残り15年・残債1,000万円で1%上がるといくら増えるか
まず、検索語に直接答えます。残債1,000万円・残り15年・元利均等・ボーナス返済なしで、 適用金利だけを変えた結果が次の表です。0.6%から1.6%へ1ポイント上がると、 毎月返済は4,419円、完済までの総返済額は80万円増えます。
| 適用金利 | 毎月返済 | 総利息 | 総返済額 | 0.6%との差 |
|---|---|---|---|---|
| 0.6% | 58,106円 | 46万円 | 1,046万円 | 基準 |
| 1.1% | 60,290円 | 85万円 | 1,085万円 | 39万円 |
| 1.6% | 62,525円 | 125万円 | 1,125万円 | 80万円 |
| 2.1% | 64,812円 | 167万円 | 1,167万円 | 121万円 |
このサイトの計算エンジンによる算出値です。残債と残り期間を固定し、適用金利だけを変えています。
増加額80万円は、0.6%のままの総返済額1,046万円に対して7.6%にあたります。 借入直後に同じ1ポイントを当てた場合と比べると小さい数字です。 3,000万円を35年で借りた直後のケースは金利1%上昇の総額差で計算していますが、 そちらは前提が違うため、単純に並べて比べないでください。
返済の進み具合別|同じ1%上昇を当てる
次に、返済がどこまで進んでいるかで影響がどう変わるかを見ます。 残債と残り期間の組み合わせを5通り置き、それぞれに同じ0.6%→1.6%を当てました。
| 状態 | 残債 | 0.6%の毎月返済 | 毎月の増加 | 総返済額の増加 | 増加率 |
|---|---|---|---|---|---|
| 残り30年 | 2,500万円 | 75,899円 | 11,585円 | 417万円 | 15.3% |
| 残り25年 | 2,000万円 | 71,808円 | 9,122円 | 274万円 | 12.7% |
| 残り20年 | 1,500万円 | 66,340円 | 6,733円 | 162万円 | 10.1% |
| 残り15年 | 1,000万円 | 58,106円 | 4,419円 | 80万円 | 7.6% |
| 残り10年 | 600万円 | 51,527円 | 2,612円 | 31万円 | 5.1% |
このサイトの計算エンジンによる算出値です。残債と残り期間の組み合わせは本ページの仮定で、返済の進み具合を表す目安として置いています。
残り30年の状態では総返済額が417万円増え、残り15年では80万円です。 増加率で見ても15.3%と7.6%で、確かに後半ほど影響は小さくなります。 ただしこの表は残債も同時に変えているため、影響が減った理由が「期間が短いから」なのか 「残債が少ないから」なのかが分かれません。次で分けます。
小さくなるのは総額で、毎月ではない
残債を1,000万円に固定し、残り期間だけを変えて同じ1ポイントを当てた結果です。 残債が同じなら、毎月の増加額は残り期間が短くなってもほとんど変わりません。
| 残り期間 | 0.6%の毎月返済 | 毎月の増加 | 総返済額の増加 |
|---|---|---|---|
| 30年 | 30,359円 | 4,634円 | 167万円 |
| 25年 | 35,904円 | 4,561円 | 137万円 |
| 20年 | 44,227円 | 4,488円 | 108万円 |
| 15年 | 58,106円 | 4,419円 | 80万円 |
| 10年 | 85,879円 | 4,354円 | 52万円 |
このサイトの計算エンジンによる算出値です。残債1,000万円を固定し、残り期間だけを変えています。
残り30年と残り10年で、毎月の増加額は4,634円と4,354円です。 期間が3分の1になっても、毎月の増加は6%しか縮みません。 一方で総額の増加は167万円から52万円へ、69%縮みます。
