水位は「返済額と残債の比率」で決まる

未払利息は、1回の利息が返済額を超えたときに出ます。だから発生し始める金利は、返済額を残債で割った比率でほぼ決まります。残債が同じなら、返済額が大きいほど水位は高く、返済額が小さいほど水位は低くなります。

返済期間の延長は、残債を変えずに返済額だけを小さくする操作です。したがって水位は下がります。毎月の負担を軽くする手段ですが、金利上昇に対する余裕は減る方向です。

水位そのものの読み方は未払利息は何%から出るか早見表、未払利息が出る仕組みは未払利息はいつ発生していくらかで説明しています。

期間別の返済額と水位の算出表

残債2,500万円・金利0.6%・元利均等で、残りの期間だけを変えた結果です。基準は残り25年です。

残り期間基準との差毎月返済額危険水位完済までの利息
15年-10年145,267円6.97%1,148,034円
20年-5年110,567円5.31%1,536,121円
25年(基準)—89,760円4.31%1,927,938円
30年+5年75,899円3.64%2,323,494円
35年+10年66,007円3.17%2,722,817円
40年+15年58,596円2.81%3,125,832円

このサイトの計算エンジンによる算出値です。残債2,500万円・金利0.6%・元利均等で、期間だけを変えて毎月返済額を計算し、残債と返済額から未払利息が出始める金利を逆算しました。完済までの利息は金利が変わらなかった場合の値で、延長の手数料は含めていません。

延ばす方向では、5年で0.67%、10年で1.14%、15年で1.5%だけ水位が下がりました。縮める方向は逆で、20年にすると5.31%まで上がります。

利息の方は延ばすほど増えます。10年延ばすと794,879円増える計算です。毎月は23,753円軽くなりますが、総額と水位の両方を手放す形になります。

水位1ポイントは毎月いくらに相当するか

表から比率を取ると、水位1ポイントは毎月返済額で約20,833円でした。残り25年を20年に縮めると水位は1%上がり、毎月返済額は20,807円増えます。

繰上げ返済で水位を上げる場合の必要額は危険水位を1ポイント上げる必要額で計算しています。期間を縮める方法は手元資金が要らない代わりに毎月の負担が増え、繰上げ返済は毎月を変えない代わりにまとまった資金が要ります。どちらも水位を上げる手段ですが、払うものが違います。

延長した状態で金利が上がると何が起きるか

同じ上昇シナリオを、期間を変えた3つの状態に当てた結果です。上昇は5年かけて起き、その後は横ばいという仮定です。

上昇幅到達金利25年のまま5年延長10年延長
+2.5%3.1% 発生しない 発生しない 発生しない
+3%3.6% 発生しない 発生しない 発生しない
+3.5%4.1% 発生しない 発生しない 52,842円

このサイトの計算エンジンによる算出値です。5年ルール・125%ルールあり、元利均等として月次で計算し、未払利息は利息が返済額を超えた月の差額の累計です。延長は金利が上がる前に済ませた前提で、延長後の返済額を起点にしています。

+3.5%(到達金利4.1%)の行で差が出ました。25年のままと5年延長では未払利息は発生しませんが、10年延長では52,842円出ています。水位が3.17%まで下がっていたためです。

一方で毎月の負担は延長した方が軽いままです。同じ行の返済額の最大値は、25年のままが150,925円、10年延長が137,397円でした。毎月を取るか、未払利息を避けるかという形になります。

それでも延長を選ぶ場面

水位が下がるのは不利ですが、毎月が払えなければ水位の議論に意味がありません。延長が向くのは次のような場合です。

  • いまの返済額が家計に入りきらず、滞納を避けることが先にある
  • 完済年齢に余裕があり、期間を伸ばしても働ける見通しがある
  • 収入が戻る時期の見込みがあり、戻ってから繰上げ返済で水位を上げ直せる

返済がきついときの選択肢全体は返済がきつい時の選択肢、返済額を据え置くために必要な延長年数は返済額を据え置くには何年延ばすかで扱っています。完済年齢の側から見る場合は完済年齢と定年後の残債も合わせて確認できます。

延長したあとに水位を戻す方法

延長で下がった水位は、繰上げ返済の期間短縮型で戻せます。期間短縮型は返済額を変えずに残債を減らすので、比率が上がって水位も上がります。返済額軽減型では残債と返済額が同じ比率で下がるため、水位はほとんど動きません。

方式による違いは返済額軽減型で125%の上限はいくら下がるかで算出しています。繰上げ返済の金額ごとの効果は100万円の繰上げ返済で何ヶ月縮むかで確認できます。

125%ルールとの関係

延長で返済額が下がると、125%ルールの上限も下がります。上限は今の返済額の1.25倍なので、返済額66,007円なら上限は82,508円です。延長前の89,760円なら上限は112,200円でした。

1回の改定で上がる幅は小さくなりますが、上限で抑えた分は消えずに次の改定へ回ります。扱いは上限で止まった差額は次の改定で戻る、上限の計算は125%ルールの上限はいくらか早見表で確認できます。

自分の水位の動きを確かめる手順

  1. 返済予定表で残債・毎月返済額・残り期間を確かめる
  2. 返済額×12を残債で割り、いまの水位の目安を出す
  3. 金融機関に延長後の返済額を試算してもらう
  4. その返済額で同じ計算をして、延長後の水位を出す
  5. ツールに延長後の条件を入れ、想定する上昇幅で未払利息が出るか確かめる

期間延長と水位についてよくある質問

期間を延ばすと未払利息は出やすくなりますか

試算ではそうなりました。水位が下がるため、同じ上昇幅でも発生する条件に近づきます。上の表では+3.5%のときに、25年のままでは発生せず、10年延長では52,842円出ました。

延長すると総支払額はどれくらい増えますか

残債2,500万円・金利0.6%で金利が変わらない場合、10年延ばすと利息が794,879円増える計算です。金利が上がる場合はこれより大きくなります。

延長と繰上げ返済はどちらが水位に効きますか

向きが反対です。延長は水位を下げ、繰上げ返済の期間短縮型は水位を上げます。水位1ポイントは毎月返済額で約20,833円に相当するという算出なので、毎月の余裕と手元資金のどちらがあるかで選ぶ形になります。

まとめ

  • 残り25年の水位4.31%は、10年延ばすと3.17%まで下がる
  • 毎月は23,753円軽くなるが、利息は794,879円増える
  • +3.5%の上昇では、10年延長だけ未払利息52,842円が出た
  • 水位1ポイントは毎月返済額で約20,833円に相当する