借り換えると次の改定はいつ・いくらになるか
条件をそろえて比べます。残債2,500万円・残り25年・現在金利0.6%・元利均等、 5年ルールと125%ルールがある変動金利で、適用金利が半年ごとに階段状に上がって 3年で1.5ポイント高い水準に届く前提です。 金利差の損得を切り離すため、借り換え後の金利も同じ0.6%として、 据え置き期間の起点が動くことだけを比較します。
| 項目 | そのまま継続(あと24回で改定) | 借り換え(起点が5年に戻る前提) |
|---|---|---|
| 現在の毎月返済 | 89,760円 | 89,760円 |
| 次の返済額改定 | 2028年9月 | 2031年9月 |
| 改定後の毎月返済 | 101,234円 | 109,684円 |
| 改定による増加 | 11,474円 | 19,924円 |
| 5年後(60回目)の残債 | 21,061,913円 | 21,480,048円 |
| 完済までの総返済額 | 3,165万円 | 3,173万円 |
| 未払利息 | 発生しない | 発生しない |
このサイトの計算エンジンによる算出値です。残債・残り期間・金利・上昇シナリオは同一で、次回改定までの月数だけを24ヶ月と60ヶ月に変えています。
改定の時期は3年延びます。一方、その1回で上がる額は11,474円から19,924円へ増え、 改定後の返済額の差は8,450円です。据え置きが長いほど、改定日までに積み上がった金利上昇を まとめて反映することになるためです。5年後の残債は418,135円多く残り、 完済までの総返済額の差は74,952円(0.24%)にとどまります。
据え置きが延びると元金の減りはどう変わるか
返済額が同じままでも、適用金利が上がれば返済額の内訳は利息に寄ります。 起点が動くと、この「内訳だけが変わる期間」の長さが変わります。最初の5年間で何円が元金に回ったかを見ます。
| ケース | 24回までの元金充当 | 60回までの元金充当 | 60回までの利息 | 60回目の残債 |
|---|---|---|---|---|
| 継続(次の改定まであと2年) | 1,636,514円 | 3,938,087円 | 1,872,051円 | 21,061,913円 |
| 借り換え(起点が5年に戻る前提) | 1,625,040円 | 3,519,952円 | 1,885,572円 | 21,480,048円 |
このサイトの計算エンジンによる算出値です。同じ上昇シナリオで、元金充当額と利息を回数で区切って集計しています。
24回目までは両者の差はわずかです。差が開くのは、継続側が2028年9月に改定され、 返済額が増えた分だけ元金充当も増えるからです。60回までの元金充当は 418,135円の差になります。返済額が上がらない期間は家計の負担が変わらない一方、 残債の減り方は遅くなる、という形で影響が出ます。
上昇幅別|改定額の差はどこまで広がるか
1.5ポイントの前提を0.5ポイントから2ポイントまで振った結果です。 改定額の差は0.5ポイントの2,571円から1.5ポイントの8,450円まで広がりますが、 2ポイントでは6,933円に縮みます。借り換え後の改定額が125%上限で止まるためで、 毎月の差が縮む代わりに総返済額の差は211,463円へ広がります。
| 上昇幅 | 継続の改定額 | 借り換え後の改定額 | 改定額の差 | 5年後残債の差 | 総返済額の差 |
|---|---|---|---|---|---|
| 0.5ポイント | 93,476円 | 96,047円 | 2,571円 | 133,484円 | 12,437円 |
| 1ポイント | 97,308円 | 102,685円 | 5,377円 | 273,102円 | 37,188円 |
| 1.5ポイント | 101,234円 | 109,684円 | 8,450円 | 418,135円 | 74,952円 |
| 2ポイント | 105,267円 | 112,200円(上限) | 6,933円 | 574,038円 | 211,463円 |
このサイトの計算エンジンによる算出値です。上昇幅は3年かけて到達する前提で、(上限)は125%ルールの上限に当たった改定です。
2ポイントの行では、借り換え後の改定額が125%上限に当たっています。 残高と残り期間から計算される額は117,057円ですが、上限の112,200円で止まり、 差の4,857円は次の5年へ繰り延べられます。 継続側は同じ上昇幅では上限に当たりません。1回の改定で吸収する幅が小さいためです。
125%上限に当たるのは上昇幅がいくらからか
