残債が半分になるのは何回目か

借入額3,000万円・返済期間35年(420回)・元利均等返済・ボーナス返済なしで、 残債が当初借入額の半分(1,500万円)を初めて下回る回を金利別に算出しました。 初回返済を2026年11月とした場合の到達時期も併記します。

金利毎月返済半分を下回る回到達時期返済期間に対する割合折り返し時点の残債
0.6% 79,208円 222回目(18年6ヶ月分) 2045年4月 52.9% 15,786,618円(52.6%)
1.2% 87,510円 232回目(19年4ヶ月分) 2046年2月 55.2% 16,568,504円(55.2%)
1.8% 96,327円 243回目(20年3ヶ月分) 2047年1月 57.9% 17,341,412円(57.8%)
2.4% 105,647円 253回目(21年1ヶ月分) 2047年11月 60.2% 18,101,444円(60.3%)

このサイトの計算エンジンによる算出値です。借入額と期間を固定し、金利だけを変えています。「折り返し時点の残債」は210回目(17年6ヶ月分)の返済を終えた時点の残高です。

金利0.6%では222回目、つまり18年6ヶ月分を返した時点で残債がようやく半分を切ります。 返済期間420回に対して52.9%の位置です。 金利2.4%では253回目まで下がらず、0.6%より31ヶ月遅くなります。

折り返しの210回目を終えた時点の残債は、金利0.6%で15,786,618円、 当初借入額の52.6%です。金利2.4%では60.3%で、 半分どころか6割が残っている状態になります。

返済期間別|折り返しからどれだけずれるか

期間が長いほど、1回の返済に占める利息の割合が序盤で大きくなります。金利0.6%に固定して、 返済期間だけを変えた場合の到達回は次の通りです。

返済期間毎月返済半分を下回る回返済済み期間期間に対する割合折り返し時点の残債割合
20年(240回) 132,681円 124回目 10年4ヶ月分 51.7% 51.5%
25年(300回) 107,712円 156回目 13年分 52.0% 51.9%
30年(360回) 91,078円 189回目 15年9ヶ月分 52.5% 52.2%
35年(420回) 79,208円 222回目 18年6ヶ月分 52.9% 52.6%
40年(480回) 70,315円 255回目 21年3ヶ月分 53.1% 53.0%

このサイトの計算エンジンによる算出値です。借入額3,000万円・金利0.6%・元利均等で、返済期間だけを変えています。

20年返済なら51.7%の位置、40年返済なら53.1%の位置です。 期間が倍になってもずれ方の差は1.4ポイントにとどまります。 つまり「折り返しより少し後」という性質自体は期間を変えても大きく変わらず、 ずれの大きさを決めているのは主に金利の水準です。

残り期間が短いほど利息の総量は小さくなりますが、そのぶん毎月返済額が重くなります。 35年と30年の総返済額の差も合わせて見ると、 期間の選択が残債の減り方と月額のどちらに効くのか整理しやすくなります。

元金均等なら折り返しでほぼちょうど半分になる

元金均等返済は毎回の元金充当額が一定です。そのため、残債の減り方は返済回数に比例し、 金利の水準に左右されません。同じ3,000万円・35年で、2つの返済方式を比べます。

金利返済方式初回返済額半分を下回る回期間に対する割合折り返し時点の残債
0.6% 元利均等 79,208円 222回目 52.9% 15,786,618円
0.6% 元金均等 86,428円 211回目 50.2% 15,000,120円
2.4% 元利均等 105,647円 253回目 60.2% 18,101,444円
2.4% 元金均等 131,428円 211回目 50.2% 15,000,120円

このサイトの計算エンジンによる算出値です。元金均等は毎回の元金充当額を一定にするため、金利を0.6%から2.4%へ変えても到達回は211回目で動きません。

元金均等では211回目に半分を下回り、折り返しの210回目時点の残債は15,000,120円です。 端数処理の分だけ1,500万円をわずかに上回りますが、実質ちょうど半分です。 元利均等(金利0.6%)との差は11ヶ月、金利2.4%の元利均等との差は42ヶ月になります。

