この例の位置と、危険水位までの距離
借入4,000万円・35年・当初0.5%の人が、2年で2.6%まで上がった例です。返済額は103,834円のまま据え置かれ、次の改定まで3年あります。未払利息が出る金利は、残債と返済額から3.23%と計算でき、今の適用金利から0.63ポイントの距離です。
| 選択 | 今すぐ出ていく額 | 毎月の返済 | 未払利息が出る金利 |
|---|---|---|---|
| そのまま | 0円 | 103,834円 | 3.23% |
| 他行の変動2.2%へ借り換え | 112万円 | 137,118円 | 4.26% |
| 同じ銀行で固定3.3%へ変更 | 5,500円 | 160,038円 | 発生しない(固定のため) |
| 300万円繰上げ(期間短縮型) | 300万円 | 103,834円 | 3.5% |
このサイトの計算エンジンによる算出値です。元利均等で、未払利息が出る金利は「毎月返済 × 12 ÷ 残債」で計算します。借り換え金利2.2%と固定金利3.3%は仮定です。
据え置きのルールで返済額が低いまま金利だけ上がると、この距離は短くなります。低い金利で長く借りた人ほど水位は低くなりやすい点に注意が必要です。水位の計算方法は5年ルールの仕組み、発生の時期は未払利息がいつ発生するかにまとめています。
次の上昇幅で何が変わるか
そこからさらに2年で上昇した場合を、総支出と未払利息で並べました。繰上げの列は投じた300万円を含みます。
| 次の上昇幅 | そのまま | 未払利息 | 借り換え | 固定へ変更 | 繰上げ(短縮) | 未払利息 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| +0% | 5,881万円 | 0.0万円 | 5,542万円 | 6,338万円 | 5,679万円 | 0.0万円 |
| +0.5% | 6,380万円 | 0.0万円 | 5,941万円 | 6,338万円 | 6,102万円 | 0.0万円 |
| +1% | 6,946万円 | 15.5万円 | 6,366万円 | 6,338万円 | 6,583万円 | 2.2万円 |
| +1.5% | 7,619万円 | 53.3万円 | 6,830万円 | 6,338万円 | 7,139万円 | 23.7万円 |
このサイトの計算エンジンによる算出値です。未払利息は積み上がる最大額で、未払利息に利息を付けないモデルです。5年ルール・125%ルールありで計算し、借り換えも同じ幅で上がる仮定です。
+1%の場合、そのままでは未払利息が最大15.5万円積み上がります。総支出はそのままより借り換えが580万円少なくなります。固定は金利の動きに関わらず同じ総支出で、上昇が小さい場合は割高です。
どの選択肢も返済額の増加は避けられない
大切な事実は、どの選択肢でも毎月の負担増は避けられないことです。そのままでも次の改定で返済額は129,792円まで上がります。借り換えなら今から137,118円、固定なら今から160,038円です。違うのは、負担がいつ、どれだけ来るかです。
返済額を早く上げれば元金は早く減り、総支出は小さくなる傾向があります。今すぐ上げられない家計なら、次の改定までの時間を使って準備する選択肢もあります。その場合の準備の金額は金利上昇に備える積立額で計算できます。
繰上げ返済で変わるのは水位と元金
期間短縮型の繰上げは返済額を変えずに残債を減らすので、水位を3.5%に上げます。今回の条件では返済額が低く据え置かれているので、短縮される期間はほぼ生じず、効果の中心は残債の減少と水位の上昇です。返済額軽減型は、据え置き中の扱いが銀行によって異なる場合があるので、この表には入れていません。実行前に金融機関へ確かめます。
金額ごとの効果は危険水位を上げる繰上げ返済で計算しています。手元資金を減らしすぎると、改定で上がった返済に対応しにくくなる点も考えます。生活防衛資金の目安を確認してください。
未払利息が出ても直ちに一括で請求されるわけではない
未払利息が発生しても、毎月の返済額がすぐ増えるわけではありません。次の改定で返済額が見直され、残っていれば最終回などで精算する扱いが一般的です。取り扱いは契約で異なるので、発生の可能性が見えたら金融機関に確かめます。
金利が下がれば解消に向かう場合もあります。解消までの期間は金利が下がった場合の解消で試算しています。発生後の繰上げ返済の充当順は未払利息の繰上げ充当で確認できます。
判断の順番
金額の表を見る前に、順番を決めておくと迷いません。最初に、自分の水位を計算します。次に、今の適用金利との距離を見ます。距離が小さく、家計に余裕があるなら、早めに返済額を上げる選択(借り換え、固定、繰上げ)を比べます。距離が大きいなら、すぐ動く必要はなく、次の改定と半年ごとの金利を確かめます。
返済額の増加を家計で吸収できないと分かった場合は、延滞が始まる前に金融機関に相談します。返済条件の変更など、取れる手段が多い段階で動く方が選択肢は広がります。順序は返済がきついときの対処にまとめています。
自分の水位を確かめる手順
- 返済予定表で現在の残債、毎月の返済額、適用金利を確かめる
- 毎月の返済額 × 12 ÷ 残債 を計算し、水位と適用金利の距離を出す
- 次の改定時期を確かめる。目安は改定の早見表で読める
- ツールで上昇シナリオごとの未払利息と総支出を比べる
危険水位についてよくある質問
水位は変わらないのですか
残債が減れば水位は上がり、改定で返済額が上がれば水位も上がります。金利の上昇で元金の減りが遅れるほど、水位の上がり方も遅くなります。
水位に届いたらすぐ何か起きますか
毎月の返済額は変わらず、利息の一部が払いきれずに積み上がり始めます。予定表の元金充当が0になるのが目印です。積み上がった分の扱いは契約で確かめます。
水位を超えそうなら固定が正解ですか
金利の動きが止まる代わりに、毎月の返済が今すぐ大きく上がります。今回の例では160,038円です。払える水準か、他の選択肢と比べて判断します。正解は家計の余力で変わります。
まとめ
- 例の水位は3.23%で、次に+1%なら未払利息が最大15.5万円出る
- どの選択肢でも返済額の増加は避けられず、違いは時期と総額
- 期間短縮の繰上げは水位を上げる
- まず自分の水位と距離を計算する