上限に当たる水準は、改定までの残り月数で変わります。改定日が遠いほど、その日までに金利が上がる余地が大きく、 1回で必要な引き上げ幅も大きくなるためです。次回改定までの月数ごとに、上限に当たり始める上昇幅を逆算しました。
| 次回改定まで | 上限に当たり始める上昇幅 | そのときの適用金利 | 未払利息 |
|---|---|---|---|
| 1年 | 5.7ポイント | 6.3% | 発生する |
| 2年 | 2.85ポイント | 3.45% | 発生しない |
| 3年 | 1.9ポイント | 2.5% | 発生しない |
| 4年 | 1.8ポイント | 2.4% | 発生しない |
| 5年(借り換え後) | 1.7ポイント | 2.3% | 発生しない |
このサイトの計算エンジンによる算出値です。上昇幅を0.05ポイント刻みで動かし、最初の改定が125%上限に当たる水準を探しています。
改定が5年先の場合は1.7ポイントで上限に届きます。 2年先なら2.85ポイント、1年先なら5.7ポイントです。 ただし1年の行では、上限に当たる前に未払利息が出る水準(適用金利6.3%)まで金利が上がっています。 改定が近い人にとっては、125%上限より先に未払利息の閾値が問題になる、という並びになります。
未払利息の閾値は起点では動かない
未払利息は、その月の利息が返済額を超えたときに発生します。したがって閾値は残債と返済額で決まり、 改定の起点がいつかには左右されません。基準ケースの閾値は4.31%で、 継続でも借り換え後でも同じ値です。上昇幅を2ポイントまでとした比較(上の上昇幅別と後述の残債別)では、 適用金利は最大でも2.6%で閾値に届かないため、未払利息は発生していません。 上限の表で1年の行だけ「発生する」になっているのは、上限に当たる水準まで金利を上げると 適用金利が6.3%まで達し、閾値を超えるためです。
ただし返済額が上がらない期間が延びると、残債の減りが遅くなり、閾値の下がり方も遅くなります。 危険水位そのものは同じでも、そこへ近づいたまま滞在する期間が長くなる、という違いです。 未払利息が発生する時期と金額も合わせて確認してください。
残債別|改定額の差はどれくらいか
差は残債にほぼ比例します。残り25年・0.6%・1.5ポイント上昇の前提で、残債だけを変えた結果です。
| 残債 | 継続の改定額 | 借り換え後の改定額 | 改定額の差 | 5年後残債の差 | 総返済額の差 |
|---|---|---|---|---|---|
| 1,500万円 | 60,740円 | 65,810円 | 5,070円 | 250,865円 | 44,967円 |
| 2,000万円 | 80,987円 | 87,747円 | 6,760円 | 334,498円 | 59,960円 |
| 2,500万円 | 101,234円 | 109,684円 | 8,450円 | 418,135円 | 74,952円 |
| 3,000万円 | 121,481円 | 131,621円 | 10,140円 | 501,766円 | 89,964円 |
このサイトの計算エンジンによる算出値です。残り期間・金利・上昇シナリオは固定し、残債と次回改定までの月数だけを変えています。
残債1,500万円なら改定額の差は5,070円、3,000万円なら10,140円です。 残債が大きい人ほど、起点が動くことで1回の改定に集まる増加額も大きくなります。
総返済額の差は小さく、一直線には並ばない
起点の違いは総額にはあまり出ません。次回改定までの月数を6ヶ月から60ヶ月まで動かした結果です。
| 次回改定まで | 改定の時期 | 改定後の返済額 | 5年後の残債 | 総返済額 |
|---|---|---|---|---|
| 6ヶ月 | 2027年3月 | 92,523円 | 21,341,086円 | 3,171万円 |
| 1年 | 2027年9月 | 95,352円 | 21,214,633円 | 3,169万円 |
| 2年 | 2028年9月 | 101,234円 | 21,061,913円 | 3,165万円 |
| 3年 | 2029年9月 | 107,476円 | 21,047,645円 | 3,162万円 |
| 4年 | 2030年9月 | 108,527円 | 21,253,422円 | 3,168万円 |
| 5年 | 2031年9月 | 109,684円 | 21,480,048円 | 3,173万円 |
このサイトの計算エンジンによる算出値です。同じ上昇シナリオで、次回改定までの月数だけを変えています。
