3,000万円を40年で借りると毎月と総額はいくらか

借入額3,000万円・金利0.6%・元利均等・ボーナス返済なし・2026年10月返済開始で、 返済期間だけを30年・35年・40年に変えて計算しました。金利は期間によらず同じとしています (実際には期間が長いほど金利が高く設定されることがありますが、ここでは期間の効果だけを取り出すために揃えています)。

返済期間毎月返済総利息総返済額完済35年との差
30年 91,078円 279万円 3,279万円 2056年9月 −48万円
35年 79,208円 327万円 3,327万円 2061年9月 基準
40年 70,315円 375万円 3,375万円 2066年9月 +48万円

このサイトの計算エンジンによる算出値です。借入額・金利・返済方式を固定し、返済期間だけを変えています。

40年にすると毎月返済は79,208円から70,315円へ8,893円下がります。 一方で総返済額は48万円増え、総利息は327万円から375万円へ 1.15倍になります。完済は2061年9月から2066年9月へ5年延びます。

金利0.6%という低い水準では、5年延ばしても総額の増え方は48万円にとどまります。 毎月8,893円の余裕を48万円で買う取引だと考えると、 判断はこの金額をどう見るかで決まります。ただし、この結論は金利水準によって変わります。次の表で確かめます。

借入額別|40年にすると毎月いくら下がるか

借入額が変われば差額も変わります。同じ金利0.6%で、35年返済と40年返済を借入額別に比べました。

借入額35年の毎月40年の毎月毎月の差総返済額の差
2,000万円 52,805円 46,876円 −5,929円 +32万円
3,000万円 79,208円 70,315円 −8,893円 +48万円
4,000万円 105,611円 93,753円 −11,858円 +64万円
5,000万円 132,014円 117,192円 −14,822円 +81万円

このサイトの計算エンジンによる算出値です。金利0.6%・元利均等で、返済期間を35年と40年で比べています。

毎月の差も総額の差も、借入額にほぼ比例します。2,000万円なら毎月5,929円・総額32万円、 5,000万円なら毎月14,822円・総額81万円です。 すでに返済中の方が期間の延長を検討する場合は、当初借入額ではなく現在の残債と残り期間で計算し直してください。

金利が高いほど40年の代償は大きくなる

40年返済を検討するとき、見落としやすいのが「金利水準によって話が変わる」という点です。 借入額3,000万円のまま、金利だけを変えて35年と40年を比べました。

金利35年の毎月40年の毎月毎月の差総返済額の差
0.6% 79,208円 70,315円 −8,893円 +48万円
1% 84,685円 75,856円 −8,829円 +84万円
1.5% 91,855円 83,151円 −8,704円 +133万円
2% 99,378円 90,847円 −8,531円 +187万円
2.5% 107,248円 98,933円 −8,315円 +244万円

このサイトの計算エンジンによる算出値です。借入額3,000万円・元利均等で、金利と返済期間だけを変えています。

毎月の差は金利0.6%で8,893円、金利2.5%で8,315円と、 ほとんど変わりません。むしろわずかに縮みます。ところが総返済額の差は48万円から244万円へ、 5.1倍に広がります。

つまり、金利が高いほど「40年にして得られる毎月の軽さ」は変わらないのに、 「そのために払う総額」だけが増えていきます。低金利のうちは小さく見える選択が、 金利が上がった局面では割高な選択になります。変動金利で借りる場合は、 いまの金利ではなく、上がった後の金利でこの表を読む必要があります。

完済年齢と65歳時点の残債

40年返済でもう一つ効いてくるのが完済年齢です。借入時の年齢別に、完済年齢と、 65歳を迎えた時点で残っている残債を計算しました(金利0.6%・繰上げ返済なしの場合)。

借入時の年齢35年の完済年齢40年の完済年齢65歳時点の残債(35年)65歳時点の残債(40年)
30歳 65歳 70歳 完済済み 416万円
35歳 70歳 75歳 468万円 819万円
40歳 75歳 80歳 922万円 1,210万円
45歳 80歳 85歳 1,363万円 1,590万円

