毎月10万円で借りられるのはいくらか

毎月の返済額を10万円までと決めたとき、いくらまで借りられるか。 35年・元利均等・ボーナス返済なしという条件を固定して、金利だけを変えた結果が次の表です。 毎月返済額が10万円を超えない範囲で、借入額を1万円単位で逆算しています。

金利借入可能額そのときの毎月返済0.6%との差減少率
0.6% 3,787万円 99,987円 基準
1% 3,542万円 99,985円 -245万円 6.5%
1.5% 3,266万円 99,999円 -521万円 13.8%
2% 3,018万円 99,975円 -769万円 20.3%
2.5% 2,797万円 99,991円 -990万円 26.1%

このサイトの計算エンジンによる算出値です。毎月返済額が10万円以下に収まる最大の借入額を、1万円単位で逆算しています。

金利0.6%なら3,787万円、2.5%なら2,797万円です。 毎月払う額は同じ10万円でも、借りられる額は990万円違います。 金利は毎月返済額の一部を利息に振り向けるため、金利が高いほど同じ返済額で減らせる元金が小さくなり、 逆算した借入可能額もその分だけ小さくなります。

なお、ここでの「借入可能額」は返済額から逆算した金額であり、金融機関の審査で通る額とは別のものです。 審査では年収、勤続、他の借入、物件の担保評価など複数の要素が見られます。 この表は「毎月10万円という自分の予算に、いくらの元金が対応するか」を示すものとして読んでください。

毎月払える額を変えるといくら動くか

予算そのものを変えるとどうなるかを見ます。金利0.6%・35年で固定し、毎月の予算だけを変えた結果です。 右の2列は、その予算の上限まで変動で借りたあと、5年かけて金利が1ポイント上がった場合の改定後の返済額です。

毎月の予算借入可能額総利息総返済額+1.0ポイント後の改定額予算に対して
80,000円 3,030万円 330万円 3,360万円 94,469円 118.1%
100,000円 3,787万円 412万円 4,199万円 118,071円 118.1%
120,000円 4,544万円 495万円 5,039万円 141,672円 118.1%
150,000円 5,681万円 619万円 6,300万円 177,122円 118.1%

このサイトの計算エンジンによる算出値です。金利0.6%・35年・元利均等で予算だけを変え、改定額は5年ルール・125%ルールがある前提で計算しています。

予算を2万円増やすと、借入可能額はおおむね757万円増えます。 毎月8万円と15万円では借入可能額に2,651万円の開きがあり、 総利息も330万円と619万円で差がつきます。

注目したいのは右端の列です。予算に対する改定後の比率は、 毎月8万円でも15万円でも118.1%で変わりません。 予算を下げても、その予算の上限まで借りるかぎり金利上昇への耐性は変わらないということです。 耐性を作るのは予算の大きさではなく、予算と実際の返済額のあいだにどれだけ余白を残すかです。

返済期間を変えると借入可能額はどう変わるか

毎月10万円という予算を固定したまま、返済期間だけを変えます。あわせて、金利が0.6%から1.6%へ 1ポイント上がった場合に、借入可能額がどれだけ削られるかを並べました。

返済期間0.6%の借入可能額1.6%の借入可能額減少率
25年 2,785万円 2,471万円 -314万円 11.3%
30年 3,293万円 2,857万円 -436万円 13.2%
35年 3,787万円 3,214万円 -573万円 15.1%

このサイトの計算エンジンによる算出値です。毎月10万円の予算を固定し、返済期間と金利を変えています。

同じ1ポイントの上昇でも、25年返済では11.3%、35年返済では15.1%の減少です。 期間が長いほど返済額に占める利息の比重が大きく、金利の変化に対する感度も高くなります。 「期間を延ばせば同じ予算で多く借りられる」のは事実ですが、 その分だけ借入可能額が金利水準に左右されやすくなるという副作用があります。

期間そのものの損得は35年と30年の総返済額の比較で扱っています。 借入可能額を増やす目的で期間を延ばすと、総利息と完済年齢の両方が動くため、 完済年齢と定年後の残債も合わせて確認しておくと判断しやすくなります。

