計算式を確かめる
国税庁の案内では、A=借換え直前の当初の住宅ローンの残高、B=借換えによる新しい住宅ローンの借入金額、C=新しい住宅ローンの年末残高として、A≧BならCが対象額、A<BならC×A÷Bが対象額とされています(No.1233 住宅ローン等の借換えをしたとき、2026年10月31日に確認)。
つまり、借換え後の金額が直前の残高以下なら按分はありません。諸費用などで増やした場合に、増やした割合の分だけ対象額が減ります。
上乗せ額別の計算例
結論を表で示します。借換え後の最初の年末の残高で、対象額と控除額を計算しました。
| 直前の残高(A) | 上乗せ | 借換え後の金額(B) | 按分(A÷B) | 最初の年末残高(C) | 対象額 | その年の控除 | 按分で減る控除 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 2,000万円 | 50万円 | 2,050万円 | 97.56% | 1,974万円 | 1,926万円 | 134,793円 | 3,370円 |
| 2,000万円 | 90万円 | 2,090万円 | 95.69% | 2,012万円 | 1,926万円 | 134,793円 | 6,066円 |
| 2,500万円 | 80万円 | 2,580万円 | 96.90% | 2,484万円 | 2,407万円 | 168,492円 | 5,392円 |
| 3,000万円 | 90万円 | 3,090万円 | 97.09% | 2,975万円 | 2,888万円 | 202,190円 | 6,066円 |
| 3,500万円 | 100万円 | 3,600万円 | 97.22% | 3,466万円 | 3,370万円 | 210,000円 | 0円 |
このサイトの計算エンジンによる算出値です。金利0.6%・25年の元利均等で12回返済後の残高を使い、控除率0.7%、限度額3,000万円、年収800万円で計算しています。限度額を超える部分には控除が付きません。
残高3,500万円の例では、対象額が限度額を超えているので、按分で減る控除がありません。限度額の影響は限度額を超えた場合の控除で確認できます。
年ごとの対象額の動き
按分の割合は、一度決まると変わりません。残高3,000万円に90万円を上乗せした例で、年ごとの対象額を計算しました。
| 経過年数 | 年末残高(C) | 対象額 | 控除 | 按分で減る控除 |
|---|---|---|---|---|
| 1年 | 2,975万円 | 2,888万円 | 202,190円 | 6,066円 |
| 3年 | 2,743万円 | 2,663万円 | 186,430円 | 5,593円 |
| 5年 | 2,509万円 | 2,435万円 | 170,480円 | 5,115円 |
| 8年 | 2,151万円 | 2,088万円 | 146,194円 | 4,386円 |
このサイトの計算エンジンによる算出値です。上の表と同じ条件で、金利が動かない前提です。
按分で減る金額は年によって変わります。1年あたりは大きくありませんが、上乗せ分には利息もかかります。合計の差は諸費用を上乗せした場合で計算しています。
どんな費用が上乗せに当たるか
計算式で見るのはB(借換え後の金額)とA(直前の残高)の大小です。諸費用のために増やした分は、結果としてBを大きくします。金額を増やして別の目的に使う場合も、同じ計算で扱いが変わる可能性があります。リフォームなど別の資金を一緒に借りる場合は、扱いが別になることがあるので税務署に確かめます。
現金で諸費用を払えば、BはA以下で按分は発生しません。手元資金の余裕と比べて判断します。手元資金を使う場合の見方は借り換え時に借入額を減らす場合にあります。
他に確かめる要件
同じ国税庁の案内では、新しいローンが当初のローンの返済のためのものであることが明らかであること、10年以上の償還期間であることなどの要件が示されています。また控除を受けられる年数は入居した年から一定期間で、借換えで延長されることはないとされています。
期間を10年未満にする影響は借り換えない方がいい条件で計算しています。控除額の決まり方は年収別の控除額で確認できます。
控除の計算の順番
計算の順番は、まず年末残高に按分を掛けて対象額を出し、次に限度額と比べ、控除率を掛け、最後に所得税と住民税の上限で頭打ちになるかを見ます。年収が低い人は最後の段階で頭打ちになり、按分の影響が小さくなることがあります。
頭打ちの条件は年収と控除額で確かめられます。控除率と限度額は入居した年と住宅の区分で異なります。国税庁の案内と、自分の申告書の控えで確かめます。
現金で払う場合との差を確かめる
諸費用を現金で払えば、Bが直前の残高を超えないので、按分は発生しません。ただし現金を使うと手元資金が減ります。控除の差は1年あたり数千円なので、手元に資金がないなら上乗せも選択肢の一つです。ただし上乗せ分には利息もかかり、控除の差より利息の負担の方が大きくなります。総額の差は諸費用を上乗せした場合で確かめます。
自分の対象額を計算する手順
- 借換え直前の残高(A)を、旧ローンの完済時の書類で確かめる
- 新しいローンの借入金額(B)を契約書で確かめる
- 金融機関から届く年末残高(C)を確かめる
- BがAより大きければ C×A÷B を計算し、限度額と控除率を当てはめる
控除の按分についてよくある質問
按分の計算は自分でしますか
申告の際に計算する項目です。計算書の書き方や必要な書類は国税庁の案内と税務署で確かめます。
按分の割合は毎年変わりますか
AとBは借換え時に決まるので、割合そのものは変わりません。対象額はCに応じて毎年変わります。
2回目の借り換えではどうなりますか
扱いは個別の条件で変わるので税務署に確かめます。費用の比較は2回目の借り換えにあります。
諸費用の一部だけ上乗せしても按分されますか
BがAを超えた分について計算式が適用されます。上乗せが少なければ按分の影響も小さくなります。
この試算で置いた前提
表の金利0.6%と期間25年は年末残高を求めるための例で、控除率は0.7%で計算しました。実際の控除率は入居年で異なり、申告の計算はご自身の書類の数字で行います。
まとめ
- BがAを超えると、対象額は C×A÷B になる
- 3,000万円に90万円を上乗せすると按分は97.09%
- 現金で諸費用を払えば按分は発生しない
- 限度額を超えている人は影響が小さい