管理費と修繕積立金を足した住居費はいくらか

3,000万円・35年・金利0.6%・元利均等で借りた場合の毎月返済額は79,208円です。ここに管理費・修繕積立金を足すと、毎月の住居費と、年収500万円に対する負担率は次のようになります。管理費等の額は物件によって大きく違うため、ここでは月0円から6万円までを仮定として置いています。

管理費・修繕積立金ローン返済毎月の住居費年間の住居費住居費負担率35年の管理費等累計
なし(戸建て等)79,208円79,208円950,496円19.0%
月2万円79,208円99,208円1,190,496円23.8%840万円
月4万円79,208円119,208円1,430,496円28.6%1,680万円
月6万円79,208円139,208円1,670,496円33.4%2,520万円

このサイトの計算エンジンによる算出値です。ローン返済額は元利均等・ボーナス返済なしで算出し、管理費・修繕積立金は仮定した金額をそのまま加算しています。

ローン返済だけで見れば負担率は19.0%です。しかし管理費等が月4万円なら住居費負担率は28.6%になり、9.6ポイント高くなります。この差は物件の広さや共用設備によって決まる部分が大きく、ローンの金利や期間を工夫しても消えません。

年収別に見た住居費負担率

同じ返済額・同じ管理費等でも、年収が違えば負担率は変わります。管理費・修繕積立金を月4万円と仮定して、年収別に並べます。

年収ローンのみの負担率管理費等を含む住居費負担率
400万円23.8%35.8%+12.0ポイント
500万円19.0%28.6%+9.6ポイント
600万円15.8%23.8%+8.0ポイント
700万円13.6%20.4%+6.9ポイント
800万円11.9%17.9%+6.0ポイント

このサイトの計算エンジンによる算出値です。返済額は3,000万円・35年・0.6%で固定し、管理費・修繕積立金を月4万円と仮定しています。

管理費等は年収に比例しません。同じ物件を買えば、年収400万円の人も800万円の人も同じ額を払います。そのため、年収が低いほど住居費負担率への影響が大きく出ます。年収400万円ではローンのみで23.8%、管理費等を含めると35.8%です。年収が下がったときの負担率の動き方は年収減少時の返済負担率でも扱っています。

住居費負担率25%で借りられる額はいくら減るか

視点を逆にします。「住居費として毎月払える上限」を先に決めると、管理費等が高い物件ほどローンに回せる額が減ります。年収500万円で住居費負担率を25%(毎月104,167円)までに収める場合、管理費等の額ごとに借りられる額はこう変わります。

管理費・修繕積立金ローンに回せる額借入可能額(35年・0.6%)管理費等なしとの差
なし104,167円3,945万円基準
月2万円84,167円3,188万円−757万円
月4万円64,167円2,430万円−1,515万円
月6万円44,167円1,673万円−2,272万円

このサイトの計算エンジンによる算出値です。毎月返済額から借入額を逆算し、1万円単位に丸めています。25%という上限は本ページの試算上の前提で、金融機関の審査基準ではありません。

管理費等が月2万円増えるごとに、借りられる額はおよそ757万円減ります。物件価格が同じでも、管理費等が高い物件は「住居費として見た値段」が高いことになります。ローン単体の借入可能額は借入可能額と、5年後の負担率で扱っています。

金利上昇と修繕積立金の値上げが重なったとき

変動金利では、金利が上がっても5年ルールがあれば返済額は5年間据え置かれます。ここでは借入直後から金利が上がり始め、5年で上げ幅に到達する仮定を置いて、2031年8月の改定額を計算します。そこに管理費等を足したものが、5年後の住居費です。

5年間の上昇幅改定後の金利改定後の返済額125%上限で後ろに回る額管理費等4万円時の負担率管理費等6万円時の負担率
+0.5%1.1%86,156円30.3%35.1%
+1%1.6%93,534円32.0%36.8%
+1.5%2.1%99,010円2,341円33.4%38.2%
+2%2.6%99,010円10,606円33.4%38.2%

