結論|残債2,000万円・残り25年なら分かれ目は0.24%

残債2,000万円・残り25年・現在の金利1.0%・元利均等で、返済期間を延ばさずに借り換える前提で計算します。 諸費用は事務手数料が定率2.2%の場合で640,000円です。 この諸費用を、下がった金利による総返済額の減少で取り戻せるのは、金利差が0.24%(借り換え後0.76%)を超えたときです。

現在の毎月返済額は75,374円、総返済額は2,261万円です。金利差ごとの結果は次の通りです。

金利差借り換え後の金利毎月返済毎月の差総返済額の減少諸費用差引後毎月差での回収
0.1% 0.9% 74,472円 −902円 270,564円 −369,436円 59年2ヶ月
0.2% 0.8% 73,577円 −1,797円 539,075円 −100,925円 29年9ヶ月
0.3% 0.7% 72,689円 −2,685円 805,516円 +165,516円 19年11ヶ月
0.4% 0.6% 71,808円 −3,566円 1,069,869円 +429,869円 15年
0.5% 0.5% 70,933円 −4,441円 1,332,133円 +692,133円 12年1ヶ月
0.7% 0.3% 69,206円 −6,168円 1,850,469円 +1,210,469円 8年8ヶ月

このサイトの計算エンジンによる算出値です。残債・残り期間・返済方式を固定し、金利だけを下げています。諸費用640,000円は現金で払う前提です。

金利差0.2%では諸費用を引くと−100,925円で、総額では取り戻せていません。 0.3%になると+165,516円に変わります。分かれ目はこの間の0.24%です。 なお「毎月差での回収」は、金利が動かない前提で毎月の差額だけを積み上げた目安の月数です。 実際には元金の減り方も変わるため、総返済額で見た分かれ目とは一致しません。 金利差0.3%の行では回収に19年11ヶ月かかる一方、総返済額では既に+165,516円になっています。 残り期間より長い月数が出ることもある、目安の指標だと考えてください。

残債と残り期間で分かれ目はここまで動く

諸費用のうち事務手数料と登録免許税は借入額に比例します。一方、金利差で減る利息は残債と残り期間の両方で決まります。 残債が大きく期間が長いほど、わずかな金利差でも回収できます。現在の金利1.0%・事務手数料は定率2.2%として計算しました。

残債残り期間諸費用分かれ目の金利差借り換え後の金利
3,000万円 35年 900,000円 0.15% 0.85%
2,500万円 30年 770,000円 0.19% 0.81%
2,000万円 25年 640,000円 0.24% 0.76%
1,500万円 20年 510,000円 0.32% 0.68%
1,000万円 15年 380,000円 0.49% 0.51%
600万円 10年 276,000円 0.9% 0.1%
400万円 10年 224,000円 回収できない

このサイトの計算エンジンによる算出値です。返済期間は借り換え後も同じ月数とし、諸費用は現金払いとしています。

残債3,000万円・残り35年なら0.15%で足りますが、 残債600万円・残り10年では0.9%必要です。 同じ「借り換えの目安」でも、条件によって5.8倍の開きがあります。

回収できない条件もある

表の最後の行、残債400万円・残り10年は「回収できない」となっています。 この条件では諸費用が224,000円かかる一方、金利を1.0%から0%まで下げても減る利息がそれに届きません。 つまり、どんな金利を提示されても総返済額では取り戻せない領域です。

残債が小さい、あるいは残り期間が短い段階では、借り換えは選択肢から外れることがあります。 このサイトは判定が現状維持側に出た場合もそのまま出します。数字が届かないときは、 繰上げ返済の方式返済がきつい時の選択肢など、別の手段と比べる方が現実的です。

諸費用の方式で分かれ目は0.09%まで下がる

分かれ目を決めているのは金利より諸費用です。同じ残債2,000万円・残り25年でも、 事務手数料の方式と旧ローンの保証料の戻りがあるかどうかで、必要な金利差は大きく変わります。

