片方だけ動かすという選択
ミックスローンは1つの物件に対して変動と固定の2本を組む形です。返済中に金利上昇が気になった場合、全部を固定に変えるのではなく、変動部分だけを固定に変える選択ができます。
借入時に何割ずつにするかの設計は変動と固定を何割ずつにするかで扱っています。この記事は返済中に片方だけ動かす場合の損得です。
計算は残債2,500万円・残り25年、変動部分の金利0.6%、もともとの固定部分1.5%、変更先の固定2%としています。
割合別・上昇幅別の合計総額
固定部分はそのまま置いて、変動部分だけを動かした場合の合計総額です。変動のままの行は、5年かけて上がりその後は横ばいという仮定です。
| 変動の割合 | 変動部分の残債 | 選択 | 合計の総支払額 | 固定化との差 |
|---|---|---|---|---|
| 変動80% | 20,000,000円 | 変動部分を固定2%へ | 31,430,052円 | — |
| 変動のまま(金利不変) | 27,541,233円 | 3,888,819円少ない | ||
| 変動のまま(+1%) | 29,776,275円 | 1,653,777円少ない | ||
| 変動のまま(+2%) | 32,249,634円 | 819,582円多い | ||
| 変動60% | 15,000,000円 | 変動部分を固定2%へ | 31,071,210円 | — |
| 変動のまま(金利不変) | 28,154,651円 | 2,916,559円少ない | ||
| 変動のまま(+1%) | 29,830,947円 | 1,240,263円少ない | ||
| 変動のまま(+2%) | 31,685,948円 | 614,738円多い | ||
| 変動40% | 10,000,000円 | 変動部分を固定2%へ | 30,712,456円 | — |
| 変動のまま(金利不変) | 28,768,071円 | 1,944,385円少ない | ||
| 変動のまま(+1%) | 29,885,597円 | 826,859円少ない | ||
| 変動のまま(+2%) | 31,122,269円 | 409,813円多い |
このサイトの計算エンジンによる算出値です。残債2,500万円・残り25年・元利均等で、固定部分は1.5%のまま完済まで計算し、変動部分は5年ルール・125%ルールありで月次に計算しました。変更の手数料と保証料は含めていません。上昇幅は予測ではなく仮定です。
変動6:固定4の行で見ると、金利が上がらなければ変動のままが2,916,559円少なく、+1.0%でもまだ1,240,263円少ないままです。+2.0%になると614,738円多くなり、固定化が有利に変わります。
分岐は割合では動かなかった
固定化が得になる上昇幅を割合ごとに逆算した結果です。
| 変動の割合 | 変動部分の残債 | 固定化が得になる上昇幅 | 到達金利 | +2.0%での差額 |
|---|---|---|---|---|
| 変動80% | 20,000,000円 | +1.69% | 2.29% | 819,582円 |
| 変動60% | 15,000,000円 | +1.69% | 2.29% | 614,738円 |
| 変動40% | 10,000,000円 | +1.69% | 2.29% | 409,813円 |
このサイトの計算エンジンによる算出値です。変動部分を固定2%へ変えた場合の総額と、変動のまま上がった場合の総額が入れ替わる上昇幅を二分探索で求めました。固定部分は両方の選択で同じなので差には影響しません。
3つの割合すべてで+1.69%でした。割合が変わっても分岐が動かないのは、固定部分がどちらの選択でも同じ条件で残るため、差額の計算から消えるからです。残るのは変動部分の比較だけで、その判断は金利と期間で決まります。
変わるのは差額の大きさです。+2.0%での差は変動80%で819,582円、変動40%で409,813円でした。変動部分が大きいほど、判断を間違えたときの金額が大きくなります。
割合は「金額の重み」として見る
この結果の使い方は単純です。固定にするかどうかの判断は変動部分だけで考えてよく、割合はその判断がいくらに効くかを示します。
- 変動部分が小さい(変動40%)なら、判断を間違えても差は409,813円にとどまる
- 変動部分が大きい(変動80%)なら、同じ判断の差が819,582円になる
- 分岐の上昇幅は同じなので、割合を見て判断を変える必要はない
全部を固定に変える場合の分岐は固定の分岐点は残り期間でどう動くか、固定の上乗せ分の総額は固定金利の安心料はいくらかで扱っています。
毎月返済額はどう変わるか
変動部分を固定2%に変えると、変動6:固定4の場合は変動部分の返済額が53,856円から63,578円へ上がります。固定部分の39,993円と合わせて103,571円です。
変動のままにした場合、+2.0%の上昇では変動部分の返済額が最大68,903円まで上がります。固定化した63,578円より高い水準です。毎月の金額の上限を決めたい場合は、固定化が効きます。
固定に変えると125%ルールの上限や未払利息の対象から外れるので、返済額が読める状態になります。変動のまま上限に当たった場合の扱いは上限で止まった差額は次の改定で戻るで扱っています。
固定部分の期間が残っている場合
固定部分が全期間固定ではなく固定期間選択型の場合、固定期間が終わると変動に戻ります。その時点で金利の構成が変わるので、この算出とは条件が変わります。
固定期間が明けたあとの扱いは固定期間が明けたら危険水位はいくつ、引き下げ幅が縮む場合は固定期間の終了で引き下げ幅が縮むとで扱っています。
手数料がかかる場合の考え方
同じ金融機関の中で金利タイプを変更する場合と、他行へ借り換える場合で費用が変わります。この算出では手数料を含めていないので、実際の判断では費用を差額から引く必要があります。
変動6:固定4で+2.0%の場合、固定化による差は614,738円でした。手数料がこれを超えると固定化の利点は消えます。同じ銀行で変更する場合の扱いは固定への変更は同じ銀行か他行かで扱っています。
自分の数字で確かめる手順
- 2本の返済予定表で、それぞれの残債・金利・返済額・残り期間を確かめる
- 変動部分の残債と残り期間だけを取り出す
- 変更先の固定金利を金融機関に確認する
- ツールに変動部分の数字を入れ、固定化した場合と上昇した場合の総額を比べる
- 差額から変更の手数料を引いて判断する
変動部分だけの固定化についてよくある質問
変動と固定の割合で判断は変わりますか
この算出では変わりませんでした。固定化が得になる上昇幅は3つの割合すべてで+1.69%でした。固定部分がどちらの選択でも同じ条件で残るため、差額の計算から消えるからです。
片方だけ変えることはできますか
金融機関と契約によります。2本を別の契約として扱っている場合は片方だけの変更ができることがありますが、できない場合もあります。手数料の有無も含めて金融機関にご確認ください。
変動部分を固定にすると未払利息の心配はなくなりますか
固定にした部分については、返済額が決まるので未払利息は出ません。変動部分を残す場合は、その部分について水位の確認が必要です。計算は未払利息は何%から出るか早見表で読めます。
まとめ
- 変動6:固定4で変動部分を固定2%へ変えると合計31,071,210円
- 変動のままは+1.0%で29,830,947円、+2.0%で31,685,948円
- 固定化が得になるのは+1.69%から。3つの割合すべてで同じ
- 割合は判断を変えず、差額の大きさだけを変える