待つ費用と控除の減少を比べる
結論から言うと、残債2,500万円・残り25年・金利0.9%の人が0.6%へ借り換える場合、今動いても控除はほとんど変わりません。一方で8年待つと、その間の高い金利を払い続けることになります。
| 控除の残り | そのまま | 今借り換える | 終了後に借り換える | 待つと増える額 | 控除の減少 |
|---|---|---|---|---|---|
| 3年 | 2,744万円 | 2,721万円 | 2,736万円 | +14.9万円 | 1,353円 |
| 5年 | 2,715万円 | 2,692万円 | 2,715万円 | +23.1万円 | 3,205円 |
| 8年 | 2,676万円 | 2,654万円 | 2,687万円 | +33.0万円 | 7,036円 |
このサイトの計算エンジンによる算出値です。金額は諸費用と控除を差し引いた実質の総支出で、金利が動かない仮定です。諸費用は定率2.2%などの既定値で、終了後に借り換える場合はその時点の残債で計算しています。
控除が減るのは、借り換えで金利が下がって元金の減りが少し早くなり、年末残高が小さくなる分だけです。金利差0.3%程度なら、この差は数千円です。待つ年数が長いほど、差は大きくなります。
金利差が大きいほど待つ費用も増える
金利差を変えると、待つ費用はこう動きます。金利差0.5%なら8年待つ費用は67万円です。残債が小さい場合や残りが短い場合は別の結果になります。
| 条件 | 金利差 | 今借り換える効果 | 待つと増える額 | 控除の減少 |
|---|---|---|---|---|
| 残債2,500万円・残り25年・控除8年 | 0.3% | +22.2万円 | +33.0万円 | 7,036円 |
| 残債2,500万円・残り25年・控除8年 | 0.5% | +87.0万円 | +66.9万円 | 11,791円 |
| 残債1,500万円・残り15年・控除5年 | 0.5% | +7.1万円 | +19.4万円 | 2,920円 |
| 残債1,500万円・残り11年・控除5年 | 0.5% | −8.7万円 | +12.1万円 | 2,598円 |
このサイトの計算エンジンによる算出値です。「今借り換える効果」はそのままと比べた実質の総支出の差で、マイナスは今借り換えると総支出が増えることを示します。
残債1,500万円・残り11年の例は、今借り換えると損になる条件です。この場合は、待つのではなく借り換えそのものが見合いません。判定は借り換えない方がいい条件で確かめます。
控除が大きく減るのはどんな場合か
控除の減少が問題になるのは、主に3つの場合です。1つ目は、借り換え後の期間が10年未満になる場合です。この場合は控除の対象外です。2つ目は、諸費用を上乗せして借りた場合です。上乗せ分は按分で対象外になります。3つ目は、繰上げ返済と一緒に行って残高を大きく減らす場合です。
国税庁は借換えが対象となる要件と按分の計算をNo.1233 住宅ローン等の借換えをしたときで示しています(2026年10月31日に確認)。金額は借り換えと住宅ローン控除と諸費用を上乗せした場合で計算しています。
控除期間は借り換えで延びない
同じ国税庁の案内では、控除を受けられる年数は入居した年から一定期間で、借換えで延長されることはないとされています。そのため「控除期間中に借り換えると控除が最初からになる」といった心配も、「延びる」という期待も当てはまりません。
控除が終わる年を過ぎると、負担の段差も生じます。段差の額は控除終了後の負担で計算しています。この時期を借り換えの見直しの節目にするのは自然ですが、控除そのものを待つ理由にはなりません。
金利が上がっている局面での注意
待っている間に借り換え先の金利が上がると、取れる金利差が小さくなることがあります。今提示されている差が、数年後も同じ保証はありません。表の金額は金利が動かない前提なので、実際の待つ費用はこの条件で変わります。
表の差を埋めるほど金利差が広がると見込むなら待つ意味はありますが、予測に頼る判断になります。一方で、今の提示金利が魅力的でないなら、無理に動く必要もありません。同じ銀行で引き下げを相談する方法もあります。比較は同じ銀行で金利を下げる場合で確認できます。
判断の基準
期間を10年以上にでき、諸費用を上乗せせず現金で払えるなら、控除を理由に待つ必要はほとんどありません。総支出の比較だけで判断します。10年未満への短縮を考えている場合は、控除を失う額を差し引いて判断します。
諸費用の現金が今は用意できない場合は別です。上乗せすると控除の対象が減り、総支出も増えます。無理に上乗せするより、資金が用意できる時期まで待つという判断はあり得ます。控除があるうちは待つという一般論は、これらの要件を外した場合に当てはまる話です。自分の期間と資金の条件で確かめます。
確認の手順
- 控除の残り年数と、借り換え後に選ぶ期間を確かめる
- 諸費用を現金で払えるかを確かめる
- ツールで控除の残存を入れて、今と現状維持の実質総支出を比べる
- 数年後の借り換え先の金利は分からない点も踏まえて決める
- 10年未満に短縮する案があるなら、失う控除の額を差し引いて比べ直す
控除と借り換えのタイミングについてよくある質問
借り換えた年の控除はどうなりますか
年末時点の残高で計算します。借り換えた年の手続きは書類の用意が必要な場合があるので、税務署や金融機関に確かめます。年内か年明けかの差は12月と1月の比較にあります。
控除額が大きい人ほど待つべきですか
控除の額より減る額が問題です。要件を守っていれば、控除額が大きくても減る額は小さいです。残高が限度額を超えている人は、さらに減りにくくなります。
固定への変更も控除が終わるまで待つべきですか
同じ銀行の金利タイプ変更なら借り換えの論点は基本的に発生しません。控除ではなく、固定の金利と上昇の見込みで判断します。
まとめ
- 金利差0.3%で今借り換えても控除の減少は7,036円で、8年待つと総支出は33万円増える
- 10年以上の期間と現金の諸費用が条件
- 控除が大きく減るのは、要件を外した場合と上乗せの場合
- 金利差が小さいなら、そもそも借り換えが見合わないことがある