諸費用の前提諸費用の合計分かれ目の金利差借り換え後の金利
定率2.2%(保証料の戻りなし) 640,000円 0.24% 0.76%
定率2.2%+旧ローンの保証料の戻り30万円 340,000円 0.13% 0.87%
定額55,000円(保証料の戻りなし) 255,000円 0.09% 0.91%
定額55,000円+旧ローンの保証料の戻り20万円 55,000円 0.02% 0.98%

このサイトの計算エンジンによる算出値です。登録免許税・司法書士報酬・抵当権抹消費用・印紙税は同じ前提で積み上げ、事務手数料の方式と保証料の戻りだけを変えています。

定率2.2%なら0.24%、定額55,000円なら0.09%です。 金利差が同じでも、手数料の方式が違えば結論が入れ替わります。 金利だけを並べて比べる前に、諸費用の内訳を確定させる必要があります。 内訳の積み上げは借り換えの諸費用で扱っています。

残り期間が短いほど分かれ目は高くなる

残債と諸費用を固定し、残り期間だけを変えた場合です。諸費用は640,000円で共通としました。

残り期間分かれ目の金利差借り換え後の金利
10年 0.62% 0.38%
15年 0.41% 0.59%
20年 0.3% 0.7%
25年 0.24% 0.76%
30年 0.2% 0.8%

このサイトの計算エンジンによる算出値です。残債2,000万円・現在の金利1.0%を固定し、残り期間だけを変えています。

残り30年なら0.2%で足りるところ、 残り10年では0.62%が必要です。 同じ諸費用を、短い期間で取り戻さなければならないためです。 借り換えを検討する時期が遅れるほど必要な金利差は上がる、という関係は 借り換えは何年目まで得かと同じ構造です。

現在の金利水準は分かれ目をほとんど動かさない

意外に見えるかもしれませんが、いま何%で借りているかは分かれ目にほとんど効きません。 残債2,000万円・残り25年・諸費用640,000円を固定し、現在の金利だけを変えた結果です。

現在の金利現在の毎月返済分かれ目の金利差借り換え後の金利
0.8% 73,577円 0.24% 0.56%
1% 75,374円 0.24% 0.76%
1.3% 78,121円 0.23% 1.07%
1.5% 79,987円 0.23% 1.27%
2% 84,770円 0.22% 1.78%

このサイトの計算エンジンによる算出値です。残債・残り期間・諸費用を固定し、現在の金利だけを変えています。

現在1.0%でも2.0%でも、分かれ目は0.24%と0.22%でほとんど変わりません。 金利が高い方が同じ金利差で減る利息はやや大きくなりますが、その差は分かれ目を0.02ポイント動かす程度です。 「金利が高いから借り換えるべき」ではなく、「提示された金利差が分かれ目を超えているか」で見る方が確かです。

変動のまま金利が上がった場合との比較

ここまでは金利が動かない前提でした。実際には、借り換えずに変動のままでいると金利上昇の影響を受けます。 2026年10月を起点に、10年かけて一定ペースで上がる仮定で計算します。 比較対象は、同じ残債2,000万円・残り25年を金利0.6%の変動へ借り換え、同じ上昇に晒された場合です(諸費用640,000円を含みます)。 これは金利の予測ではなく、「もしこの水準まで上がったら」という仮定です。

上昇幅維持の総返済額借り換えの総返済額1回目改定後の返済額(維持/借換)返済額の最大値(維持/借換)
据え置き 2,261万円 2,218万円 +429,866円 75,374円/71,808円 75,374円/71,808円
+0.5ポイント 2,352万円 2,306万円 +464,662円 77,698円/74,046円 79,632円/75,916円
+1.0ポイント 2,447万円 2,397万円 +500,424円 80,077円/76,337円 84,083円/80,191円
+2.0ポイント 2,649万円 2,591万円 +574,948円 84,999円/81,082円 93,589円/89,351円
+3.0ポイント 2,867万円 2,802万円 +653,447円 90,146円/86,047円 103,956円/99,343円

このサイトの計算エンジンによる算出値です。5年ルール・125%ルールがある前提で、どちらも2031年9月に1回目の改定を迎えます。借り換え側は諸費用を総返済額に含めています。

