まず、いくら足りないのかを数字にする

相談に行く前に、毎月いくらなら払えるのかを出しておくと話が早く進みます。 金融機関側も、具体的な数字がある方が検討しやすいためです。

必要なのは次の3つです。

  • いまの毎月の返済額
  • 無理なく払える金額
  • その差額(=足りない額)

あわせて、この先どこまで上がりうるかも把握しておくと判断しやすくなります。 変動金利なら、次の改定でいくらになるかは計算できます。

金融機関に相談できること

住宅ローンの条件変更は、金融機関との個別の交渉です。 必ず応じてもらえるわけではありませんが、次のような手段が検討されます。

返済期間を延ばす

残りの期間を延ばせば、毎月の返済額は下がります。 完済時年齢の上限(80歳未満など)に収まる範囲で、という制約があります。

一定期間だけ返済額を減らす

たとえば「1年間は利息だけ払う」といった形で、一時的に負担を下げる方法です。 収入減が一時的な見込みのときに検討されます。 減らした分は後の期間に上乗せされるのが通常です。

ボーナス返済をやめる

ボーナス併用にしている場合、その分を毎月払いに振り替えることで、 年2回の大きな出費をならせます。毎月の額は上がりますが、資金繰りは安定します。

いずれも手数料がかかることがあり、審査も必要です。 条件変更の記録が信用情報に載る場合もあるので、内容は事前に確認してください。

期間を延ばすと、いくら変わるか

残債2,800万円・残り20年・金利1.4%のローンで、 返済期間を延ばした場合を計算しました。

条件毎月返済額負担の変化総支払額総額の変化
現在(残り20年) 133,828円 32,118,720円
5年延長(25年) 110,671円 23,157円 軽くなる 33,201,300円 1,082,580円 増える
10年延長(30年) 95,295円 38,533円 軽くなる 34,306,200円 2,187,480円 増える

このサイトの計算エンジンによる算出値です(金利は横ばいの前提)。

毎月の負担は確かに下がります。ただし総支払額は増えます。 期間を延ばすことは、利息を追加で払って毎月の余裕を買う取引です。

これは悪い取引という意味ではありません。延滞して住宅を失うことに比べれば、 総支払額が増える方がはるかに良いからです。順番を間違えないことが要点です。

動く順番

  1. 家計の固定費を見直す。 保険・通信・サブスクなど、住宅ローン以外で削れるものを先に洗う
  2. 借入先に相談する。 延滞してからでは条件変更に応じてもらいにくくなる
  3. 借り換えを検討する。 ただし延滞歴があると審査に通りにくい。動くなら延滞前
  4. 専門家に相談する。 ファイナンシャルプランナー、法テラス、自治体の相談窓口など

いちばん避けたいのは、何もしないまま延滞することです。 延滞が続くと期限の利益を失い、一括請求に進みます。 そうなる前なら、選べる手段はずっと多く残っています。

借り換えは「苦しくなる前」の手段

金利が下がる借り換えができれば返済額は下がりますが、 借り換えには審査があります。 返済が滞っていたり、収入が大きく減っていると通りません。

つまり借り換えは、まだ余裕があるうちにしか使えない手段です。 「苦しくなったら借り換えよう」は順番として成立しにくい、ということです。

いま余裕があるなら、余裕があるうちに選択肢を確かめておく価値があります。 住宅ローン借り換えは何年目まで得かもあわせてご覧ください。

変動金利なら、先に上限を知っておく

変動金利で借りている場合、返済額は5年ごとに改定され、 そのたびに直前の1.25倍まで上がりうるという構造になっています。

いまが苦しいなら、次の改定でさらに上がる可能性を前提に考える必要があります。 逆に、どこまで上がったら回らなくなるかが分かっていれば、 その手前で動くという判断ができます。

仕組みは返済額が変わらないのに元金が減らない理由、 水準の見当は変動金利に上限はあるかで扱っています。