金利が上がっても差は残る
結論から言うと、借り換え先も同じ幅で上がる場合、金利差は続くので総支出の差は残ります。残債2,500万円・残り25年で0.9%から0.5%へ借り換えた場合、その後の上昇幅別の比較は次のとおりです。
| 3年での上昇幅 | そのままの総支出 | 借り換えの総支出 | 差 | 次の改定額(そのまま) | 次の改定額(借り換え) | 借り換え側の上限 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| +0% | 2,793万円 | 2,737万円 | +55.7万円 | 93,091円 | 88,658円 | 当たらない |
| +0.5% | 2,945万円 | 2,885万円 | +60.0万円 | 96,845円 | 94,800円 | 当たらない |
| +1% | 3,104万円 | 3,041万円 | +63.1万円 | 100,711円 | 101,267円 | 当たらない |
| +1.5% | 3,270万円 | 3,205万円 | +65.2万円 | 104,668円 | 108,081円 | 当たらない |
| +2% | 3,444万円 | 3,385万円 | +58.6万円 | 108,726円 | 110,833円 | 当たる |
| +3% | 3,816万円 | 3,801万円 | +15.1万円 | 116,362円 | 110,833円 | 当たる |
このサイトの計算エンジンによる算出値です。そのままは次の改定まで2年、借り換えは5年の前提で、5年ルール・125%ルールありです。諸費用77万円を借り換えの総支出に含めています。
+1.5%までは差がほとんど変わらず、+3%で差が小さくなりました。借り換えで返済額を下げた分、125%の上限に当たりやすくなり、調整が後ろにずれるためです。
同じ幅で上がるとは限らない
この表の前提は、借り換え先も同じ幅で上がることです。基準金利の変更が両方の銀行に同時に反映されるとは限らず、時期や幅が異なることがあります。短期的に差が開いたり縮んだりしても、長期の結果は実際の差の積み重ねで決まります。
金利差が縮めば表の差も小さくなり、広がれば大きくなります。提示された時点の金利差が将来も続くとは限りません。借り換えの時点で金利差の大きさだけを見るのではなく、基準金利の決め方や引き下げ幅が将来どう扱われるかを確かめておきます。銀行の案内は基準金利が上がる場合の整理で確認の仕方をまとめています。
返済額を下げた分、未払利息の水位は下がる
借り換えで毎月の返済が下がると、未払利息が出る金利も下がります。この例では4.47%から4.26%へ下がりました。適用金利も下がるので、距離が大きく縮むわけではありませんが、適用金利との差が小さくなった点は確かめておきます。
水位の意味は5年ルールの仕組み、発生の条件は未払利息がいつ発生するかで確認できます。返済額を下げたまま金利が上がる局面では、次の改定で返済額が大きく動く点にも備えます。
残債の減り方は上昇の幅で入れ替わる
借り換え後は次の改定が先になるので、上昇の局面では元金の減り方が遅くなることがあります。5年後の残債を比べました。
| 3年での上昇幅 | そのまま(5年後の残債) | 借り換え(5年後の残債) | 借り換え − そのまま |
|---|---|---|---|
| +0% | 2,044万円 | 2,025万円 | −19.3万円 |
| +0.5% | 2,068万円 | 2,061万円 | −6.2万円 |
| +1% | 2,091万円 | 2,099万円 | +7.5万円 |
| +1.5% | 2,115万円 | 2,136万円 | +21.7万円 |
| +2% | 2,139万円 | 2,175万円 | +36.9万円 |
| +3% | 2,189万円 | 2,256万円 | +66.7万円 |
このサイトの計算エンジンによる算出値です。そのままの方は2年後に改定があり、返済額が上がることで元金が早く減ります。
+1%以上では、5年後の残債は借り換えの方が多くなりました。総支出の差があっても、途中の残債が多いことは売却や再度の借り換えを考えるときに影響します。周期の影響は借り換えと改定周期で詳しく計算しています。
借り換え直後に金利が上がっても焦らない
金利の通知を見て「借り換えなければ良かった」と思う必要はありません。そのままだった場合も同じだけ上がっています。比べるべきは、実際の金利と、そのままだった場合の金利の差です。
諸費用はすでに払い終えているので、これからの判断には入りません。動くかどうかは、これからの上昇幅と提示された条件だけで決められます。金利の上昇を避けたいなら、再度の借り換えより先に、同じ銀行の固定への変更を確かめます。費用と分岐点は同じ銀行で固定へ変更する場合と残り期間別の分岐点で確認できます。
判断の基準
借り換えの是非は上昇の見通しではなく、金利差と残り期間、諸費用で判断できます。上昇への備えは別の判断として、次の改定の額、水位、手元資金で確かめます。分けて考えると、焦って動かずに済みます。
借り換え時点で金利差が小さいなら、上昇の話とは別に判定が不利になることがあります。借り換えない方がいい条件を先に確かめます。
借り換えた後に確かめること
- 新しい契約の基準日、次回の改定時期、金利の決まり方を確かめる
- 返済額が下がった場合の未払利息が出る金利を計算する
- 上昇幅別の改定後の返済額を計算し、家計で確かめる
- 借り換えで浮いた差額を積み立てるか繰上げに回すかを決め、自動振替などで続けられる形にする
借り換え後の金利上昇についてよくある質問
金利が上がると借り換え時の差額はなくなりますか
借り換え先も同じ幅で上がるなら、金利差は続くので差額もおおむね残ります。この試算では+2%までは差がほとんど減りませんでした。
引き下げ幅が縮むことはありますか
契約により異なります。全期間同じ引き下げ幅の契約なら基本的に変わりませんが、条件付きの引き下げ幅の場合は確認が必要です。契約書で確かめます。
次の改定はいつになりますか
新しい契約の起点によります。一般には借入後の5年後が目安ですが、銀行の案内で確かめます。目安は改定の早見表で読めます。
まとめ
- 金利差0.4%の借り換えは+2%でも総支出59万円の差が残る
- 未払利息が出る金利は4.26%へ下がる
- 途中の残債は借り換えの方が多くなることがある
- 上昇への備えと借り換えの是非は分けて考える