返済負担率から借入可能額を計算する
住宅ローンの借入可能額は、多くの場合返済負担率(年収に占める年間返済額の割合)を 基準に決まります。ここでは25%・30%・35%の3つの負担率で、年収別の借入可能額を計算しました。 前提は返済期間35年・金利0.6%です。
| 年収 | 負担率25% | 負担率30% | 負担率35% |
|---|---|---|---|
| 400万円 | 3,156万円 | 3,787万円 | 4,418万円 |
| 600万円 | 4,734万円 | 5,681万円 | 6,628万円 |
| 800万円 | 6,312万円 | 7,574万円 | 8,837万円 |
このサイトの計算エンジンによる算出値です。負担率の基準は金融機関ごとに異なり、ここでの25%・30%・35%は本ページが試算に用いた前提です。
負担率が10ポイント違うだけで、借入可能額は年収600万円の場合で1,894万円変わります。 「借りられる額」と「無理なく返せる額」を分けて考える必要があるのは、この幅があるからです。
借りられる額と、無理なく返せる額は別の話
上の表の負担率は、いまの金利がこの先も続く前提で計算しています。 しかし変動金利では、金利は半年ごとに見直され、返済額は5年ごとに改定されます。 据え置き期間中に金利が上がっていれば、5年後の改定で返済額は一段階で押し上げられます。 この仕組みは返済額は同じでも元金充当は減っていくで扱っている内容と同じです。
押し上げ幅には125%ルールという上限があります。1回の改定で返済額が上がるのは 直前の1.25倍までという制限です。上限そのものについては 変動金利に上限はないで詳しく計算しています。 この125%という数字が、返済負担率にもそのまま効いてきます。
5年後、返済負担率はどう変わるか
代表ケースとして、年収600万円・返済負担率30%で借りた場合を計算します。 借入可能額は5,681万円、毎月の返済額は149,994円です。 ここから金利が5年かけて+1.5%まで上がった場合、次の改定は次のようになります。
| 改定前 | 5年後の改定後 | |
|---|---|---|
| 毎月の返済額 | 149,994円 | 187,492円 |
| 返済負担率 | 30% | 37.5% |
このサイトの計算エンジンによる算出値です。125%ルールの上限に当たっているため、未払利息は発生していません。
負担率30%で借りたはずが、5年後には37.5%になります。 同じことを負担率25%・35%でも計算すると、動き方は次のとおりです。
| 当初の負担率 | 5年後の負担率 | 倍率 |
|---|---|---|
| 25% | 31.2% | 1.25倍 |
| 30% | 37.5% | 1.25倍 |
| 35% | 43.7% | 1.25倍 |
年収600万円で、負担率だけを変えて計算した値です。
どの負担率で借りても、125%ルールの上限に当たる限り倍率は同じ1.25倍です。 年収や借入額が違っても、上限に当たれば上がり方は変わりません。 負担率を低めに借りておくことは、この1.25倍を掛けたあとの水準を下げる効果があります。
この試算でわかること、わからないこと
この試算でわかるのは、「いま返せる負担率」と「5年後の改定後に必要な負担率」の差です。 金利が上がるほど、また125%の上限に当たるほど、この差は当初の負担率に比例して広がります。
わからないのは、金利が実際に何%まで、何年で上がるかです。このページは金利の予測ではなく、 「もし5年で+1.5%まで上がったら」という一つの仮定での試算です。実際の借入可能額や 返済負担率の基準は金融機関の審査によって決まり、本ページの数値はどの金融機関の基準も表していません。
すでに返済が始まっていて負担が重いと感じる場合は、 返済がきつい時の選択肢に対処の手順をまとめています。 5年ルール・125%ルールが無い契約との違いは5年ルールがない銀行との違いで 比較しています。
まとめ
- 借入可能額は返済負担率と年収からおおよそ決まるが、基準は金融機関ごとに異なる
- 負担率はいまの金利での計算であり、5年後も同じとは限らない
- 125%ルールの上限に当たると、返済負担率は当初の1.25倍になる(年収や借入額が違っても倍率は同じ)
- 借りる時点の負担率を低めにしておくことは、5年後の水準を下げることにつながる