このサイトの計算エンジンによる算出値です。5年ルール・125%ルールがある前提で計算しています。ルールの有無や適用条件は金融機関・契約により異なります。

上昇幅が+1.5%以上になると、返済額は125%の上限に当たって99,010円で止まります。上限で抑えられた分(+1.5%なら毎月2,341円、+2%なら毎月10,606円)は消えるのではなく、後の返済に回ります。上限の当たり方そのものは金利2%上昇で総額はいくら増えるかで詳しく扱っています。この表の範囲では、管理費等を月6万円と仮定した場合の住居費負担率は最大38.2%です。

125%ルールは管理費・修繕積立金には効かない

上の表で注目したいのは、返済額の列と管理費等の列で挙動が違うことです。返済額には125%という上限があり、+1.5%でも+2%でも改定額は同じ99,010円で止まっています。一方、管理費・修繕積立金にはこうした上限がありません。管理組合の総会で決まれば、翌月から新しい額になります。

つまり、変動金利のリスクを125%ルールが部分的に抑えていても、住居費全体には同じ保護が働きません。長期修繕計画では、修繕積立金を段階的に引き上げる方式が採られることがあります。この場合、値上げの時期と金利改定の時期が重なると、住居費が一度に増えます。

本ページでは管理費等を4万円から6万円へ引き上げた場合を並べていますが、これは特定の物件の予定額ではなく、幅を見るための仮定です。実際の引き上げ幅は長期修繕計画に書かれているため、その物件の資料で確認してください。

35年の累計では利息より大きくなる

管理費等は毎月の額が小さく見えるため、総額で意識されにくい費目です。月4万円を35年払い続けると累計1,680万円になります。同じ条件のローンの総利息は327万円なので、管理費等の累計はその約5.1倍です。

金利の比較には多くの人が時間をかけます。金利0.1%の差は総額いくら違うかで扱ったとおり、0.1%の差でも35年では無視できない金額になります。それでも、管理費等の月1万円の差は、35年で420万円の差になります。物件を比べるときは、価格と金利だけでなく管理費等も同じ軸に載せると、比較の抜けが減ります。

なお、ローンは完済すれば終わりますが、管理費と修繕積立金は完済後も続きます。ここでは返済期間と揃えて35年で計算していますが、実際の負担期間はそれより長くなります。

購入前・購入後に確認する手順

購入前であれば、まず重要事項説明書とマンションの管理に関する資料で、現在の管理費・修繕積立金の額を確認します。次に長期修繕計画を見て、引き上げの予定があるか、あるとすればいつ・いくらかを確認します。段階増額方式であれば、将来の額まで書かれていることがあります。

その額をこのページの計算に当てはめ、住居費負担率が何%になるかを見ます。あわせて、金利が上がった場合の改定額も同じ表に載せると、いちばん厳しい組み合わせが見えます。駐車場代がかかる場合は、それも住居費として足してください。

購入後であれば、返済予定表で残債・適用金利・残り期間を確認し、管理組合の総会資料で修繕積立金の改定予定を確認します。返済予定表の見方に、試算に必要な3つの数字がどこに書かれているかをまとめています。

住居費負担率についてよくある質問

金融機関の審査でも管理費・修繕積立金は見られますか

審査で見る項目や返済負担率の基準は金融機関により異なるため、本ページでは特定の基準としては扱っていません。ここで示した25%という上限は、本ページの試算上の前提です。実際にどの費目が審査に含まれるかは、申し込む金融機関にご確認ください。

戸建てなら管理費がかからないので有利ですか

毎月の定額支出という意味では、戸建てに管理費・修繕積立金はありません。ただし外壁や屋根の修繕費は自分で用意する必要があり、支出のタイミングがまとまって来る点が違います。本ページの表で「管理費等なし」の行は、そうした将来の修繕費を織り込んでいない数字です。

管理費等が高い物件は避けた方がよいですか

額の高低だけでは判断できません。共用設備が多い、管理員が常駐しているなど、金額の理由がある場合もあります。判断材料になるのは、長期修繕計画に対して積立金が足りているかどうかです。ここで示せるのは、その額を住居費負担率に直すといくつになるかという数字までです。

まとめ

  • 3,000万円・35年・0.6%の返済額は79,208円。年収500万円で負担率19.0%
  • 管理費等が月4万円なら住居費負担率は28.6%になる
  • 住居費負担率25%で見ると、借入可能額は3,945万円から2,430万円へ下がる
  • 125%ルールは返済額には効くが、管理費・修繕積立金には効かない