残り20年の位置づけ
残り期間が違うと、同じ金利上昇でも何が起きるかが変わります。残りが長いほど利息の割合が大きいので上限や未払利息の問題が出やすく、残りが短いほど総額への影響は小さくなります。
残り20年はその中間です。算出すると、総支払額ははっきり増えますが、125%ルールの上限と未払利息のどちらにも届きませんでした。注意すべきなのは毎月の金額そのものです。
残り15年の場合は残り15年の金利1%上昇の影響、残り10年は残り10年で金利が上がるといくらかで扱っています。
残債別・上昇幅別の算出表
残り20年・金利0.6%・元利均等で、5年かけて上がりその後は横ばいという仮定です。改定は60ヶ月目に入ります。
| 残債 | いまの返済額 | 上昇幅 | 改定後の返済額 | 総支払額 | 金利不変との差 |
|---|---|---|---|---|---|
| 15,000,000円 | 66,340円 | +0.5% | 69,714円 | 16,532,208円 | 610,582円 |
| +1% | 73,222円 | 17,167,185円 | 1,245,559円 | ||
| +2% | 80,656円 | 18,512,749円 | 2,591,123円 | ||
| 20,000,000円 | 88,454円 | +0.5% | 92,951円 | 22,042,976円 | 814,119円 |
| +1% | 97,629円 | 22,889,624円 | 1,660,767円 | ||
| +2% | 107,541円 | 24,683,720円 | 3,454,863円 | ||
| 25,000,000円 | 110,567円 | +0.5% | 116,190円 | 27,553,749円 | 1,017,629円 |
| +1% | 122,037円 | 28,612,069円 | 2,075,949円 | ||
| +2% | 134,427円 | 30,854,666円 | 4,318,546円 |
このサイトの計算エンジンによる算出値です。残り20年・金利0.6%・元利均等、5年ルール・125%ルールありで月次に計算しました。上昇は5年かけて段階的に起き、その後は横ばいという仮定です。「金利不変との差」は金利が0.6%のままだった場合の総支払額との差です。
残債2,000万円で見ると、+1.0%で返済額は88,454円から97,629円へ9,175円上がり、総支払額は1,660,767円増えます。+2.0%では返済額107,541円、総支払額の増加は3,454,863円でした。
上昇幅と総額の増え方はほぼ比例しています。残り20年では据え置き期間の影響が小さく、上がった金利がそのまま返済に反映されるためです。
残り20年は上限に当たらない境目
同じ残債2,000万円・同じ+2.0%の上昇で、残り期間だけを変えた結果です。
| 残り期間 | いまの返済額 | 水位 | 改定後の返済額 | 上限なしの再計算額 | 上限に当たるか |
|---|---|---|---|---|---|
| 35年 | 52,805円 | 3.17% | 66,006円 | 73,077円 | 当たる |
| 30年 | 60,719円 | 3.64% | 75,898円 | 80,558円 | 当たる |
| 25年 | 71,808円 | 4.31% | 89,760円 | 91,238円 | 当たる |
| 20年 | 88,454円 | 5.31% | 107,541円 | 107,541円 | 当たらない |
| 15年 | 116,213円 | 6.97% | 135,179円 | 135,179円 | 当たらない |
| 10年 | 171,758円 | 10.31% | 191,779円 | 191,779円 | 当たらない |
このサイトの計算エンジンによる算出値です。残債2,000万円のまま残り期間だけを変え、5年かけて+2.0%上がった場合の最初の改定を計算しました。上限は直前の返済額の1.25倍で、再計算額がこれを超えた場合に「当たる」としています。
残り25年までは上限に当たりますが、残り20年では当たりません。残りが短いほど返済額に占める元金の割合が大きく、金利が上がっても返済額の増え方が1.25倍に届かないためです。
上限に当たらないということは、改定で上がる額が抑えられないという意味でもあります。再計算額がそのまま返済額になるので、増加分は一度に反映されます。上限の仕組みは125%ルールの上限はいくらか早見表で確認できます。
水位は残債ではなく残り期間で決まる
表1の3つの残債はどれも水位が5.31%でした。残債1,500万円でも2,500万円でも同じです。水位は返済額を残債で割った比率で決まり、元利均等では返済額が残債にほぼ比例するため、残債が変わっても比率は変わりません。
変わるのは残り期間です。表2では残り35年の3.17%から残り10年の10.31%まで動いています。残り20年の5.31%は、到達金利2.6%からかなり距離があります。
水位の読み方は未払利息は何%から出るか早見表、実際に発生し始める金利との差は未払利息が出る月は限られるで扱っています。
残り20年で見るべき数字
上限と未払利息に届かないので、確かめるのは毎月の金額と総額です。
- 改定後の返済額が家計に入るか。残債2,000万円の+1.0%なら97,629円
- 総支払額の増加分を、繰上げ返済や借り換えで取り戻せるか。+1.0%で1,660,767円
- 完済年齢に余裕があるか。残り20年なら定年との関係が出やすい
返済負担率の側から見る場合は金利上昇で返済負担率はどう変わるか、完済年齢は完済年齢と定年後の残債で確認できます。
借り換えと繰上げ返済のどちらが効くか
残り20年は、借り換えの諸費用を回収できる期間がまだ残っている区間です。一方で残債が減っているため、定率の事務手数料は小さくなります。
残り期間別の借り換えの見合いは残り15年の借り換えは見合うか、回収年数は借り換えの諸費用は何年で回収できるかで計算しています。繰上げ返済と比べる場合は借り換えと繰上げ返済、同じ資金ならどっちが使えます。
固定への変更を考える場合
残り20年で固定に移ると、固定金利の方が高い分を払い続けることになります。分岐点は残り期間で動くので、残り20年の水準で確かめる必要があります。
残り期間別の分岐点は固定の分岐点は残り期間でどう動くか、固定の上乗せ分の総額は固定金利の安心料はいくらかで扱っています。
自分の数字を確かめる手順
- 返済予定表で残債・毎月返済額・残り期間・次回の改定時期を確かめる
- 上の表で自分の残債に近い行を見て、改定後の返済額の目安をつかむ
- 返済額×12を残債で割り、水位を出して到達金利との距離を見る
- ツールに自分の数字を入れ、上昇幅別の返済額と総額を出す
- 増加分を4択(借り換え・固定・繰上げ・そのまま)で比べる
残り20年の金利上昇についてよくある質問
残り20年なら金利上昇は気にしなくていいですか
上限と未払利息には届きませんが、総支払額は増えます。残債2,000万円の+1.0%で1,660,767円、+2.0%で3,454,863円でした。毎月の返済額も9,175円から19,087円上がります。
残債が少なければ影響も小さいですか
総額の増え方は残債に比例します。+1.0%での増加は残債1,500万円で1,245,559円、2,500万円で2,075,949円でした。ただし水位はどの残債でも5.31%で同じです。
上限に当たらない方が安全ですか
どちらが安全とは言えません。上限に当たらないのは、増加分が一度に返済額へ反映されるという意味です。上限に当たる場合は毎月の増加が抑えられますが、抑えた分は元金の減りが遅れる形で残ります。
まとめ
- 残債2,000万円・残り20年の返済額88,454円は、+1.0%で97,629円になる
- 総支払額の増加は+1.0%で1,660,767円、+2.0%で3,454,863円
- 残り20年では+2.0%でも125%の上限に当たらない(残り25年までは当たる)
- 水位は残債によらず5.31%で、到達金利からは距離がある