固定期間が明けると何が起きるか

固定期間選択型は、選んだ期間(2年・3年・5年・10年など)だけ金利が固定される商品です。 その期間が終わると、多くの銀行では申し出がなければ自動的に変動金利へ切り替わりますが、 改めて固定金利期間を選び直せる銀行もあります。取り扱いは金融機関により異なるため、 自分の契約がどちらかは金融機関に確認しておく必要があります。

もう一つ見落としやすいのが、優遇幅です。当初の固定期間だけ優遇幅が大きい「当初期間優遇型」の場合、 固定期間が終わると優遇幅が縮小し、通期で優遇が続くタイプより実質的な適用金利が高くなる商品があります。 固定期間が明けたあとに適用される金利は、新規に変動金利で借りる場合の金利とは別物だということです。

固定期間が明けた瞬間、何が変わるか

3,000万円・35年・当初10年固定1.2%で借りたモデルケースで、 固定期間が終わった瞬間の状態を計算しました。

時点状態
借入時(残高)3,000万円
固定期間中の返済額(10年間)87,510円
10年間で減った元金7,400,917円
固定期間終了時点の残高22,599,083円
固定明け直後に適用される金利(本ページの前提)0.8%
固定明け直後の返済額87,510円(変わらず)

このサイトの計算エンジンによる算出値です。

金利が下がっても返済額はすぐには変わりません。5年ルールが適用される契約では、 返済額の改定は固定明けから5年後です。逆に言えば、固定期間中に金利が上がっていても、 固定明け直後の返済額はまだ変わらないということでもあります。返済額が変わらないからといって、 利息と元金の内訳まで変わっていないとは限りません。この内訳が壊れる仕組みは 返済額が変わらないのに元金が減らない理由で扱っています。

そこから金利が上がったら、返済額はどうなるか

固定明け直後の0.8%から、5年かけて各水準まで金利が上がった場合を計算しました。 比較の基準は固定期間中の返済額(87,510円)です。

5年後に到達する金利次の改定(時期・額)返済額の最大 固定期間中との比未払利息総返済額横ばいとの差
1% 2031年3月/84,155円 87,510円 1.00倍 発生しない 35,985,964円 +488,431円
1.5% 2031年3月/88,947円 89,768円 1.03倍 発生しない 37,249,135円 +1,751,602円
2% 2031年3月/93,945円 95,431円 1.09倍 発生しない 38,573,880円 +3,076,347円
2.5% 2031年3月/99,154円 101,374円 1.16倍 発生しない 39,962,105円 +4,464,572円

「横ばいとの差」は、固定明け後も0.8%のまま変わらなかった場合の総返済額との差です。このサイトの計算エンジンによる算出値です。

いずれの水準でも125%ルールの上限には達しておらず、未払利息も発生していません。 固定期間中に金利が上がっていなければ、固定明けの金利がそのまま新規の変動金利より低い水準にとどまる限り、 しばらくは返済額が固定期間中より下がることもあります。ただしそこからどれだけ上がるかは固定期間の金利水準とは無関係です。 固定期間中に安心していた分だけ、明けたあとの変化に気づきにくくなる点には注意が必要です。

未払利息が発生する金利(危険水位)

固定期間中は未払利息の心配がありません。金利が固定されているので、利息が返済額を超えることがないからです。 この心配が始まるのは固定期間が明けた瞬間からです。固定明け時点の残高・返済額から、 未払利息が発生する金利を逆算しました。

上がり方未払利息が発生する金利
固定明け直後に一気に上がった場合 4.65%
固定明けから5年かけて段階的に上がった場合 5.31%

計算エンジンによる算出値です。

固定期間中に元金が着実に減っていれば、その分だけこの水準は高くなります。逆に、固定期間中の金利がもともと高く、 元金の減りが遅かった場合は、この水準はもっと低いところにあります。固定明けの危険水位は、 固定期間の借り方によって変わるということです。

まとめ

  • 固定期間が明けたあとの取り扱い(自動移行か選び直しか、優遇幅の縮小の有無)は金融機関・契約による
  • 返済額は固定明けの瞬間には変わらない。5年ルールがある契約では改定は5年後
  • 未払利息の心配は固定期間中はなく、固定が明けた瞬間から始まる
  • 危険水位は固定期間中の借り方(金利・元金の減り方)によって変わる