元利均等では、金利上昇で増える利息の総額を、残りの返済回数で割って毎月に配分します。 残り期間が短いほど増える利息の総額は小さくなりますが、それを割る回数も同じように少なくなります。 実際、残り30年の増加167万円を360回で割ると4,634円、残り10年の52万円を120回で割ると4,354円です。 だから総額は大きく減り、毎月はほとんど減りません。 「返済が進んだから金利上昇は怖くない」という言い方は、総額については当てはまりますが、 毎月の家計に当たる金額としては当てはまりにくい、というのが算出値の示すところです。
5年ルールがある場合、改定はいつ・いくらか
変動金利では、適用金利が上がってもすぐには返済額が変わらない契約があります。 ここでは5年ルール・125%ルールがある前提で、0.6%から1.6%へ3年かけて上がるシナリオを当てました。 起点は2026年9月で、返済額の改定は5年後です。
| 状態 | いまの返済額 | 改定時期 | 改定後の返済額 | 125%上限 | 未払利息が出る金利 |
|---|---|---|---|---|---|
| 残り30年 | 75,899円 | 2031年8月 | 88,616円 | 当たらない | 3.64% |
| 残り25年 | 71,808円 | 2031年8月 | 81,987円 | 当たらない | 4.31% |
| 残り20年 | 66,340円 | 2031年8月 | 74,065円 | 当たらない | 5.31% |
| 残り15年 | 58,106円 | 2031年8月 | 63,464円 | 当たらない | 6.97% |
| 残り10年 | 51,527円 | 2031年8月 | 55,235円 | 当たらない | 10.31% |
このサイトの計算エンジンによる算出値です。5年ルール・125%ルールがある前提で、上昇幅1.0ポイントを3年かけて当てています。
残り15年のケースでは、改定は2031年8月、返済額は58,106円から63,464円になります。 この上昇幅では、どの状態でも125%上限には当たっていません。 上限は1回の改定幅を抑える仕組みなので、上昇幅が小さいうちは出番がないという結果です。
危険水位は返済が進むほど高くなる
未払利息は、その月の利息が返済額を超えたときに発生します。 利息は残債で決まり、返済額は残り期間で決まるので、 残債が減って返済額が相対的に大きい状態ほど、未払利息が出る金利は高くなります。 前の表の右端が、その水位です。
残り30年の状態では3.64%で利息が返済額に届きますが、 残り15年では6.97%、残り10年では10.31%まで上がらないと届きません。 本ページで当てた1.0ポイント上昇のシナリオでは、いずれの状態でも未払利息は発生しませんでした。 未払利息そのものの仕組みは5年ルールで実際に起きていることで扱っています。 全期間固定型と変動金利型の違いや、変動金利型で未払利息が生じる場合があることは、 住宅金融支援機構【フラット35】の金利タイプの解説ページでも説明されています。
なお、この水位は残債と返済額から逆算した水準であって、金利がそこまで上がるという予測ではありません。 本サイトでは将来の金利水準を予測せず、「もしこの水準になったら」という仮定として扱います。
上昇幅別|残り15年で125%上限に当たるのはどこか
同じ残り15年に、上昇幅だけを変えて当てた結果です。上限に当たるかどうかは、上昇幅で変わります。
| 上昇幅 | 到達金利 | 改定後の返済額 | 125%上限 | 未払利息 |
|---|---|---|---|---|
| +0.5ポイント | 1.1% | 60,735円 | 当たらない | 発生しない |
| +1.0ポイント | 1.6% | 63,464円 | 当たらない | 発生しない |
| +1.5ポイント | 2.1% | 66,299円 | 当たらない | 発生しない |
| +2.0ポイント | 2.6% | 69,242円 | 当たらない | 発生しない |
| +3.0ポイント | 3.6% | 72,632円 | 当たる | 発生しない |
このサイトの計算エンジンによる算出値です。残債1,000万円・残り15年に、各上昇幅を3年かけて当てています。
