いつまで持つかで有利な方が変わる

結論から言うと、早く動く予定なら当初引下げ、長く持つなら全期間引下げが有利になりやすくなります。残債3,000万円・30年で、10年固定を選ぶ場合の仮定です。当初引下げは10年間1.3%でその後2.3%、全期間引下げは10年間1.5%でその後2%とします。

同じローンを持つ期間当初 − 全期間(支払額+残債)有利な方
3年−17.4万円当初引下げ
5年−28.4万円当初引下げ
10年−53.1万円当初引下げ
15年−25.5万円当初引下げ
20年−3.8万円当初引下げ
25年+10.7万円全期間引下げ
30年+16.0万円全期間引下げ

このサイトの計算エンジンによる算出値です。その時点までの支払額と残債の合計の差で、マイナスは当初引下げの方が少ないことを示します。金利は仮定で、期間明けの金利が続く前提です。

当初引下げは10年の間に差を広げ、その後は金利の差で縮みます。この仮定では約21年で並びます。途中で売却や借り換えの予定があるなら、その時点の行で読みます。

毎月の返済はこう違う

当初引下げの毎月は期間中100,681円、期間後110,637円です。全期間引下げの毎月は期間中103,536円、期間後108,543円です。前半の家計を軽くしたいなら当初、後半の負担を抑えたいなら全期間です。

子育ての支出が重い時期に毎月を抑えたい人と、定年後の負担を抑えたい人では、同じ総額でも評価が違います。時期との重なりは教育費と改定の重なりで確かめます。

期間明けの金利で差は動く

基準金利が上がると、どちらのプランも期間明けの金利が上がります。比較のため、当初引下げの期間明けの金利を変えて、全期間引下げとの総額の差を計算しました。

当初引下げの期間明け金利期間明けの毎月全期間引下げとの総額差
2.1%108,599円−32.9万円
2.3%110,637円+16.0万円
2.5%112,697円+65.5万円

このサイトの計算エンジンによる算出値です。全期間引下げは1.5%→2%のまま比べています。プラスは当初引下げの方が総額が多いことを示します。

この表から分かるのは、期間明けの差が結論を左右することです。提示された条件で、期間明けの引き下げ幅の差を確かめます。

プランの条件を確かめる

auじぶん銀行の住宅ローンの案内では、当初期間引下げプランは当初の特約期間の引下幅が大きく、終了後は全期間引下げプランより小さくなると説明されています。金利プランは借入時に決めて後から変更できないこと、変動金利で選べるのは全期間引下げプランのみであることも示されています(案内、2026年11月1日に確認)。

プランの有無や引き下げ幅は銀行で異なります。借り換えの提案でも、当初の金利だけが強調されていないかを確かめます。期間明けの金利が分からないまま比べても意味がありません。

すでに当初引下げで返済中の人

すでに当初引下げで返済中なら、終了後の引き下げ幅を確かめ、終了後の毎月を計算します。金額の見方は固定期間の終了で引き下げ幅が縮む場合にあります。終了の前は借り換えを比べる節目です。諸費用と残り期間で判定します。

判定は金利差の分かれ目、借り換えと同行の交渉の比較は同じ銀行で金利を下げる場合で確認できます。

変動で借りている人に関係するか

この比較は固定金利特約の話です。変動で返済中の人が固定へ移るときや、固定で借り換えるときに関係します。変動から固定へ移る判断そのものは変動0.6%と固定1.8%の分岐点と変動から10年固定へ変える損得で確認できます。

前半と後半の差を金額で読む

この仮定では、前半の毎月は当初引下げの方が2,855円低く、後半は2,094円高くなります。前半の10年で浮いた分を積み立てるか繰上げに回せば、後半の負担に備えられます。使ってしまうと後半の負担だけが残ります。

差を活かすかどうかで評価は変わります。繰上げに回すなら、後半の残高が減るので差も縮みます。前半の余裕を何に使うかを決めてからプランを選ぶと、判断がぶれません。提示された金利で計算し直すときは、基準金利が変わる場合も置いて確かめます。

比べる手順

  1. プランごとに、期間中と期間明けの引き下げ幅を確かめる
  2. 同じローンを持つつもりの期間を決める
  3. 期間明けの基準金利を2〜3通り置いて総額を比べる
  4. 前半と後半の毎月を、家計の予定と重ねて確かめる

プランの選択についてよくある質問

どちらが得と決まっていますか

決まっていません。提示された金利、期間、持つ期間で変わります。この記事の数字は仮定に基づく例です。

後から変更できますか

借入時に決める銀行があります。変更の可否は金融機関に確かめます。

繰上げ返済をすると差はどう変わりますか

残高が小さいほど金利差の影響は小さくなります。早めに残高を減らす予定なら、期間明けの差は小さくなるので、当初引下げに傾きます。

変動金利で当初引下げは選べますか

確認した案内では、変動金利で選べるのは全期間引下げプランのみでした。他の銀行の条件は異なる場合があるので確かめます。当初の金利だけが低く見える提案を受けたときは、期間明けの金利を必ず聞いて計算します。借り換えの比較では、この差を総額に入れないと結論がずれます。

この試算で置いた前提

比べた金利は読み方を示すための例で、特定の商品の条件ではありません。固定期間の10年は両方で同じとし、終了後はそれぞれの金利が完済まで続くものとしています。途中でやめる場合の差は、その時点までの支払額に残債を足した金額で比べました。諸費用、保証料、繰上げ返済の手数料は含めていません。基準金利が動くと両方の金利が変わるので、表の差は期間明けの差が同じ場合の目安です。

まとめ

  • この仮定では約21年で全期間引下げが逆転する
  • 途中で動く予定があるなら、当初引下げに傾く
  • 期間明けの金利の差が結論を左右する
  • 期間明けの引き下げ幅を確かめてから比べる