2つの影響は、出てくる時期が違う

返済負担率は年間返済額を年収で割った数字です。収入が下がれば分母が小さくなるので、その月から負担率が上がります。

一方で金利が上がっても、5年ルールがある契約では返済額が次の改定まで変わりません。分子が動かないので、負担率も動きません。金利上昇の影響は負担率に出ないまま、改定の月に一度で現れます。

据え置きの仕組みは返済額は同じでも元金充当は42%減る、金利だけが上がった場合の負担率は金利上昇で返済負担率はどう変わるか、収入だけが下がった場合は年収減少時の返済負担率で扱っています。

収入減と上昇幅の組み合わせで見る負担率

残債3,000万円・残り30年・金利0.6%・元利均等で、上昇は5年かけて起き、改定は60ヶ月目という仮定です。

上昇幅収入の変化年収改定前の負担率改定後の負担率改定で上がる幅
+1% 変わらない 6,000,000円 18.2% 21.0% 2.8ポイント
▲10% 5,400,000円 20.2% 23.4% 3.1ポイント
▲20% 4,800,000円 22.8% 26.3% 3.5ポイント
+2% 変わらない 6,000,000円 18.2% 22.8% 4.6ポイント
▲10% 5,400,000円 20.2% 25.3% 5.1ポイント
▲20% 4,800,000円 22.8% 28.5% 5.7ポイント

このサイトの計算エンジンによる算出値です。返済額は残債3,000万円・残り30年・金利0.6%の元利均等で91,078円、5年ルール・125%ルールありで60ヶ月目の改定額を計算しました。負担率は年間返済額を額面年収で割った値です。収入の変化は仮定で、予測ではありません。

年収が変わらない場合でも、+1.0%の改定で負担率は18.2%から21.0%へ上がります。年収が2割下がっていると、22.8%から26.3%です。

+2.0%ではさらに広がります。年収2割減で28.5%でした。この行は125%ルールの上限に当たっており、上限がなければ30.2%になる計算です。上限が1.7ポイント分を次の改定へ回しています。

据え置き期間中、負担率は動かない

年収が2割下がり、金利が5年で+1.0%上がる場合の月次の推移です。負担率は下がった年収4,800,000円で計算しています。

経過適用金利毎月返済額返済負担率うち元金充当
1ヶ月目0.6%91,078円22.8%76,078円
12ヶ月目0.8%91,078円22.8%71,628円
24ヶ月目1%91,078円22.8%67,472円
36ヶ月目1.2%91,078円22.8%63,551円
48ヶ月目1.4%91,078円22.8%59,841円
60ヶ月目1.6%105,187円26.3%70,434円
72ヶ月目1.6%105,187円26.3%71,569円

このサイトの計算エンジンによる算出値です。同じ前提で月次に計算し、各時点の適用金利・返済額・元金充当額を抜き出しました。負担率は年間返済額を下がった後の年収4,800,000円で割った値です。

1ヶ月目から48ヶ月目まで、金利は0.6%から1.4%へ上がっていますが、返済額は91,078円のままで負担率も22.8%で動きません。負担率だけを見ていると、この期間は何も起きていないように見えます。

実際に起きているのは元金充当の減少です。76,078円から59,841円へ16,237円減りました。同じ金額を払いながら、元金が減る速さが落ちています。

そして60ヶ月目の改定で返済額が105,187円になり、負担率は26.3%へ一段で上がります。

「いまの負担率」で判断すると遅れる

収入が下がった直後に家計を見直す場面では、見えている負担率が22.8%です。この数字で「まだ払える」と判断しても、改定後は26.3%になることが分かっています。

判断に使うべきなのは、改定後の負担率です。改定の時期と金額は残債・残り期間・改定までの月数から計算できるので、収入が下がった時点で先に出しておけます。

次の改定の時期は次の返済額改定はいつか、借入年月の早見表、改定後の返済額の上限は125%ルールの上限はいくらか早見表で読めます。

据え置き期間に残された時間の使い方

負担率が動かない期間は、準備のための時間でもあります。改定で上がる差額が分かっているなら、その額を先に積み立てておくと改定の月に慌てずに済みます。

  • +1.0%・年収2割減なら、改定で毎月14,109円増える。年169,308円の差
  • +2.0%なら毎月22,769円増える。上限で抑えられた分は次の改定へ回る
  • この差額を積み立てに回すか、繰上げ返済に回すかで効果が変わる

必要な積立額は金利上昇に備える毎月の積立額、繰上げ返済で返済額を戻す方法は上がった返済額を元に戻すにはで計算しています。

収入が戻らない場合の選択肢

改定後の負担率が家計に入らない場合は、返済額そのものを動かす方向を検討します。

返済期間の延長は毎月を軽くしますが、未払利息の水位も下がります。算出は返済期間の延長で未払利息の危険水位は下がるにあります。借り換えで金利を下げられるなら、負担率を直接下げられます。見合うかどうかは借り換えない方がいい条件を実額で示すで確認できます。

返済がきついときの選択肢全体は返済がきつい時の選択肢にまとめています。

自分の時間差を確かめる手順

  1. 返済予定表で残債・毎月返済額・次回の改定時期を確かめる
  2. いまの年収で、年間返済額÷年収の負担率を出す
  3. 下がった後の年収で同じ計算をして、改定前の負担率を出す
  4. ツールに想定する上昇幅を入れ、改定後の返済額を出す
  5. 改定後の返済額で負担率を計算し、この数字で判断する

金利上昇と収入減についてよくある質問

収入が下がったら返済額も下がりますか

下がりません。返済額は残債・金利・残り期間で決まるので、収入とは連動しません。収入が下がると負担率だけが上がります。この算出でも、年収2割減で負担率は18.2%から22.8%へ上がりましたが、返済額は91,078円のままです。

据え置き期間中は負担が増えていないということですか

毎月の金額は増えていませんが、元金の減りは遅くなっています。この算出では、据え置き中に元金充当が76,078円から59,841円へ16,237円減りました。負担率に出ないだけで、残債の減り方には出ています。

改定で上がる額を先に知ることはできますか

残債・残り期間・改定時点の金利から計算できます。ただし改定時点の金利は分からないので、仮定を置いた試算になります。上限がある契約なら、上がる幅は直前の返済額の1.25倍までです。

まとめ

  • 年収600万円の負担率18.2%は、2割減で22.8%になる
  • そこに+1.0%の改定が来ると26.3%、+2.0%なら28.5%
  • 据え置き中は負担率が22.8%で動かず、元金充当だけが16,237円減る
  • 判断には改定後の負担率を使う。いまの負担率は金利上昇を映さない