売却までの年数別に損得を比べる
結論から言うと、動く時期が近いほど借り換えは見合いません。残債2,500万円・残り25年・今の金利0.9%で、借り換えた後に売却して完済する場合です。
| 売却までの年数 | 金利差0.2% | 金利差0.3% | 金利差0.5% | 差0.3%・定額型 |
|---|---|---|---|---|
| 3年 | −62.7万円 | −55.6万円 | −41.4万円 | −6.1万円 |
| 5年 | −54.0万円 | −42.6万円 | −19.8万円 | +6.9万円 |
| 7年 | −46.1万円 | −30.7万円 | −0.0万円 | +18.8万円 |
| 10年 | −35.5万円 | −14.9万円 | +26.1万円 | +34.6万円 |
| 15年 | −21.7万円 | +5.7万円 | +60.0万円 | +55.2万円 |
このサイトの計算エンジンによる算出値です。その時点までの支払額と残債の合計の差から、諸費用を引いています。太字はそのままの方が安い条件です。定額型は手数料55,000円で同じ金利差が取れる参考値です。
金利差が大きくても、諸費用は最初に払うので取り戻すのに時間がかかります。完済までなら得になる条件でも、5年で売るなら損になることがあります。完済までの判定は金利差の分かれ目で確かめます。
売却の時期別に必要な金利差
条件を変えて、損得が並ぶ金利差を計算しました。動く時期が決まっている人は、この金利差と提示された金利差を比べます。
| 残債 | 残り期間 | 5年後に売る場合 | 10年後に売る場合 |
|---|---|---|---|
| 2,500万円 | 25年 | 0.68% | 0.37% |
| 3,500万円 | 30年 | 0.63% | 0.34% |
| 1,500万円 | 20年 | 0.77% | 0.44% |
このサイトの計算エンジンによる算出値です。諸費用は定率2.2%などの既定値で、金利が動かない前提です。
同じ5年でも、金利差が大きく取れない限り諸費用を回収できません。回収の見方は諸費用の回収年数で確認できます。ただし数年以内の場合は、総額より「その時点までの差」で読みます。
売却の費用と残債の関係
売却の手取りは残債に左右されます。借り換え後は金利が低い分だけ元金の減りが少し早くなり、同じ時点の残債はわずかに少なくなります。上の表にはこの差が入っています。ただし諸費用の額より小さい場合がほとんどです。
金利上昇で残債が減らない局面では、売却時の手取りが想定より少なくなることがあります。残債の見方は10年後の残債と上昇幅、家の価値との比較は残債と家の価値の比較で計算しています。
金利が上がる見通しでも同じ考え方
変動から変動への借り換えでは、借り換え先も同じ幅で上がれば金利差は変わらないので、この表の結論は大きく変わりません。固定へ移る場合は別です。売却までの年数と固定の金利差で計算します。
10年以内に動く予定があるなら、全期間固定より10年固定の方が合う場合があります。比較は変動から10年固定へ変える損得で確認できます。
動く予定があるときの選択肢
最初に確かめるのは、今の銀行で費用をかけずに金利を下げられるかです。小さな引き下げでも諸費用がないので、売却までの差はプラスになります。考え方は同じ銀行で金利を下げる場合にあります。
手元資金があるなら繰上げ返済も候補ですが、売却時には残債の完済に使えるので、手元に置いておくのと差は小さくなります。資金の使い道は預金金利と繰上げ返済で比べています。
動く予定が不確かなときの考え方
売却の予定が確定していない人は、2つの条件で比べます。予定どおり動く場合の差と、動かない場合の完済までの差です。動かない場合の差が大きく、動く場合の損が小さいなら、借り換えの理由があります。
逆に動く可能性が高く、損が大きいなら見送る理由があります。金額で比べると判断しやすくなります。保証料の戻りがある人は保証料の戻りの分を加えて考えます。
売却が早まった場合と遅れた場合
売却の時期は予定どおりにならないことがあります。上の表は、時期がずれた場合の読み替えにも使えます。金利差0.5%の例では、5年で売ると損ですが、10年に延びると得に変わります。逆に10年の予定で借り換えて5年で売ると、見込みより差が小さくなります。
時期が読めない人は、早まった場合の損を許容できるかで考えます。損が小さいなら借り換えを進める理由があります。損が大きいなら、費用の小さい引き下げ相談を優先します。定額型の手数料は早まった場合の損を小さくしますが、保証料などが別にかかる場合はその分を足して読みます。
確かめる手順
- 売却や住み替えの見込みの時期を仮に決める
- 提示された金利差と諸費用の実額を確かめる
- その時点までの差を、表または計算で確かめる
- 動かない場合の差も計算し、2つの差を比べる
売却予定と借り換えについてよくある質問
借り換えの直後に売却すると問題がありますか
諸費用を回収できないほか、契約によって繰上返済の手数料がかかることがあります。契約書を確かめます。
売却時に保証料は戻りますか
一括で払った場合に未経過分が戻る扱いがありますが、計算は保証会社によって異なります。見積もりを確かめます。
賃貸に出す場合はどうなりますか
住宅ローンの条件に関わることがあるので、金融機関に確かめます。この記事の計算は売却して完済する場合です。
住み替えのローンに残債を組み込む場合はどうなりますか
扱いは金融機関の商品と審査によります。この記事は売却で完済する場合の計算です。残債が売却額を上回る見込みなら、先に金融機関や不動産会社に相談します。
この試算で置いた前提
売却時に一括で完済し、残債と支払額の合計で比べました。売却の価格や仲介手数料、税金は借り換えの有無で変わらないものとして入れていません。諸費用は定率2.2%などの既定値で、保証料の戻りと繰上返済の手数料は入れていません。金利は完済まで一定の仮定です。
まとめ
- 金利差0.3%で5年後に売ると差は−42.6万円
- 動く時期が近いほど諸費用を回収できない
- 完済までの総額ではなく、その時点までの差で比べる
- まず同じ銀行への相談から始める