上限いっぱいで借りると5年後の返済額は予算を超える

変動金利で借りた場合、「毎月10万円」は借入時点の返済額であって、返済額の上限ではありません。 3,787万円を金利0.6%・35年の変動で借り、5年かけて金利が上がったときの、 最初の返済額改定を計算しました。 5年ルール・125%ルールがある契約という前提で、返済開始を2026年9月としています。

5年後までの上昇幅改定時の金利改定後の返済額予算10万円に対して125%上限
+1.0ポイント 1.6% 118,071円 118.07% 当たらない
+1.5ポイント 2.1% 124,983円 124.98% 上限に当たる(本来は127,939円)
+2.0ポイント 2.6% 124,983円 124.98% 上限に当たる(本来は138,372円)
+3.0ポイント 3.6% 124,983円 124.98% 上限に当たる(本来は160,965円)

このサイトの計算エンジンによる算出値です。5年ルール・125%ルールがある前提で、最初の返済額改定を2031年8月として計算しています。

+1.0ポイントの上昇では、改定後の返済額は118,071円で、予算の118.07%にあたります。 125%上限には当たっていません。上限が効き始めるのは+1.5ポイント以降で、 +3.0ポイントでは本来の160,965円が124,983円に抑えられます。

ただし、抑えられた差額が消えるわけではありません。上限で切られた分は利息の支払いに回りきらず、 元金の減りが遅れる形で後ろに残ります。詳しい仕組みは5年ルールで実際に起きていることで扱っています。 住宅金融支援機構【フラット35】も、変動金利型について 返済額の見直しは5年ごと・見直し後は変更前の1.25倍が限度とされるケースが一般的 だとしています。ルールの有無や適用条件は金融機関・契約により異なるため、契約書と返済予定表での確認が必要です。

借入額を予算の上限より抑えれば、改定後の返済額も同じ比率で下がります。 たとえば3,787万円ではなく3,030万円に抑えれば、 +1.0ポイントの改定後でも94,469円で、毎月10万円の予算の内側に収まります。 借入額をいくらにするかは、借入時点の返済額ではなく、 改定後の返済額が予算に収まるかで決めるという見方もできます。

未払利息が出る金利と、上昇ペースの関係

返済額を超える利息が発生すると、その差額は未払利息として累積します。 3,787万円を毎月99,987円で返している時点では、 未払利息が発生する金利は3.17%です。

ただしこの水準は固定ではありません。5年後に返済額が124,983円へ改定され、 残債が3,546万円まで減った時点では、閾値は4.23%に上がります。 閾値は「そのときの残債と、そのときの返済額」で決まるため、 返済が進むほど余裕が生まれます。逆に言えば、危ないのは金利が上がるのが早い場合です。

+3.0ポイントに達するまでの年数返済額の最大値未払利息の累計総返済額
1年 200,350円 565,584円 7,075万円
3年 188,846円 220,320円 6,828万円
5年 179,299円 発生しない 6,598万円
10年 158,226円 発生しない 6,090万円

このサイトの計算エンジンによる算出値です。上昇幅は同じ+3.0ポイントで、そこへ到達するまでの年数だけを変えています。

同じ+3.0ポイントでも、10年かけて上がる場合と1年で上がる場合では結果が違います。 5年以上かけて上がるケースでは未払利息は発生せず、1年で上がるケースでは565,584円が累積しました。 総返済額も6,598万円と7,075万円で差が出ます。 金利の水準だけでなく、そこへ何年で到達するかが結果を変えるということです。

なお、上の表で+3.0ポイントを5年かけて上げたケースは、到達時の金利3.6%が 当初の閾値3.17%を超えているにもかかわらず未払利息が発生していません。 5年の途中で返済額が改定され、閾値そのものが4.23%まで上がっているためです。 「金利が閾値を超えたら必ず未払利息が出る」わけではなく、 金利が閾値を超える時点の返済額と残債で判定されます。

「毎月払える額」に何を含めるか

この記事の10万円は、住宅ローンの返済額だけを指しています。実際に家に出ていくお金は返済額だけではありません。 マンションなら管理費と修繕積立金、戸建てでも固定資産税、都市計画税、火災保険料、将来の修繕費がかかります。 返済額の予算をそのまま住居費の予算だと考えると、家計の余白を実際より大きく見積もることになります。

