返済額が上がった直後の6つの選択肢
借入3,000万円・35年・0.6%の人が、3年で1%上がって5年目の改定を迎えた時点を基準にします。改定前の返済額は79,208円、改定後は94,545円、残債は2,708万円です。この時点で取れる選択を並べました。
| 選択 | 今すぐ出ていく額 | 毎月の返済 | 何が変わるか |
|---|---|---|---|
| そのまま | 0円 | 94,545円 | 次の改定まで据え置き |
| 他行の変動1.2%へ借り換え | 82万円 | 89,597円 | 返済額が下がり、改定周期が変わる |
| 同じ銀行で固定2.5%へ変更 | 5,500円 | 106,983円 | 返済額は上がるが以後変わらない |
| 300万円繰上げ(返済額軽減) | 300万円 | 84,251円 | 手元資金が減り毎月が下がる |
| 300万円繰上げ(期間短縮) | 300万円 | 94,545円 | 完済が4年早まる |
| 期間を5年延長 | 5,500円 | 84,235円 | 毎月は下がり総額は増える |
このサイトの計算エンジンによる算出値です。借り換え金利1.2%と固定金利2.5%は比較のための仮定です。借り換えの諸費用は定率2.2%の事務手数料などの既定値です。
毎月だけ見れば、期間延長と繰上げの返済額軽減が下がります。借り換えも金利差の分だけ下がります。固定は毎月が上がる選択肢ですが、以後の変動を止められます。毎月の金額と総支出は違う答えになるので、次の表で総支出を並べます。
次の上昇幅別の総支出
次の表は、改定の時点からさらに3年で上昇した場合に、完済までに支払う総額です。繰上げの2列は、投じた300万円を含めた額です。
| 次の上昇幅 | そのまま | 借り換え | 固定へ変更 | 繰上げ(軽減) | 繰上げ(短縮) | 期間延長 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| +0% | 3,411万円 | 3,308万円 | 3,852万円 | 3,333万円 | 3,244万円 | 3,538万円 |
| +0.5% | 3,635万円 | 3,523万円 | 3,852万円 | 3,532万円 | 3,410万円 | 3,811万円 |
| +1% | 3,873万円 | 3,750万円 | 3,852万円 | 3,743万円 | 3,586万円 | 4,101万円 |
| +1.5% | 4,125万円 | 3,992万円 | 3,852万円 | 3,966万円 | 3,770万円 | 4,420万円 |
| +2% | 4,418万円 | 4,271万円 | 3,852万円 | 4,227万円 | 3,976万円 | 4,784万円 |
このサイトの計算エンジンによる算出値です。5年ルール・125%ルールありの試算で、固定へ変更する場合は金利が変わりません。借り換えは同じ幅で上がる仮定です。控除は含めていません。
固定の総支出だけは次の上昇で変わりません。+1%になると、そのままより21万円安くなります。一方で上昇がなければ441万円高くなります。「改定で上がったから固定」と決める前に、この差を確かめる必要があります。
繰上げ返済は別の軸で読む
繰上げの2列は、名目の総支出で他より小さく出やすくなります。しかしそれは繰上げが優れているからではなく、手元の300万円を投じているからです。その資金に他の使い道があるなら、単純には比べられません。
読むべきは「その資金で何が減るか」です。期間短縮は総支出を大きく減らし、完済を4年早めます。返済額軽減は毎月を10,294円下げ、当面の家計を軽くします。同じ額で何が違うかは方式で変わる金利上昇への備えと返済額を元に戻す繰上げ返済でも計算しています。
期間の延長は総額の高い選択肢
延長は毎月を10,310円下げられる一方で、どの上昇幅でも「そのまま」より総支出が増え、+1%以上では6つの中で最も大きくなりました。今月の返済が苦しい場合の手段で、総額の比較で選ぶものではありません。延長できる期間は年齢や契約の上限でも変わります。
返済そのものが難しい場合は、延滞の前に金融機関へ相談します。動く順番は返済がきついときの対処にまとめています。延長で返済額を保つ計算は期間延長の必要年数で確認できます。
借り換えの判定には控除も入れる
この条件では、他行の変動への借り換えはどの上昇幅でもそのままより安くなりました。金利差0.4%を、諸費用を払っても取れる場合の結果です。金利差が小さいと結果は逆になります。借り換えない方がいい条件で分かれ目を確認してください。
控除が残っている人は、借り換え後の期間が10年以上か、諸費用を上乗せしていないかも確認します。借り換えは金利が下がるだけでなく、改定の周期も組み直されます。周期への影響は借り換えと改定周期で試算しています。
何を優先するかで選択肢は絞れる
最初に「今月の返済を下げる必要があるか」を確かめます。必要なら、借り換え、返済額軽減、期間延長の順に費用を比べます。必要でなければ、「さらなる上昇を避けたいか」を確かめます。避けたいなら固定、または期間短縮で残高を減らす方法が候補になります。
どちらも必要なければ、そのまま続けて金利を見守る選択も十分に合理的です。上がった返済額をすでに家計で吸収できているなら、慌てて動く理由にはなりません。次の改定と未払利息が出る金利を確かめ、条件が変わったら再計算します。
改定の通知を受け取ったら確認すること
- 改定後の返済額、適用金利、残債、次の改定時期を通知と予定表で確かめる
- 増えた分を家計で吸収できるか、毎月の収支で確かめる
- 借り換え先と固定の提示金利、諸費用の実額を確かめる
- ツールで上昇シナリオごとの総支出を比べ、控除の残存も入れる
通知の見方は金利変更のお知らせで見る3箇所にあります。次の改定がいつかは改定時期の早見表で確認できます。
返済額が上がった後についてよくある質問
改定の直後に繰上げ返済をすると、返済額はすぐ下がりますか
返済額軽減型なら下がります。期間短縮型では返済額はそのままで、完済が早まります。実行時期との関係は改定の直前と直後の繰上げで試算しています。
上がった後に固定へ移るのは遅すぎますか
固定金利も上がっている場合が多く、早く動いた場合より不利になることがあります。ただし今後の上昇をどう考えるかで評価は変わります。比較は固定へ移るタイミングにあります。
次の改定までどれくらい余裕がありますか
5年ルールのある契約なら通常は5年です。ただしその間も金利が上がれば元金の減りは遅くなります。返済額が同じでも残債を確認します。
まとめ
- 次の上昇が+1%なら、固定2.5%はそのままより21万円安く、上昇がなければ441万円高い
- 毎月を下げたいなら、借り換えと返済額軽減と期間延長を費用込みで比べる
- 期間延長は、どの上昇幅でも「そのまま」より総支出が増える
- 家計で吸収できているなら、そのまま続ける判断も選択肢に入る