総返済額は3,162万円から3,173万円の範囲に収まり、差は0.34%です。 しかも最小になるのは3年の行で、「改定が早いほど総額が少ない」とは並びません。 改定日が金利の上がりきる時期とどう重なるかで前後するためです。 つまり起点の違いで大きく動くのは総額ではなく、改定の時期と、その1回で上がる額です。 借り換えの損得は金利差と諸費用で決まる部分が大きく、起点は家計の山がいつ来るかを変える要素として見る方が実態に合います。
借り換えで組み直せる返済期間には上限がある
据え置き期間の起点が動くのは、借り換えが「返済中のローンを返して新しく借りる」取引だからです。 返済期間も新しく設定し直しますが、上限があります。住宅金融支援機構の 【フラット35】借換融資のご利用条件 では、借入期間の上限は「80歳-借換融資の申込時の年齢」「40年-住宅取得時に借り入れた住宅ローンの経過期間」「35年」のうち最短のものとされています。 借入額の上限も「借換対象となる住宅ローンの残高」または「機構による担保評価額の200%」のいずれか低い額までです。
つまり期間を無制限に引き延ばせるわけではなく、経過期間や年齢が長いほど選べる期間は短くなります。 商品ごとの取り扱いは異なるため、変動金利の商品で据え置き期間の起点をどう数えるかは、 申込先の商品説明書や契約書で確認してください。本ページは新しい契約の借入時点を起点とする前提の試算です。
どこを見て判断するか
起点が動くこと自体は、有利にも不利にも働きます。改定が先送りされる間は毎月の返済額が変わらないため、 教育費や車の買い替えが重なる時期をやり過ごしたい場合には、家計の山を後ろへずらす効果があります。 一方で、その分だけ元金の減りは遅くなり、1回の改定で上がる額は大きくなります。
どちらを重く見るかは、改定の時期に何が起きているかで変わります。 改定の予定時期に他の支出が集中しているなら、時期をずらせることに意味があります。 改定額の大きさを抑えたいなら、上限に当たるほどの上昇を前提にした場合に毎月いくらまで払えるかを先に決めておきます。 総返済額の差は0.34%以内と小さいため、これだけで借り換えを判断する材料にはなりません。 金利差と諸費用の損得は借り換えの金利差は何%から得かで確認してください。
確認手順
最初に、いまの返済予定表と契約書で3点を確認します。返済額の見直し周期(5年かどうか)、 直近の見直しがいつ行われたか、そして次回見直しの予定月です。この3点が分かれば、 改定まで残り何ヶ月かが決まります。
次に、借り換え先の商品説明書で同じ3点を確認します。5年ルールと125%ルールがあるか、 据え置き期間を借入時点から数えるかです。取り扱いが異なる商品もあるため、 金利と手数料だけでなくこの条件も比較対象に入れます。
そのうえで、残債と残り期間を入れて、改定までの月数を現在の値と60ヶ月の2通りで計算します。 改定後の返済額と5年後の残債がどれだけ変わるかを見て、改定の時期に家計の他の支出が重なっていないかを確認します。
借り換えと改定の起点についてよくある質問
借り換えれば返済額が上がる時期を先に延ばせますか
据え置き期間の起点が新しい借入時点から数え直される商品なら、次の改定は借入から5年後になります。 基準ケースでは2028年9月から2031年9月へ延びました。 ただし改定額は8,450円大きく、5年後の残債も418,135円多く残る計算です。 起点の数え方は商品により異なるため、契約前に確認が必要です。
据え置き期間が延びると総返済額は増えますか
今回の試算では74,952円(0.24%)増えました。ただし改定までの月数を6ヶ月から60ヶ月まで動かすと、 総返済額の幅は0.34%以内で、月数が短い方が必ず少なくなるという並びにもなりません。 起点は総額よりも、改定の時期と改定額に効く要素です。
125%上限に当たるのは避けた方がよいですか
上限に当たると、その5年間の返済額は本来の計算額より低く抑えられます。 毎月の負担は軽くなりますが、抑えられた分は次の改定以降へ繰り延べられ、元金の減りも遅くなります。 上限に当たるかどうかは上昇幅と改定までの月数で決まり、基準ケースの1.5ポイントでは 継続・借り換え後のどちらも上限には当たっていません。
まとめ
- 借り換えで起点が5年に戻る前提だと、次の改定は2028年9月から2031年9月へ延びる
- 改定額は8,450円大きく、5年後の残債は418,135円多く残る
- 125%上限に当たり始める上昇幅は2.85ポイントから1.7ポイントへ下がる
- 総返済額の差は0.34%以内で、起点だけで損得は決まらない