管理費・修繕積立金を含めた負担率については管理費・修繕積立金を含めた負担率で扱っています。 125%ルールが返済額の上がり方を抑えても、管理費や修繕積立金の改定には効きません。 住居費の合計で見ると、返済額だけを見た場合より増え方が急になることがあります。

もう一つは手元資金です。上限いっぱいまで借りると毎月の黒字が薄くなり、 金利が上がったときに取り崩す現金の余裕も同時に小さくなります。 生活防衛資金はいくら残すかで計算しているとおり、 必要な現金額は毎月の返済額と生活費の両方で決まるため、借入額を増やすと必要な備えも増えます。

年収から逆算する方法との違い

借入可能額の逆算には二つの入口があります。一つは年収と返済負担率から出す方法、 もう一つがこの記事のように毎月払える額から出す方法です。 年収から出す方法は借入可能額と、5年後の負担率で扱っています。

違いは、何を固定して何を導くかです。年収基準では負担率という比率を先に決め、そこから返済額と借入額を出します。 毎月額基準では、家計簿から出てきた実額を先に決めます。 すでに賃貸に住んでいて毎月の支出が把握できている場合は、後者の方が現実に近い数字になりやすい一方、 ボーナスや将来の収入変動が視野から抜けやすいという弱点があります。

どちらの方法でも共通するのは、変動金利では出てきた上限が借入時点のものにすぎないことです。 上の表で見たとおり、上限まで借りると5年後の改定で返済額が予算を超えることがあります。 予算に対する余白をどれだけ取るかを、借入額を決める段階で先に決めておく方が扱いやすくなります。

確認手順

まず、いまの家計から住宅にあてられる月額を出します。家賃、駐車場代、更新料の月割りなど、 住宅にひもづく支出を合計し、そこから管理費・修繕積立金・固定資産税の月割り見込みを引いた残りが、 ローン返済額にあてられる金額です。

次に、その金額をこのページの表に当てはめて借入可能額の目安を出します。 金利は現在の適用金利だけでなく、1ポイント高い水準でも見ておくと幅がつかめます。 金利が高いケースの借入可能額が、検討している物件価格から自己資金を引いた額を下回るなら、 予算か物件価格のどちらかを動かす必要があります。

最後に、変動で借りる場合は改定後の返済額を確認します。 5年後に予算の何%まで上がるかを見て、その金額でも毎月の黒字が残るかを家計簿で確かめます。 黒字が残らないなら、借入額を減らすか、返済期間を延ばして初期の返済額を下げるか、 固定金利で返済額を確定させるかという選択になります。金融機関に相談する際は、 この三つのうちどれを優先したいかを先に決めておくと話が進めやすくなります。

毎月10万円の借入可能額についてよくある質問

この金額なら審査に通りますか

この記事の金額は、毎月の返済額から元金を逆算しただけのものです。審査では年収、勤続年数、 他の借入、物件の担保評価などが見られ、審査に用いる金利も適用金利とは別に定められていることがあります。 審査の可否や上限額は金融機関により異なるため、実際の借入可能額は金融機関にご確認ください。

毎月10万円ぎりぎりまで借りても大丈夫ですか

変動金利で上限まで借りた場合、5年かけて金利が1ポイント上がると改定後の返済額は 118,071円となり、当初の予算を18.07%上回りました。 予算に対してどれだけ余白を残すかは、収入の安定性や手元資金によって変わります。 余白がない場合は、借入額を減らすか固定金利を検討するという選択肢があります。

返済期間を延ばせば同じ予算で多く借りられますか

毎月10万円の予算では、25年で2,785万円、35年で3,787万円となり、 期間を延ばすほど借入可能額は増えます。ただし総利息も増え、完済年齢も後ろにずれます。 また、期間が長いほど金利上昇で借入可能額が削られる割合が大きく、 25年の11.3%に対して35年では15.1%でした。

まとめ

  • 毎月10万円・35年・金利0.6%で借りられるのは3,787万円
  • 金利が1ポイント上がると借入可能額は573万円(15.1%)減る
  • 上限まで借りて5年で+1.0ポイント上がると、改定後は118,071円=予算の118.07%
  • 未払利息の閾値は当初3.17%だが、改定後は4.23%へ動く
  • 同じ+3.0ポイントでも、1年で上がると565,584円の未払利息が出る