+2.0ポイント(2.6%)までは、改定後の返済額が69,242円で上限に届きません。 上限に当たるのは+3.0ポイント(3.6%)のケースで、改定後は72,632円に抑えられます。 抑えられた分は利息の支払いが後ろに回るだけで、この条件では未払利息までは発生していません。 125%上限が効いているかどうかは、返済予定表の改定後の返済額を、改定前の1.25倍と見比べると分かります。 上限の性質は変動金利に上限はないで詳しく扱っています。
借入時点の比較とは前提が違う
金利上昇の記事は、借入前の商品比較を前提にしたものが多くあります。 その場合は「最初から35年間その金利が続く」比較で、残債は借入額そのもの、期間は全期間です。 一方このページは、すでに何年か返してきた人が対象で、残債は減り、残り期間も短くなっています。 同じ「1%上がる」でも、出てくる金額はまったく違います。
自分がどちらの状況かは、返済予定表で確認できます。現在残債、適用金利、残り回数の3つが分かれば、 このページと同じ計算ができます。どこに書いてあるかは返済予定表の見方にまとめてあります。 当初借入額と当初期間で計算すると、影響を実際より大きく見積もることになります。
残り期間が短い人が見るべき数字
見る順番は、毎月の増加額、年間の増加額、総額の増加の3つです。 残り15年のケースなら毎月4,419円、年間53,028円、総額80万円になります。 毎月の額が家計の黒字の範囲に収まるかを先に見て、その後に総額を見ます。
総額の増加が小さい場合、借り換えの検討はしにくくなります。 残り期間が短いほど、諸費用を金利差で取り戻す時間も短いためです。 判断の分かれ目は借り換えは何年目まで得かで、年数別に計算しています。
繰上げ返済は逆に、残り期間が短くても効果がゼロにはなりません。ただし早いほど削減額が大きいのも事実で、 繰上げ返済は早いほど得かで実行時期別の差を出しています。 手元資金をどこまで使うかは、生活防衛資金を残した上で決めることになります。
確認手順
1つめに、返済予定表から現在残債、適用金利、残り回数を書き出します。 2つめに、その3つでこのページと同じ0.5・1.0・1.5ポイントの上昇を当て、毎月と年間の増加額を出します。 3つめに、増加額を家計の月次黒字と比べ、どの水準までなら生活を変えずに払えるかを控えます。
4つめに、契約に5年ルール・125%ルールがあるかを契約書や金融機関のFAQで確認します。 ある場合は次の改定時期がいつかを確かめます。適用金利が上がった時期と改定時期はずれるため、 「まだ返済額が変わっていない」ことは影響がないことを意味しません。
5つめに、返済予定表の元金欄と残高欄を見ます。返済額が据え置かれている間に元金の減りが鈍っていれば、 増えた利息がそこに出ています。残債の減り方が想定より遅いときは、繰上げ返済や条件変更を 検討する材料になります。金融機関ごとの取り扱いは窓口で確認してください。
よくある質問
残り15年なら金利上昇は気にしなくてよいですか
総返済額への影響は借入直後より小さくなりますが、毎月の増加額はあまり小さくなりません。 本ページの算出では、残債が同じなら残り期間が3分の1でも毎月の増加は6%しか縮みませんでした。 毎月いくら増えるかを、自分の残債で確認しておくのが実用的です。
返済期間が短いと未払利息は起きにくいのですか
本ページの算出では、未払利息が出る金利は残り30年で3.64%、残り15年で6.97%でした。 残債に対して返済額が大きい状態ほど水位は高くなります。ただし水位が高いことと、 返済額が増えないことは別です。改定のたびに返済額は見直されます。
いま借り換えるべきか、そのままにすべきかはどう決めますか
本ページの数値は、どちらが有利かを断定するものではありません。 金利差で減る利息と、事務手数料や登記費用などの諸費用を並べ、残り期間内に取り戻せるかで判断します。 残り期間が短いほど回収の時間が足りなくなりやすく、現状維持が有利になる場合もあります。 個別の条件は金融機関にご確認ください。
まとめ
- 残債1,000万円・残り15年で0.6%から1.6%になると、毎月4,419円・総額80万円増える
- 残債が同じなら、残り期間が短くても毎月の増加額は6%しか縮まない(総額は69%縮む)
- 5年ルールがある前提だと、改定は2031年8月で63,464円
- 未払利息が出る金利は残り15年で6.97%、残り30年の3.64%より高い