2回目の改定で何が起きるか

答えは、1回目で抑えた分を含めて再計算が行われるということです。借入3,000万円・35年・0.6%の人が3年かけて+2%上がる場合、1回目の改定後の再計算額は111,994円ですが、1.25倍の上限で99,010円に止まります。次の5年でその差の分だけ元金の減りが遅れるので、2回目の改定額は115,756円まで上がります。

上昇幅回改定前再計算の額改定後上限その時点の残債
+1.5%60回目の返済79,208円102,998円99,010円当たる2,755万円
120回目の返済99,010円104,075円104,075円当たらない2,434万円
+2%60回目の返済79,208円111,994円99,010円当たる2,803万円
120回目の返済99,010円115,756円115,756円当たらない2,558万円
+3%60回目の返済79,208円130,859円99,010円当たる2,883万円
120回目の返済99,010円142,445円123,762円当たる2,821万円
180回目の返済123,762円149,600円149,600円当たらない2,564万円
+4%60回目の返済79,208円149,000円99,010円当たる2,910万円
120回目の返済99,010円163,127円123,762円当たる2,910万円
180回目の返済123,762円185,221円154,702円当たる2,910万円
240回目の返済154,702円209,264円193,377円当たる2,728万円
300回目の返済193,377円220,327円220,327円当たらない2,130万円

このサイトの計算エンジンによる算出値です。元利均等で、改定は5年ごと、上昇は3年で段階的に起きた後は横ばいの仮定です。上限に当たった改定と、その後に初めて再計算どおりに動いた改定を示しています。

上限は差額を免除しない

125%ルールが抑えるのは、1回の改定で変わる毎月の金額です。適用金利も利息も、ルールの有無で変わりません。上限で返済額が抑えられた期間は、抑えた分だけ元金の返済が少なくなり、その残高に対する利息も続きます。

そのため、上限があると2回目の改定額は、はじめから上限なしで再計算していた場合の111,995円より高くなります。短い期間の負担を和らげる代わりに、その後の負担が増える形です。5年ルール全体の仕組みと同じ理屈が、改定の金額にも当てはまります。

上限ありとなしを同じ条件で比べる

次の表は、同じ金利の動きで125%ルールだけを外した比較です。ピークの返済額は最終回を除いた額です。

上昇幅上限に当たる回数ピーク(上限あり)ピーク(上限なし)総返済額の差未払利息(上限あり)未払利息(上限なし)
+1.5%1回104,076円102,998円9万円0.0万円0.0万円
+2%1回115,756円111,995円35万円0.0万円0.0万円
+3%2回149,600円131,906円186万円17.5万円17.5万円
+4%4回220,327円154,882円535万円162.7万円87.4万円

このサイトの計算エンジンによる算出値です。5年ルールはどちらも適用しています。未払利息は積み上がった最大額で、未払利息には利息を付けないモデルです。

上昇幅が大きいほど、上限で先送りされる金額と総返済額の差が大きくなります。+4%では上限に4回連続で当たり、その間は金利に返済額が届きません。返済が始まってから20年の間、抑えられた状態が続く計算です。

未払利息との関係は別に見る

上限に当たることと、未払利息が出ることは同じではありません。未払利息は、利息が毎月の返済額を超えた時点で発生します。+1.5%や+2%では上限に当たっても未払利息は出ませんでした。金利が高くなると両方が同時に発生します。

未払利息は上限の有無に関わらず、改定前の据え置き期間にも起きます。上の表で上限なしの場合にも未払利息が出ているのはそのためです。発生のタイミングは未払利息がいつ発生するか、最終回の扱いは最終回の返済額で確認できます。

家計で備えるべきは2回目の額

改定の通知を見て「1.25倍で済んだ」と判断すると、2回目の増加を見落としやすくなります。積立や繰上げ返済の金額を考えるときは、1回目の額だけでなく2回目の額を見ます。この条件なら、79,208円から99,010円に上がった後、さらに16,746円増えます。

備える金額の考え方は金利上昇に備える積立額、上がった返済額を戻す費用は返済額を元に戻す繰上げ返済で計算しています。昇給で追いつく考え方は年収と金利上昇の比較で確認できます。

どの数字を見て判断するか

上限に当たる改定が見えたら、次の3つを確認します。1つ目は上限がなければいくらだったかの再計算額です。この金額が、残りの期間で払うべき水準の目安です。2つ目は2回目の改定額です。3つ目は残債の減り方です。上限に当たる間は、残債が想定より減っていないことが多くあります。

再計算額が家計で払える水準なら、上限で浮いた差額を毎月積み立てて、2回目の増加に備える方法が取れます。払えない水準であれば、1回目の改定前に借り換え・固定への変更・繰上げ返済を比べる意味があります。比較の入口は返済額が上がったときの選択肢です。

自分の改定を確認する手順

  1. 返済予定表で次回の改定時期を確かめる
  2. 改定通知があれば、上限の適用の有無と、再計算額が示されているかを確認する
  3. ツールで上昇幅を入れ、1回目と2回目の改定額を確認する
  4. 未払利息の扱いと最終回の精算を金融機関に確認する

125%上限についてよくある質問

上限で浮いた分は、あとで一括請求されますか

上限で抑えられること自体は、そのまま一括請求にはなりません。返済額が抑えられた分だけ元金の減りが遅れ、以後の再計算に反映されます。未払利息が残った場合の精算は別の話で、契約を確認する必要があります。

上限は何回でも適用されますか

試算では、再計算額が前回の1.25倍を超える限り毎回適用されます。+4%の場合は4回続きました。ただし金融機関によってルールの細部が異なるため、契約書で確かめます。

5年ルールがない契約にも125%ルールはありますか

5年ルールと125%ルールを両方設けていない契約もあります。自分の契約の有無を確認し、違いは5年ルールがない銀行との違いで確認してください。

まとめ

  • +2%の例では、1回目は99,010円で止まり、2回目に115,756円へ上がる
  • 2回目の額は、上限がなかった場合の111,995円より高い
  • 上限で総返済額は35万円増える
  • 備える額は1回目ではなく、2回目の改定額で考える