40代は完済年齢より回収年数
50代の借り換えでは完済年齢が主な論点になります。定年までに返し終わるか、退職後に残債が残るかで判断が変わるためです。
40代は残り期間が20〜25年あり、完済年齢には比較的余裕があります。代わりに効いてくるのが諸費用の回収年数です。諸費用を毎月の差額で割った年数が残り期間を超えると、回収し切る前に完済してしまいます。
50代の場合は50代の借り換えは完済年齢で答えが変わる、回収年数の考え方は借り換えの諸費用は何年で回収できるかで扱っています。
残り期間別・金利差別の回収年数と実質損得
現在の金利1%から借り換える場合です。事務手数料は定率2.2%として諸費用を積み上げました。控除は残存なしの場合の実質です。
| 残債・残り期間 | 諸費用 | 金利差 | 借換後の金利 | 毎月の差 | 回収年数 | 実質の損得 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 25,000,000円 残り25年 | 770,000円 | 0.3% | 0.7% | 3,357円 | 19.2年 | 236,886円の得 |
| 0.5% | 0.5% | 5,551円 | 11.6年 | 895,191円の得 | ||
| 0.8% | 0.2% | 8,778円 | 7.3年 | 1,863,137円の得 | ||
| 20,000,000円 残り20年 | 640,000円 | 0.3% | 0.7% | 2,652円 | 20.2年(残り期間超) | 3,556円の損 |
| 0.5% | 0.5% | 4,392円 | 12.2年 | 414,109円の得 | ||
| 0.8% | 0.2% | 6,960円 | 7.7年 | 1,030,613円の得 |
このサイトの計算エンジンによる算出値です。諸費用は事務手数料(定率2.2%)・抵当権設定の登録免許税・司法書士報酬・抵当権抹消費用・印紙税の積み上げです。回収年数は諸費用を毎月の返済額の差で割った月数、実質の損得は完済までの利息の減少から諸費用を引いた額です。保証料とその戻りは含めていません。
残り25年では金利差0.3%でも実質236,886円の得でした。一方で残り20年は同じ0.3%の差で回収に20.2年かかり、残り期間20年を超えます。結果は3,556円の損でした。
差が0.5%以上あれば、どちらの残り期間でも回収が間に合います。残り20年・差0.5%で回収12.2年、実質414,109円の得です。
控除の残存は判定を変えなかった
借り換えで金利が下がると残債の減りが速くなり、年末残高が小さくなるので控除額も減ります。その減少を実質から引いた結果です。
| 残債・残り期間 | 金利差 | 控除なし | 控除残5年 | 控除残10年 |
|---|---|---|---|---|
| 25,000,000円・残り25年 | 0.3% | 236,886円 | 233,703円 控除減3,183円 | 226,866円 控除減10,020円 |
| 25,000,000円・残り25年 | 0.5% | 895,191円 | 889,849円 控除減5,342円 | 878,410円 控除減16,781円 |
| 25,000,000円・残り25年 | 0.8% | 1,863,137円 | 1,854,507円 控除減8,630円 | 1,836,111円 控除減27,026円 |
| 20,000,000円・残り20年 | 0.3% | ▲3,556円 | ▲6,030円 控除減2,474円 | ▲10,899円 控除減7,343円 |
| 20,000,000円・残り20年 | 0.5% | 414,109円 | 409,965円 控除減4,144円 | 401,836円 控除減12,273円 |
| 20,000,000円・残り20年 | 0.8% | 1,030,613円 | 1,023,935円 控除減6,678円 | 1,010,894円 控除減19,719円 |
このサイトの計算エンジンによる算出値です。控除率0.7%・借入限度額30,000,000円は data/loan-config.json を正としました。年収600万円として所得税204,710円・住民税からの控除上限97,500円を概算し、借り換え前後の年末残高の推移から控除額の合計を比べています。
控除の減少は最大でも27,026円でした。実質の損得が数十万円から百万円を超える規模なので、控除の減少で判定が入れ替わる行はありません。
40代の判断では、控除より回収年数を先に見るべきという結果です。ただし控除の残存年数が長く、借り換えで返済期間が10年未満になる場合は対象外になるため、別の話になります。条件は借り換えで住宅ローン控除は減るのかで扱っています。
回収年数が残り期間を超えたときの意味
回収年数が残り期間を超えると、諸費用を取り戻す前に完済します。毎月の返済額は下がるので家計は楽になりますが、完済までに払う総額は増えます。
残り20年・差0.3%の行がこれにあたります。毎月2,652円下がりますが、諸費用640,000円を回収し切れず実質3,556円の損でした。
毎月の負担を下げることが目的なら選択肢になりますが、総額を減らす目的には合いません。借り換えが見合わない条件は借り換えない方がいい条件を実額で示すにまとめています。
諸費用を小さくできる場合
諸費用は残債に比例する部分が大きいので、定額の事務手数料を選べる金融機関なら小さくできます。残債20,000,000円で定率2.2%なら事務手数料だけで440,000円です。
定率と定額の比較は事務手数料は定率と定額どちらが得か、残債別の必要な金利差は借り換えの諸費用は残債別にいくらで、必要な金利差は何%か、残債がいくらから見合うかは借り換えは残債いくらからかで扱っています。
金利上昇が重なる場合
変動で借りている場合、借り換えを待つ間に金利が上がる可能性があります。この算出は現在の金利1%が変わらない前提なので、上昇を織り込むと判定が変わります。
上がる前と上がった後のどちらで動くかは固定へ移るのは上がる前か、上がった後か、借り換えた後に上がった場合の損得は借り換えた後に金利が上がると損かで扱っています。
自分の数字で確かめる手順
- 返済予定表で残債・毎月返済額・残り期間・適用金利を確かめる
- 借り換え候補の金利と、事務手数料の方式(定率か定額か)を確認する
- 諸費用を毎月の返済額の差で割り、回収年数を出す
- 回収年数が残り期間に収まるかを見る。超えるなら総額では損
- 控除の残存年数があれば、ツールで控除の減少を引いた実質を確かめる
40代の借り換えについてよくある質問
金利差はどれくらいあれば得ですか
残り期間で変わります。この算出では残り25年なら0.3%でも得でしたが、残り20年では損でした。残り20年で得になるのは0.5%以上の差があった場合です。
住宅ローン控除が残っていると借り換えは不利ですか
この算出では、控除の減少は最大27,026円で判定を変えませんでした。ただし借り換えで返済期間が10年未満になると控除の対象外になります。40代で残り20年以上なら、その心配は通常ありません。
40代で返済期間を延ばしてもいいですか
完済年齢が上がるので、定年後の返済が残るかを確かめる必要があります。期間を延ばすと未払利息の水位も下がります。算出は返済期間の延長で未払利息の危険水位は下がるにあります。
まとめ
- 残り25年・金利差0.3%なら回収19.2年で実質236,886円の得
- 残り20年・同じ差では回収20.2年で残り期間を超え、実質3,556円の損
- 控除の減少は最大27,026円で、判定を入れ替えなかった
- 先に見るのは回収年数。控除はその後で確かめる