住宅金融支援機構【フラット35】も、元利均等返済について「当初は利息分が大きいため元金の返済が遅く、 借入金残高の減り方も遅くなります」と説明しています(出典: 元利均等返済・元金均等返済|フラット35)。 ここで出した到達回の差は、その性質を回数で表したものです。 ただし元金均等は初回返済額が86,428円と元利均等より7,220円高くなります。 残債の減りが速いことと、序盤の負担が重いことは同じ硬貨の裏表です。 方式そのものの比較は元金均等と元利均等の違いで扱っています。

金利が上がると到達はどれだけ遅れるか

変動金利で借りている場合、金利が上がっても5年ごとの改定まで返済額は据え置かれることがあります。 据え置かれている間、増えた利息は元金充当額を削るため、残債が半分を切る時期も後ろへずれます。 ここでは金利0.6%から3年かけて上昇し、返済額の改定は5年ごと、改定幅の上限は直前の1.25倍とした場合を算出します。

上昇幅半分を下回る回到達時期据え置き時との差返済額が変わる改定改定後の返済額
据え置き 222回目 2045年4月 基準 2051年10月 79,209円
+0.5% 232回目 2046年2月 10ヶ月遅い 2031年10月 86,742円
+1% 243回目 2047年1月 21ヶ月遅い 2031年10月 94,810円
+1.5% 255回目 2048年1月 33ヶ月遅い 2031年10月 99,010円(上限に当たる)

このサイトの計算エンジンによる算出値です。5年ごとの返済額改定と1.25倍の上限があるものとして試算しています。上昇は3年かけて到達する形で置き、金利の予測はしていません。「返済額が変わる改定」は、算出した返済額が据え置き額から初めて動く改定時期です。

+1%まで上がる想定では243回目、据え置き時より21ヶ月遅れます。 +1.5%では255回目で、遅れは33ヶ月に広がります。 +1.5%のケースでは、返済額が最初に動く改定で計算上103,431円になりますが、1.25倍の上限が働いて99,010円に抑えられます。抑えられた差額は元金の返済に回らないため、残債の減りはさらに遅くなります。

なお、算出結果では4件のシナリオすべてで未払利息は発生していません。 返済額の上限に当たっても、利息が返済額を超えるところまでは至らない水準だったためです。 住宅金融支援機構【フラット35】は、未払利息を「毎月の『利息の支払額』が毎月の『返済額』を超えてしまった場合は、 その超えた分の利息の支払いは繰り延べられる」ものと説明しています(出典: 住宅ローンの金利タイプ|フラット35)。 同ページでは返済額の見直しが5年ごと、見直し後は直前の1.25倍が限度とされるケースが一般的だとしており、 実際の取り扱いは金融機関により異なります。契約先の条件は返済予定表や商品説明書で確認してください。

借入額を変えても到達回は変わらない

「残債がいくら残っているか」は借入額で変わりますが、「いつ半分を切るか」は借入額では変わりません。 金利1.2%・35年で借入額だけを変えて確認します。

借入額毎月返済半分を下回る回折り返し時点の残債当初借入額に対する割合
2,000万円 58,340円 232回目 11,045,627円 55.2%
3,000万円 87,510円 232回目 16,568,504円 55.2%
4,000万円 116,680円 232回目 22,091,373円 55.2%
5,000万円 145,851円 232回目 27,614,016円 55.2%

このサイトの計算エンジンによる算出値です。金利1.2%・35年・元利均等で借入額だけを変えています。到達回は4条件すべて232回目で一致しました。

元利均等返済の残債推移は、借入額に対してほぼ比例します。そのため到達回は232回目で揃い、 折り返し時点の残債割合も55.2%で同じです。 言い換えると、この記事の割合はそのまま自分の借入額に当てはめられます。 残債の実額を知りたい場合は、当初借入額にこの割合を掛ければ目安になります。

なぜ折り返しでは半分にならないのか

元利均等返済では毎月の返済額が一定で、その内訳が時間とともに変わります。 残債が大きい序盤は利息が多く、元金充当額が小さい。残債が減るにつれて利息が減り、 その分だけ元金充当額が増えます。つまり元金の減り方は一定ではなく、後半のほうが速いということです。

