上限で据え置かれている状態は、総額では不利

残債3,000万円・残り35年・金利0.6%で、5年かけて+2%上がる場合を計算しました。60ヶ月目の改定で再計算額は109,616円ですが、125%ルールにより返済額は99,010円で止まります。

毎月10,606円が抑えられるので、家計は楽になります。ただし抑えた分は免除ではなく、元金の減りが遅れる形で残ります。据え置き期間の終わり(48ヶ月目)の元金充当は28,339円まで落ちていました。改定後は39,662円に戻ります。

元金の減りが遅れると、同じ金利でも利息を払う期間が長くなります。だから総額では不利になります。据え置き中の元金充当の落ち方は返済額は同じでも元金充当は42%減るで計算しています。

固定金利別の毎月返済額と残りの総支払

改定直後(61ヶ月目)の残債27,351,804円・残り30年を、固定金利に変えた場合です。手数料は含めていません。

選択金利毎月返済額残りの総支払変動のまま続けた場合との差
変動のまま続ける2.6%(到達後)99,010円(上限)39,760,732円—
固定に変える1.8%98,384円35,418,016円4,342,716円少ない
固定に変える2.2%103,855円37,387,556円2,373,176円少ない
固定に変える2.6%109,500円39,419,809円340,923円少ない
固定に変える3%115,316円41,513,643円1,752,911円多い

このサイトの計算エンジンによる算出値です。変動のまま続けた場合は5年ルール・125%ルールありで月次に計算し、61ヶ月目以降の返済額を合計しました。固定に変える場合は同じ残債・同じ残り期間の元利均等で計算しています。変更の手数料と保証料は含めていません。

注目すべきは2.6%の行です。金利を下げなくても、残りの総支払は340,923円少なくなりました。固定に変えると上限が外れて返済額が109,500円に上がり、その分だけ元金が予定どおり減るためです。

毎月は10,490円増えます。総額を取るか毎月を取るかという選択になります。

手数料がいくらまでなら見合うか

同じ金利の固定に変えた場合の差額が、手数料の上限にあたります。上昇幅を変えて計算しました。

上昇幅到達金利上限で止まる返済額毎月の先送り額同率固定の返済額手数料の上限
+1.5%2.1%99,010円2,341円101,166円118,812円
+2%2.6%99,010円10,606円109,500円340,923円
+2.5%3.1%99,010円19,325円118,301円691,015円
+3%3.6%99,010円28,504円127,576円1,565,361円

このサイトの計算エンジンによる算出値です。各上昇幅で60ヶ月目の改定まで計算し、改定直後の残債を同じ金利の固定に変えた場合の総支払と、変動のまま続けた場合の総支払の差を出しました。手数料が この差を下回れば、同じ金利でも固定化で総額が減る計算になります。

上昇幅が大きいほど手数料の上限も大きくなります。先送りされる額が大きく、元金の減りの遅れも大きくなるためです。+1.5%では118,812円、+3%では1,565,361円でした。

実際の手数料は金融機関と契約によります。同じ銀行の中で金利タイプを変更する場合と、他行へ借り換える場合で大きく違うので、金額を確認してからこの表と比べてください。

借り換えとの違いは費用の大きさ

他行への借り換えでも同じことができますが、諸費用がかかります。事務手数料が定率の場合、残債27,351,804円なら諸費用は数十万円から百万円近くになります。

同じ金利で借り換えた場合、諸費用がこの表の手数料の上限340,923円を超えると総額は増えます。借り換えでの算出は125%で止まった差額を抱えたまま借り換えるとどうなるかにあり、同じ金利では総額が増える結果でした。

つまり「上限で据え置かれている状態を解消する」という目的なら、費用の小さい手段のほうが向きます。同じ銀行で変更する場合と他行へ移る場合の比較は固定への変更は同じ銀行か他行かで扱っています。

固定金利が高いと逆転する

固定金利が到達金利より高い場合は、総額が増えます。表では3%の行で1,752,911円多くなりました。到達金利2.6%との差は0.4%です。

据え置きによる損は340,923円なので、固定金利の上乗せ分がこれを超えると逆転します。固定の上乗せ分の総額は固定金利の安心料はいくらか、残り期間別の分岐は固定の分岐点は残り期間でどう動くかで計算しています。

固定に変えると読める数字が増える

固定にすると125%ルールの上限と未払利息の対象から外れます。返済額が完済まで決まるので、改定の時期や上限を気にする必要がなくなります。

変動のまま続ける場合、この算出では据え置き期間中の返済額が最大112,689円でした。固定2.6%の109,500円より高い水準です。上限があっても、次の改定で上がる余地が残っています。

上限で抑えた分が次の改定でどう戻るかは上限で止まった差額は次の改定で戻るで扱っています。

毎月が払えない場合は別の判断

総額で有利でも、毎月109,500円が家計に入らないなら選べません。上限で据え置かれていることは、その意味では家計を守っています。

毎月を抑えたまま総額を改善したい場合は、繰上げ返済で元金の遅れを取り戻す方向があります。返済額軽減型と期間短縮型で効果が違うので、算出は返済額軽減型で125%の上限はいくら下がるかで確認できます。

返済がきついときの選択肢全体は返済がきつい時の選択肢、改定後の選択肢の比較は返済額が上がった後の選択肢を比較にあります。

自分の数字で確かめる手順

  1. 改定の通知で、新しい返済額と上限が適用されたかを確かめる
  2. 残債・残り期間・改定後の金利から、上限がない場合の再計算額を出す
  3. 金融機関に固定への変更の金利と手数料を確認する
  4. ツールで固定にした場合の返済額と総額を出し、変動のまま続けた場合と比べる
  5. 差額が手数料を上回るかで判断する

上限到達後の固定化についてよくある質問

金利を下げられなくても固定にする意味はありますか

この算出では、同じ金利2.6%でも残りの総支払が340,923円少なくなりました。上限が外れて元金が予定どおり減るためです。ただし毎月は10,490円増え、手数料が340,923円を超えると利点は消えます。

固定に変えると先送りされた分を一度に払いますか

一度に払うのではなく、毎月の返済額が上がる形になります。先送りされた分は元金の減りの遅れとして残債に含まれているので、その残債から新しい返済額を計算します。

上限があるうちは何もしない方がいいですか

毎月の負担という点では上限が守っています。総額という点では不利です。どちらを優先するかで答えが変わるので、この記事では両方の数字を出しています。毎月109,500円が払えるなら総額で有利、払えないなら上限のまま続けるという整理になります。

まとめ

  • 上限で返済額は99,010円に止まるが、元金の減りが遅れて総額では不利になる
  • 同じ金利2.6%の固定に変えると毎月109,500円へ上がるが、総支払は340,923円減る
  • 手数料が340,923円までなら、金利を下げなくても見合う
  • 固定金利が3%だと1,752,911円増えて逆転する