1,603,967円へ増えており、順位は変わりません。 将来の金利は予測できないため、複数の仮定で比べたうえで手元資金の余裕から決めることになります。
まとめ
- 返済10年目にボーナス返済分を消すのに要る額は4,412,070円
- 消える利息は345,754円で、年190,314円の支出がなくなる
- 同額を月々分の期間短縮型に入れると614,105円で、268,351円多く減る
- 利息の削減額で選ぶか、ボーナス依存を外すかで答えが変わる
- ボーナス分のみを対象にできるかは金融機関の取り扱いを確認する