このサイトの計算エンジンによる算出値です。借入額3,000万円・金利0.6%・元利均等で、65歳到達月の残債を返済スケジュールから取り出しています。

30歳で借りた場合、35年返済ならちょうど65歳で完済しますが、40年返済では65歳時点で 416万円が残ります。35歳で借りた場合は、40年返済の完済が75歳、 65歳時点の残債は819万円です。

退職後も返済が続く形になるため、退職金や年金でこの残債をどう扱うかを、借りる時点で決めておく必要があります。 完済年齢と定年後の残債では、この点を年齢別に詳しく扱っています。 繰上げ返済で前倒しする前提なら、40年で借りて余裕分を繰上げ返済に回すという組み立ても可能ですが、 その場合は毎月の上乗せ返済で実際にどれだけ短縮できるかを先に確認してください。

変動金利で40年を選んだときの改定

ここまでは金利が動かない前提でした。変動金利で借りた場合、2026年10月から 10年かけて一定のペースで金利が上がる仮定を当てると、5年ルールによる1回目の返済額改定は次のようになります。

上昇幅改定時期改定後(35年)改定後(40年)総返済額(35年)総返済額(40年)総額の差
+0.5ポイント 2031年9月 82,629円 73,771円 3,542万円 3,634万円 +92万円
+1.0ポイント 2031年9月 86,156円 77,348円 3,769万円 3,910万円 +141万円
+2.0ポイント 2031年9月 93,534円 84,865円 4,264万円 4,515万円 +252万円
+3.0ポイント 2031年9月 99,010円 87,893円 4,824万円 5,249万円 +425万円

このサイトの計算エンジンによる算出値です。5年ルール・125%ルールがある前提で、金利が10年かけて一定ペースで上がる仮定を当てています。

金利が動かなければ総返済額は35年3,327万円・40年3,375万円で、 差は48万円にとどまります。 ところが+3.0ポイント上がる仮定では、35年4,824万円・40年5,249万円となり、 差は425万円に広がります。期間が長いほど、金利上昇に晒される時間も長くなるためです。

125%の上限に当たるのは、この4ケースでは+3.0ポイントのときだけです。 2031年9月の改定で、35年は101,351円になるところが99,010円に抑えられ、 差額2,341円が後ろに回ります。40年は92,875円が87,893円に抑えられ、 4,982円が後ろに回ります。もとの返済額が低いぶん上限も低くなるため、 40年の方が後ろに回る金額は大きくなります

未払利息が出る金利は期間が長いほど低い

5年ルールがある変動金利では、利息が返済額を超えると差額が未払利息として累積します。 返済額が低いほどこの水位は低くなるため、期間を延ばすと危険水位も下がります。借入直後の残債3,000万円に対する閾値は次の通りです。

返済期間毎月返済未払利息が発生する金利
25年 107,712円 4.31%
30年 91,078円 3.64%
35年 79,208円 3.17%
40年 70,315円 2.81%

このサイトの計算エンジンによる算出値です。借入直後の残債3,000万円と、各期間の毎月返済額から逆算しています。

40年返済の閾値は2.81%で、35年の3.17%より 0.36ポイント低くなります。期間を延ばすことは、 未払利息が出始める金利を下げることでもあります。

ただし、この閾値は借入直後の残債と返済額に対する数字です。 前の表で+3.0ポイント(金利3.6%まで上昇)を当てても未払利息が 1円も発生していないのは、 金利が10年かけて上がる間に元金が減り、2031年9月の改定で返済額自体が上がるためです。 改定後の残債2,765万円と返済額87,893円で計算し直すと、 閾値は3.81%まで上がります。金利3.6%はこの水位に届きません。

つまり、危険水位は固定の数字ではなく、そのときの残債と返済額で動きます。 表の2.81%は「借りた直後に一気にそこまで上がったら」という条件での値です。 急に上がるほど危険で、ゆっくり上がるほど余裕が生まれます。 変動金利に上限はないもあわせて確認してください。

40年返済は誰でも選べるわけではない

返済期間の上限は商品ごとに決まっています。住宅金融支援機構の 【フラット35】は、 民間金融機関と同機構が提携して提供する「最長35年の全期間固定金利の住宅ローン」と案内されています。 つまり36年以上の返済期間は、この商品では選べません。

