頭金を入れると、総返済額はどう変わるか
物件価格3,500万円・35年・金利0.6%で、 頭金を「なし」「1割」「2割」入れた場合を比較しました。
| 頭金 | 借入額 | 毎月返済額 | 総利息 | 総返済額 |
|---|---|---|---|---|
| なし | 3,500万円 | 92,410円 | 3,812,020円 | 38,812,020円 |
| 350万円 | 3,150万円 | 83,169円 | 3,430,800円 | 34,930,800円 |
| 700万円 | 2,800万円 | 73,928円 | 3,049,572円 | 31,049,572円 |
このサイトの計算エンジンによる算出値です。元利均等・ボーナス返済なしで試算。
頭金700万円(2割)を入れると、毎月の返済額は18,482円下がり、 総利息は762,448円減ります。数字だけ見ると頭金は多いほど良さそうに見えますが、 その分だけ手元資金は先に減っています。
頭金の「利回り」を計算すると
削減できた利息を、入れた頭金の額で割ると、頭金が総返済額に対してどれだけ効いたかが分かります。
| 頭金 | 総利息の削減額 | 頭金に対する比率 | 年あたり換算 |
|---|---|---|---|
| 1割(350万円) | 381,220円 | 10.9% | 0.31% |
| 2割(700万円) | 762,448円 | 10.9% | 0.31% |
このサイトの計算エンジンによる算出値です。頭金なしの場合との差で算出。
1割でも2割でも、比率はほぼ10.9%で変わりません。 同じ金利・同じ期間で借りる限り、頭金をどれだけ積み増しても 「頭金に対する利息削減の比率」自体は大きく動かないということです。
10.9%は35年間の合計です。1年あたりに直すと0.31%になります。 この数字は投資の利回りとは性質が違いますが、 手元資金を他に回した場合に得られる年あたりの効果と比べる材料にはなります。
頭金は「手元資金を先に使う」取引でもある
頭金を入れるほど総利息は減りますが、その資金は他の用途(生活防衛資金、 繰上げ返済に回す、他の支出に備える)には使えなくなります。 これは繰上げ返済のタイミングで扱った 「同じ資金をいつ使うか」という論点と同じ構造です。
繰上げ返済は借入後にいつでも実行できますが、頭金は契約時にしか入れられません。 判断の順番としては、手元に生活防衛資金を残せる範囲で頭金を検討し、 余力があれば繰上げ返済で調整する方が選択肢を狭めずに済みます。
本ページはどちらが得かを判定するものではありません。 10.9%(年あたり0.31%)という数字を、 自分が置かれた資金の状況と照らして判断する材料として使ってください。
借入額を減らすことは、金利上昇への備えにもなる
頭金を入れて借入額を減らすと、総利息が減るだけでなく、 金利が上がったときの影響も小さくなります。 改定後の返済額の増加幅も、未払利息が発生する余地も、借入額に比例するためです。
変動金利では返済額が5年間据え置かれ、改定時も1.25倍が上限になる仕組みがあります。 据え置き期間中は増えた利息が元金の減りを削る形で吸収されるため、 借入額が大きいほどこの影響も大きくなります。 仕組みの詳細は返済額が変わらないのに元金が減らない理由、 上がり方の全体像は変動金利に上限はないにまとめています。
まとめ
- 物件価格3,500万円・35年・金利0.6%の試算で、頭金700万円(2割)は総利息を76万円減らす
- 頭金に対する利息削減の比率は、1割でも2割でも10.9%前後でほぼ変わらない
- 年あたりに直すと0.31%相当。手元資金を他に回す場合の効果と比較する材料になる
- 借入額を減らすことは、金利が上がったときの改定額や未払利息の発生余地を小さくする効果もある