残り期間と固定金利で読む分岐点の表
結論は次の表のとおりです。表の数字は、変動のまま続けた総返済額が固定に変えた場合に並ぶ上昇幅です。変動が3年かけてこの幅だけ上がって止まるなら、固定と変動の総返済額が同じになります。
| 残り期間 | 固定1.2% | 固定1.5% | 固定1.8% | 固定2.1% |
|---|---|---|---|---|
| 35年 | +0.65% | +0.96% | +1.28% | +1.57% |
| 30年 | +0.66% | +0.98% | +1.3% | +1.6% |
| 25年 | +0.68% | +1% | +1.33% | +1.65% |
| 20年 | +0.7% | +1.04% | +1.38% | +1.71% |
| 15年 | +0.74% | +1.1% | +1.46% | +1.81% |
| 10年 | +0.84% | +1.24% | +1.64% | +2.04% |
このサイトの計算エンジンによる算出値です。残債3,000万円、変動0.6%、5年ルール・125%ルールあり、変更手数料5,500円の仮定です。上昇は3年で段階的に起き、その後は横ばいとしています。
読み方の例です。残り20年で固定1.8%を提示された場合、分岐点は表から読めます。変動が3年でその幅以上に上がって止まると考えるなら、固定の方が総返済額は少なくなります。それより小さい上昇で止まるなら、変動のままの方が少なくなります。
残りが短いほど分岐点が上がる理由
固定へ変えた瞬間から毎月の差額を払い始めますが、変動が上がるには時間がかかります。この「最初の数年の差額」は残り期間に関わらず発生します。残り期間が短いと、上がった後の金利が続く期間も短くなるので、大きな上昇でないと取り返せません。
残り10年の分岐点が+1.64%となるのは、この3年間の先払いの重みが相対的に大きいためです。全体の仕組みは変動0.6%と固定1.8%の分岐点、金利差を保険料として見る見方は固定金利の安心料にまとめています。
毎月の差額と総額で見る「保険料」の違い
残り期間別に、固定にした場合の毎月の上乗せと、金利が動かなかった場合の総額を並べました。上昇のペースを10年に延ばした場合の分岐点も入れています。
| 残り期間 | 毎月の上乗せ | 金利が動かないときの総額差 | 分岐点(3年で上昇) | 分岐点(10年で上昇) |
|---|---|---|---|---|
| 35年 | 17,119円 | 719万円 | +1.28% | +1.57% |
| 30年 | 16,831円 | 606万円 | +1.3% | +1.66% |
| 25年 | 16,543円 | 496万円 | +1.33% | +1.79% |
| 20年 | 16,258円 | 390万円 | +1.38% | +2.02% |
| 15年 | 15,982円 | 288万円 | +1.46% | +2.46% |
| 10年 | 15,724円 | 189万円 | +1.64% | +3.61% |
このサイトの計算エンジンによる算出値です。残債3,000万円、変動0.6%と固定1.8%の比較です。
毎月の上乗せは残り期間でそれほど変わりません。一方、金利が動かなかった場合の総額差は期間に比例して大きくなります。残り30年の人が「払う保険料」は606万円、残り10年の人は189万円です。短い人ほど保険料は安いですが、分岐点は高くなります。
上昇が遅いと分岐点はさらに遠くなる
表の右端のとおり、同じ幅でも10年かけて上がる場合は分岐点が上がります。特に残り期間が短い人に効きます。残り10年の人にとって「10年かけて上がる」は、上がりきる頃に完済を迎えることを意味するからです。上昇ペースの影響はペース別の総返済額でも試算しています。
金利の予測はしませんが、自分が想定する上昇の幅とペースの両方を書き出すと、固定の価値を判断しやすくなります。
残債の大小は分岐点をほとんど動かさない
残債が大きいほど金額は大きくなりますが、分岐点そのものはほとんど動きません。残り15年・固定1.8%の分岐点は、残債3,000万円で+1.46%、残債1,000万円で+1.46%でした。金利差も上昇も、残債に比例して金額に効くためです。
残債が小さい人でも、分岐点が同じなら「固定が得になる条件」も同じです。違うのは得や損の大きさだけです。金額を重視するなら、残債と差額の両方を見ます。
残り期間別の判断の目安
残りが長い人(25年以上)は、固定の価値が比較的高くなりやすい一方で、総額の保険料も大きくなります。家計が+1%以上の上昇に耐えられるかが判断の中心です。
残りが中程度の人(15〜20年)は、分岐点と家計の余裕を比べます。残りが短い人(15年未満)は、固定で得になるには大きな上昇が必要です。上昇そのものの影響も小さくなるため、固定以外の選択肢も合わせて検討する余地があります。残り15年の金利上昇の影響も参考にしてください。
総返済額の比較だけで決める必要はありません。毎月の返済額が今後変わらないこと自体に価値を感じる人もいます。その場合は、分岐点は「固定に支払う保険料の水準」を確かめる数字として使います。
この表を自分の条件で使う手順
- 返済予定表で残り期間と残債を確かめる
- 取引銀行と借り換え先の固定金利を提示してもらう
- 表で分岐点を読み、その上昇幅をどう考えるか決める
- ツールに自分の変動金利を入れ、控除の残存と諸費用を含めて再計算する
手数料や諸費用の差は同じ銀行での変更と他行への借り換えの比較で確認できます。
固定への変更の分岐点についてよくある質問
分岐点より上がったら、固定にしておけばよかったことになりますか
総返済額の比較ではそうなります。ただし上がる時期や途中の動きで結果は変わり、この表は3年で上がって止まる形の試算です。あくまで目安です。
今の変動金利が0.6%でない場合も読めますか
表は変動0.6%の計算です。おおむね固定との金利差で分岐点が決まるので、差が同じ行で目安を読み、最終確認はツールで行います。
固定に変えると住宅ローン控除はどう変わりますか
金利が上がると元金の減りがわずかに遅くなるため、年末残高は少し大きくなります。借り換えで諸費用を上乗せした場合は控除の対象外の部分が生じます。要件は借り換えと住宅ローン控除を確認してください。
まとめ
- 変動0.6%・固定1.8%の分岐点は残り30年で+1.3%、残り10年で+1.64%
- 残りが短いほど、固定が得になるには大きな上昇が必要
- 分岐点は残債の大きさではほとんど動かない
- 総額の分岐点と、毎月を固定する価値を分けて考える