このため、返済回数の折り返しを過ぎた時点では、元金の減少は半分に届きません。 金利0.6%なら52.6%、金利2.4%なら60.3%が残ります。 金利が高いほど序盤の利息が大きく、元金充当額が小さいため、ずれも大きくなります。

同じ構造は借入直後の利息割合や 残債が1,000万円減る時期でも見えます。 残債を実額で追うのか、割合で追うのかで印象が変わるため、両方を見るのが実用的です。

この数字を何の判断に使うか

残債が半分を切る時期そのものに手続き上の意味はありません。使いどころは3つあります。

1つめは売却の可否です。残債が売却見込み額を上回っていると、差額を現金で用意しなければ通常の売却ができません。 残債の減りが想定より遅いなら、売却できる時期も後ろへずれます。 残債が家の価値を下回るまで何年かで、物件価値の下落と併せて見ることができます。

2つめは借り換えの判断です。借り換えで回収できる額は残債の大きさに比例し、諸費用は残債ほど小さくなりません。 残債が大きいうちのほうが金利差を回収しやすい、という関係になります。

3つめは繰上げ返済のタイミングです。元金充当額が小さい時期に入れた資金は、その後に発生する利息を多く減らします。 到達が遅い=元金の減りが遅い局面が長いということなので、繰上げ返済の効き方も変わります。

自分の条件で確認する手順

最初に返済予定表を開き、当初借入額、現在の残債、適用金利、残り回数の4つを控えます。 当初借入額の半分と現在の残債を比べれば、いま到達前なのか後なのかがその場で分かります。

次に、現在の残債と残り回数で試算し直します。すでに返済が進んでいる場合、当初条件で計算すると実態からずれます。 変動金利なら、直近の返済額改定がいつだったかも確認します。次の改定までの月数が、据え置き期間の残りです。

最後に、金利を上げた場合の残債推移を見ます。返済額が変わらない期間でも、元金の減り方は変わります。 返済予定表の元金欄と残高欄を追うと、金利上昇の影響が返済額より先に残債に出ていることが確認できます。

残債が半分になる時期についてよくある質問

返済期間の半分を過ぎれば残債も半分になっていますか

元利均等返済では、折り返しの時点で残債は半分まで減っていません。 3,000万円・35年・金利0.6%の試算では、210回目を終えた時点の残債は15,786,618円、 当初借入額の52.6%でした。半分を下回るのは222回目です。 元金均等返済なら折り返しでほぼちょうど半分になります。

金利が上がると到達はどれくらい遅れますか

3年かけて+1%上がる想定(5年ごとの改定・1.25倍上限あり)では、 据え置き時の222回目に対して243回目となり、21ヶ月遅れました。 +1.5%では33ヶ月です。返済額が据え置かれている間も元金の減り方は変わるため、 返済額の変化だけを見ていると影響に気づきにくくなります。

借入額が違うと時期も変わりますか

元利均等返済では、借入額を2,000万円から5,000万円まで変えても到達回は232回目で同じでした (金利1.2%・35年の試算)。時期を決めているのは金利と返済期間、返済方式です。 残債の実額は借入額に比例するため、割合をそのまま自分の借入額に掛けて目安にできます。

繰上げ返済をすると到達は早まりますか

元金を直接減らすため、到達は早まります。ただし期間短縮型と返済額軽減型で残債の推移は変わり、 毎月の返済額や完済時期への効き方も異なります。金額と方式を決めてから試算し直すのが確実です。

まとめ

  • 3,000万円・35年・金利0.6%なら、残債が半分を下回るのは222回目(18年6ヶ月分)
  • 返済期間の折り返し時点の残債は52.6%。金利2.4%では60.3%残る
  • 金利が2.4%なら到達は31ヶ月遅い。+1%の上昇シナリオでは21ヶ月遅れる
  • 元金均等なら211回目で、金利を変えても動かない。代わりに初回返済額は7,220円高い
  • 借入額を変えても到達回は同じ。割合をそのまま自分の借入額に当てはめられる