36年以上を扱うのは 【フラット50】で、 こちらは長期優良住宅、予備認定マンション、管理計画認定マンションのいずれかを取得する場合に利用でき、 返済期間は36年〜50年と案内されています。同ページの注意事項には 「【フラット35】と比べて完済時年齢が高くなり、総返済額が増加する可能性があります。」と書かれています。 本ページの計算は、まさにこの2点を実額にしたものです。

民間の金融機関が40年返済を扱うかどうか、また借入時・完済時の年齢要件や適用金利は金融機関により異なります。 本ページでは特定の金融機関の取り扱いを確認していないため、40年で借りられるかどうかは契約先に直接ご確認ください。

どこを見て35年と40年を決めるか

判断が分かれるのは、次の3つの数字のどれを優先するかによります。

1つ目は毎月の余裕です。8,893円が家計の黒字を作るために必要なら、 40年を選ぶ意味があります。ただし、毎月の余裕を作るために期間を延ばす場合は、 その余裕が実際に貯蓄や繰上げ返済に回るかどうかで結果が変わります。回らないなら、総額が増えるだけになります。

2つ目は完済年齢です。65歳時点の残債が416万円〜1,590万円残る形になるため、 退職後の収入でその返済を続けられるか、あるいは退職金で精算する前提かを決めておく必要があります。

3つ目は金利が上がったときの総額です。金利0.6%のままなら差は48万円ですが、 +3.0ポイント上がる仮定では425万円に広がります。変動金利で40年を選ぶことは、 上昇に晒される期間を5年長く取ることでもあります。全期間固定で40年を組めるなら、この論点は消えます。

契約前に確認する手順

最初に、40年返済が選べる商品かどうかを金融機関に確認します。あわせて、完済時年齢の上限、 40年にした場合の適用金利が35年と同じかどうか、団体信用生命保険の加入年齢要件を聞いておきます。 期間が長いほど金利が高い商品では、上の表より差が大きくなります。

次に、35年と40年の両方で毎月返済額と総返済額を出し、差額を紙に書き出します。 毎月8,893円の差が家計にとって必要なものか、それとも借入額そのものを減らす方が先かを、 この段階で判断します。期間を延ばすと毎月だけが下がりますが、借入額を減らせば毎月と総額の両方が下がります。 100万円多く借りる影響で、借入額を動かした場合の差額を確認できます。

最後に、40年を選ぶ場合は繰上げ返済の計画をセットで決めます。 何歳までにいくら繰上げ返済して完済年齢を何歳にするか、という形で書いておくと、 後から見直すときの基準になります。35年と30年の総返済額の差も 同じ考え方で比べられます。

40年ローンについてよくある質問

40年にすると総返済額はどれくらい増えますか

借入額3,000万円・金利0.6%・元利均等なら、35年と比べて48万円増えます。 ただしこれは金利が動かない場合の数字です。金利2.5%なら差は244万円、 変動で+3.0ポイント上がる仮定では425万円に広がります。金利水準によって答えが大きく変わる点にご注意ください。

途中で40年から期間を短くできますか

期間短縮型の繰上げ返済を使えば、実質的に完済を前倒しできます。ただし条件変更として期間そのものを 短くできるかどうか、手数料がかかるかどうかは金融機関により異なります。本ページでは確認していないため、 契約先にご確認ください。期間短縮型と返済額軽減型の違いで 2つの方式の効果を比べています。

40年で借りて余裕分を繰上げ返済に回すのは有利ですか

毎月8,893円を確実に繰上げ返済に回せるなら、35年で借りた場合に近い形へ寄せられます。 一方で、繰上げ返済に回さなければ総額が48万円増えるだけになります。 どちらが合うかは実行できるかどうかで決まるため、返済計画として書いて残しておくことをおすすめします。

まとめ

  • 3,000万円・金利0.6%なら、40年は35年より毎月8,893円安く、総返済額は48万円増える
  • 毎月の差は金利が上がってもほぼ変わらないが、総額の差は金利2.5%で244万円まで広がる
  • 30歳で借りると40年返済の完済は70歳、65歳時点の残債は416万円残る
  • 未払利息が出る金利は40年で2.81%と35年の3.17%より低いが、ゆっくり上がる場合は改定で水位も上がる
  • 【フラット35】は最長35年、36年以上は【フラット50】の扱い。民間の取り扱いは金融機関により異なる