先送り額と必要な繰上げ額は別のもの

125%ルールは、改定後の返済額を直前の1.25倍までに抑えます。残債3,000万円・残り35年・金利0.6%なら、いまの返済額は79,208円で上限は99,010円です。

上昇+2%の場合、改定時の再計算額は109,616円ですが返済額は99,010円で止まり、毎月10,606円が先送りされます。5年間で636,360円です。

先送りを起こさないようにするには、再計算額そのものを上限以下に下げる必要があります。再計算額は残債から決まるので、減らすべきなのは毎月の差額ではなく残債です。だから必要な額が大きくなります。

先送りされた差額の行方は上限で止まった差額は次の改定で戻る、上限の計算は125%ルールの上限はいくらか早見表で扱っています。

上昇幅別の先送り額と必要な繰上げ額

改定の時点で繰上げ返済し、再計算額が上限99,010円以下になる額を逆算した結果です。

上昇幅到達金利再計算額毎月の先送り5年分の先送り必要な繰上げ額先送り5年分の何倍
+1.5%2.1%101,351円 2,341円140,460円 679,163円 4.8倍
+2%2.6%109,616円 10,606円636,360円 2,699,741円 4.2倍
+2.5%3.1%118,335円 19,325円1,159,500円 4,572,811円 3.9倍
+3%3.6%127,514円 28,504円1,710,240円 6,312,754円 3.7倍

このサイトの計算エンジンによる算出値です。残債3,000万円・残り35年・金利0.6%・元利均等から、5年かけて各上昇幅まで上がった場合の60ヶ月目の改定を計算しました。必要な繰上げ額は、改定時の残債から減らして再計算額が上限99,010円以下になる額を二分探索で求めた値で、手数料は含みません。

+2%では先送り5年分636,360円に対し、必要な繰上げ額は2,699,741円でした。約4.2倍です。

上昇幅が大きいほど必要額も増えますが、倍率は4.8倍から3.7倍の範囲で、上昇幅が大きいほどわずかに下がりました。

繰上げ額ごとに先送りはどこまで減るか

+2%の場合で、改定の時点に入れる繰上げ額を変えた結果です。

繰上げ額改定時の残債再計算額改定後の返済額毎月の先送り
入れない 27,431,043円 109,817円 99,010円 10,807円
1,000,000円 26,431,043円 105,813円 99,010円 6,803円
2,000,000円 25,431,043円 101,810円 99,010円 2,800円
3,000,000円 24,431,043円 97,807円 97,807円 先送りなし
4,000,000円 23,431,043円 93,803円 93,803円 先送りなし

このサイトの計算エンジンによる算出値です。改定時の残債から繰上げ額を引き、到達金利2.6%・残り30年で再計算額を求めました。改定後の返済額は再計算額と上限99,010円の小さい方です。繰上げ返済は期間短縮型として元金だけを減らす前提で、手数料は含みません。

3,000,000円入れた行で先送りがなくなりました。それ以下の額では先送りが残り、1,000,000円では6,803円、2,000,000円では2,800円です。

途中まで入れても効果は比例します。先送りを完全になくす必要がなく、毎月の増え方を抑えたいだけなら、小さい額でも意味があります。

解消する価値があるかどうか

先送りは利息を免除する仕組みではないので、解消すれば元金が予定どおり減ります。ただし必要な額が大きいので、同じ資金を別の使い方と比べる必要があります。

同じ資金で借り換えと比べる場合は借り換えと繰上げ返済、同じ資金ならどっちで扱っています。

先送りが残ること自体の損

上限で抑えられている間、元金の減りが遅れます。遅れた分は残債として残り、その残債に利息がかかり続けます。

同じ条件で固定に変えた場合の算出では、上限が外れて元金が予定どおり減ることで残りの総支払が減りました。詳しくは125%の上限に当たった後に固定へ変えるといくら変わるかにあります。

先送りを抱えたまま借り換えた場合は125%で止まった差額を抱えたまま借り換えるとどうなるかで計算しています。

改定の前に入れるか後に入れるか

この算出は改定の時点で入れる前提です。改定の直前に入れると再計算の基準になる残債が小さくなるので、先送りを抑える効果が出ます。改定の直後に入れても、次の改定までの元金の減りは改善します。

直前と直後の比較は繰上げ返済は改定の直前か直後かで算出しています。改定の時期そのものは次の返済額改定はいつか、借入年月の早見表で読めます。

自分の必要額を確かめる手順

  1. 返済予定表で残債・毎月返済額・次回の改定時期を確かめる
  2. いまの返済額を1.25倍して上限を出す
  3. 改定時点の残債と想定する金利から、上限がない場合の再計算額を出す
  4. 再計算額が上限を超える分が、毎月の先送り額にあたる
  5. ツールで繰上げ額を変えながら、再計算額が上限以下になる額を探す

先送りの解消についてよくある質問

先送りされた金額だけ繰上げ返済すれば解消しますか

解消しません。先送りは毎月の差額で、解消するには再計算の基準になる残債を下げる必要があります。算出では先送り5年分636,360円に対し、必要な繰上げ額は2,699,741円で約4.2倍でした。

一部だけ入れても意味はありますか

あります。表のとおり繰上げ額に応じて先送りは減ります。1,000,000円なら先送りは6,803円まで下がり、3,000,000円でなくなりました。

期間短縮型と返済額軽減型のどちらで入れますか

この算出は期間短縮型(返済額を変えずに元金を減らす)の前提です。返済額軽減型だと返済額が下がるため上限自体も下がり、別の動きになります。算出は返済額軽減型で125%の上限はいくら下がるかにあります。

まとめ

  • +2%では毎月10,606円、5年で636,360円が先送りされる
  • 先送りを起こさないために必要な繰上げ額は2,699,741円で、約4.2倍
  • 減らすのは毎月の差額ではなく残債なので、必要額の桁が変わる
  • 一部だけでも効く。1,000,000円で先送りは6,803円まで下がる