金利差0.4%での借り換えは、据え置きの仮定でも+429,866円、 +3.0ポイントまで上がる仮定では+653,447円と、上昇するほど差が広がります。 金利差の価値は残債に対して効くため、金利が上がった局面でも消えません。 ただし借り換え後も変動を選べば、同じ上昇には同じように晒されます。 +3.0ポイントの仮定では、返済額の最大値は維持側103,956円に対し借り換え側99,343円で、 差は4,613円にとどまります。借り換えは上昇そのものを止める手段ではありません。

なお、この5ケースではどちらも125%の上限に当たらず、未払利息も発生しません(累計0円)。 未払利息が出る金利の水位は、返済額が下がる分だけ借り換え後の方が低くなります。 現在の返済額75,374円に対する水位は4.52%、借り換え後の返済額71,808円に対しては4.31%です。 金利を下げても、未払利息に対する余裕が広がるわけではない点は押さえておく必要があります。 変動と固定のどちらを選ぶかは変動と固定の分岐点で別途扱っています。

返済期間を変えると分かれ目の意味も変わる

ここまでは返済期間を据え置く前提で計算しました。借り換えで期間を延ばすと毎月返済は下がりますが、 総返済額は増えるため、この分かれ目の考え方は当てはまりません。期間を延ばす場合の損得は 借り換えで返済期間を延ばすとで扱っています。

逆に期間を短くする方向では、住宅ローン控除の要件に注意が必要です。国税庁は控除の対象となる借入金の要件として 「償還期間が10年以上の割賦償還の方法により返済されるものまたは割賦払の期間が10年以上の割賦払の方法により支払われるものであること」とし、 この10年以上の期間は「借入金等の債務を負っている期間をいうのではなく、最初の返済等の時から返済等が終了する時までの期間をいいます」としています (国税庁「住宅借入金等特別控除」)。 借り換え後の返済期間が10年を切る組み方をすると、控除の側で不利になる可能性があります。 控除への影響は借り換えで住宅ローン控除は減るのかで扱っています。

確認手順

まず返済予定表から、現在の残債・残り期間・適用金利の3つを取ります。書かれている場所は 返済予定表の見方にまとめてあります。

次に、候補となる金融機関の事務手数料が定率か定額かを確認します。上の表の通り、ここで分かれ目が 0.24%にも0.09%にもなります。あわせて、いまのローンで一括前払いした保証料に戻りがあるかを確認します。 戻りがあると諸費用が下がり、分かれ目も下がります。

最後に、提示された金利と現在の金利の差が、自分の残債と残り期間での分かれ目を超えているかを見ます。 超えていれば総返済額では取り戻せる計算になり、届かなければ現状維持のままという判断になります。 実際の手数料額や保証料の戻りの有無は金融機関により異なるため、見積もりを取ったうえで確認してください。

借り換えの金利差についてよくある質問

金利差が分かれ目を超えていれば借り換えた方がよいのですか

総返済額という一つの軸で見ればそうなりますが、それだけで決まるわけではありません。 審査に通るか、団信の条件が変わらないか、手続きにかかる時間と手間を許容できるかは別の判断です。 このページの分かれ目は「金額の面で回収できるかどうか」の線であって、借り換えを勧める基準ではありません。

諸費用を借入に上乗せしても同じ分かれ目ですか

変わります。上乗せすると借入額が増え、その分にも金利がかかるため、必要な金利差は上がります。 また、上乗せした分は住宅ローン控除の対象外として按分されます。このページは諸費用を現金で払う前提で計算しています。

変動から変動への借り換えでも分かれ目は使えますか

使えますが、前提が変わります。分かれ目は「借り換え後の金利が最後まで続く」という仮定での計算です。 借り換え後も変動なら、その金利は見直しのたびに動きます。上の比較表のように、 上昇の仮定を置いたうえで、金利差の分だけ差が残るかを見る方が実態に近くなります。

まとめ

  • 残債2,000万円・残り25年・諸費用640,000円なら、分かれ目は金利差0.24%
  • 残り期間が短いほど分かれ目は上がる(30年で0.2%、10年で0.62%)
  • 諸費用の方式で分かれ目は0.24%にも0.09%にもなる
  • 残債400万円・残り10年のように、金利を0%まで下げても回収できない条件もある
  • 借り換えても、変動を選べば金利上昇そのものは避けられない