ルールなしに移ると何が変わるか

結論から言うと、金利が上がる場合、ルールがない契約は返済額が先に上がり、その分だけ元金も早く減ります。ルールがある契約は返済額が後から上がり、その間の元金の遅れが後の負担になります。残債2,500万円・残り25年で0.8%から0.5%へ借り換えた場合の比較です。

3年での上昇幅そのままルールなしへ借り換えルールありへ借り換えありとなしの差
+0%2,759万円2,737万円2,737万円+0.0万円
+0.5%2,909万円2,882万円2,885万円+2.5万円
+1%3,066万円3,033万円3,041万円+7.8万円
+1.5%3,229万円3,189万円3,205万円+16.1万円
+2%3,401万円3,350万円3,385万円+35.1万円

このサイトの計算エンジンによる算出値です。諸費用77万円を借り換えの総支出に含めています。そのままの次の改定は3年後、借り換えのルールありの次の改定は5年後の前提で、ルールなしの場合は金利が動いた月に返済額が再計算されます。

ルールありより少ないのは、金利が上がってから早く元金を減らせるためです。差は大きくありません。全体の仕組みは5年ルールがない銀行との違いで確認できます。

返済額の動き方はこれだけ違う

総額より大きな違いは、毎月の金額が動く時期です。同じ金利の動きで、ルールの有無によって返済額はこう動きます。

3年での上昇幅借り換え直後ルールなし:1年後ルールなし:3年後ルールあり:3年後ルールあり:6年後
+0%88,667円88,667円88,667円88,667円88,667円
+0.5%88,667円90,449円93,852円88,667円94,800円
+1%88,667円92,243円99,230円88,667円101,267円
+1.5%88,667円94,071円104,800円88,667円108,081円
+2%88,667円95,922円110,562円88,667円110,833円

このサイトの計算エンジンによる算出値です。各時点の毎月の予定返済額です。ルールありの改定は借り換えから5年後の前提です。

ルールなしは金利の変化が順番に反映されるので、上昇が続く限り毎年のように変わります。ルールありは3年の間は同じ額で、改定で一度に動きます。この差は総額の表には出ません。予算を立てやすいのはルールありで、早く調整できるのはルールなしです。

未払利息と最終回の精算は発生しにくい

ルールなしの契約は、金利が上がると返済額も再計算されるので、利息が返済額を超える未払利息は起きにくくなります。ただし金利の条件や返済額の上限の設定は契約によって異なるので、すべてで同じとは言えません。

ルールがある場合の条件は5年ルールの仕組みと最終回の返済額にまとめました。契約が変わるので、これまでの感覚で「返済額は5年間同じ」と思い込まないことが大切です。

家計にとってどちらが合うか

毎月の収支に余裕があり、金利の変化に合わせて家計を調整できる人は、ルールなしでも困りにくいと言えます。元金が早く減る分、将来の負担も読みやすくなります。一方、毎月の返済額が読めないと家計の管理が難しい人や、教育費などと重なる時期がある人には、ルールありの方が計画しやすいでしょう。

ルールがあるからといって利息の負担が消えるわけではありません。予算の取りやすさと、総額の小ささの間の選択です。教育費との重なりは教育費と改定の重なりで確認できます。

借り換え判定全体の中での位置づけ

ルールの有無は、借り換えの是非を決める主因ではありません。金利差、諸費用、残り期間が先に効きます。上の表のとおり、そのままとの差はルールの有無より大きくなっています。

同じ金利差ならルールの有無による違いはそれほどでもないので、提示金利がほぼ同じなら自分に合う方を選べます。金利差が大きいなら、ルールがなくても借り換えを検討する余地があります。判定は借り換えない方がいい条件で確かめます。

借り換え前に確かめること

ルールなしと書かれていても、細部は銀行で異なります。金利見直しの頻度、返済額の変更のタイミング、上限の有無を確かめます。ルールが片方だけある契約もあります。商品説明書の「金利の見直し」と「返済額の変更」の項目を確かめます。

金利の見直しが毎月の商品もあれば、半年ごとの商品もあります。頻度が違うと、返済額の動き方もこの表と変わります。今の契約にルールがあるかも確かめます。ないと思っていた契約にルールがあった、という場合もあります。金銭消費貸借契約書で確かめられます。

比較の手順

  1. 借り換え先の商品説明書で、金利見直しと返済額の変更のルールを確かめる
  2. 上昇シナリオごとに、毎月の返済額の動きをツールで確かめる
  3. 毎月の増加が家計に収まるかを確かめる
  4. 諸費用と金利差を含めた総支出で、そのままと比べる
  5. 毎月の増加に備える積立の額を決めてから申し込む

5年ルールなしの借り換えについてよくある質問

ルールなしの銀行は金利が高くなりますか

銀行と商品で異なります。ルールの有無だけで金利が決まるわけではないので、提示金利と諸費用をそろえて比べます。

ルールなしに移ると損ですか

この試算では総額はやや小さくなりました。ただし毎月の増加が先に出るので、家計に余裕がない場合は負担に感じることがあります。損得は条件次第です。

金利が下がったときはどうなりますか

ルールなしの契約では返済額も早く下がります。ルールありでは次の改定まで下がりません。下がる局面の比較は金利が下がったときの返済額にあります。

まとめ

  • 3年で+1%なら、ルールなしの契約は毎月10,563円増える
  • 総額はルールありより7.8万円少ない
  • ルールの有無より、金利差と諸費用の方が判定に効く
  • 予算の立てやすさと総額のどちらを重視するかで選ぶ