回収年数の決まり方
回収年数は、諸費用を毎月の返済額の差で割った年数です。差が大きいほど早く回収できます。
借り換えた後に金利が上がる場合、元のローンも借り換えたローンも同じ市場の金利に連動します。どちらも上がるので、金利差は維持されます。
そして同じ金利差でも、金利の水準が高いほど毎月の返済額の差は大きくなります。だから回収は速くなります。回収年数そのものの考え方は借り換えの諸費用は何年で回収できるかで扱っています。
上昇幅と上昇の時期別の回収月数
残債25,000,000円・残り25年を1%から0.5%へ借り換え、その後に両方が同じ幅だけ上がる場合です。上昇は5年かけて起き、その後は横ばいという仮定です。
| 上昇幅 | 1年後に上昇 | 3年後に上昇 | 5年後に上昇 |
|---|---|---|---|
| 上がらない | 139ヶ月(11.6年) | ||
| +0.5% | 136ヶ月(11.3年) | 137ヶ月(11.4年) | 138ヶ月(11.5年) |
| +1% | 133ヶ月(11.1年) | 136ヶ月(11.3年) | 138ヶ月(11.5年) |
| +1.5% | 131ヶ月(10.9年) | 134ヶ月(11.2年) | 137ヶ月(11.4年) |
このサイトの計算エンジンによる算出値です。借り換え前と借り換え後の2つを同じ金利パスで月次に計算し、毎月の返済額の差を積み上げて諸費用770,000円に届いた月を回収月数としました。5年ルール・125%ルールありで、どちらも変動のままとしています。
金利が変わらない場合の139ヶ月より、上がった場合のほうが短くなりました。最も短いのは+1.5%が1年後に始まる場合で131ヶ月、最も長いのは+0.5%が5年後に始まる場合で138ヶ月です。
上昇が遅いほど、金利が変わらない場合の結果に近づきます。回収が終わる前に上昇が来るかどうかで効き方が変わるためです。
なぜ金利が高いほど差額が大きくなるのか
同じ0.5%の金利差で、金利の水準だけを変えて毎月の返済額の差を出した結果です。
| 金利の水準 | 借り換え前の返済額 | 借り換え後の返済額 | 毎月の差 | 諸費用の回収月数 |
|---|---|---|---|---|
| 0.5%→0% | 88,667円 | 83,333円 | 5,334円 | 145ヶ月 |
| 1%→0.5% | 94,218円 | 88,667円 | 5,551円 | 139ヶ月 |
| 2%→1.5% | 105,963円 | 99,984円 | 5,979円 | 129ヶ月 |
| 3%→2.5% | 118,552円 | 112,154円 | 6,398円 | 121ヶ月 |
| 4%→3.5% | 131,959円 | 125,155円 | 6,804円 | 114ヶ月 |
このサイトの計算エンジンによる算出値です。残債25,000,000円・残り25年の元利均等で、金利の水準だけを変えて0.5%差の返済額を比べました。回収月数は諸費用770,000円を毎月の差で割った単純計算です。
金利1%では毎月の差は5,551円ですが、4%では6,804円になります。1,253円の違いです。
金利が高いほど返済額のうち利息の部分が大きくなるので、同じ比率の差でも金額の差が開きます。これが回収が速くなる理由です。
ただし総支払額は増える
回収が速くなっても、金利が上がれば払う総額は増えます。借り換えた側も上がるので、上昇そのものから逃げられるわけではありません。
+1%が1年後に始まる場合、借り換え後の総支払額は29,122,238円でした。金利が上がらない場合は26,600,091円です。
借り換えで良くなるのは、同じ上昇が来たときの傷の浅さです。借り換えた後に上がった場合の損得の向きは借り換えた後に金利が上がると損かで扱っています。
固定へ借り換えた場合は話が別
この算出は、借り換え前も後も変動という前提です。固定に借り換えた場合は、元のローンだけが上がって借り換えた側は動かないので、毎月の差はもっと大きく開きます。
その場合の回収はさらに速くなりますが、金利が上がらなければ固定の上乗せ分だけ損になります。分岐は固定の分岐点は残り期間でどう動くか、上がる前と後のどちらで動くかは固定へ移るのは上がる前か、上がった後かで扱っています。
回収年数で判断するときの注意
回収年数は残り期間に収まるかどうかが肝心です。この算出ではどの条件でも138ヶ月以内に収まり、残り300ヶ月を大きく下回りました。
残り期間が短い場合は収まらないことがあります。残り期間別の判定は40代の借り換えは控除より回収年数で決まる、残債別に必要な金利差は借り換えの諸費用は残債別にいくらで、必要な金利差は何%かで算出しています。
借り換えを待つ判断との関係
「金利が上がりそうだから借り換えを待つ」という判断は、この算出とは逆向きになります。待っている間は高い金利のまま払い続けるので、差額を受け取れません。
一方で上昇後に借り換えても、金利差があれば回収は速くなります。待つことの損得は借り換えは控除が終わるまで待つか、繰上げ返済を待つ場合は繰上げ返済は控除が終わるまで待つかで扱っています。
自分の回収月数を確かめる手順
- 返済予定表で残債・毎月返済額・残り期間・適用金利を確かめる
- 借り換え候補の金利と諸費用を確認する
- 諸費用を毎月の返済額の差で割り、回収月数を出す
- その月数が残り期間に収まるかを見る
- ツールで上昇シナリオを入れ、総支払額の増え方も確かめる
回収年数と金利上昇についてよくある質問
借り換えた直後に金利が上がると損ですか
回収という点では損になりませんでした。両方のローンが上がるので金利差は維持され、金利水準が高いほど毎月の差額が大きくなります。算出では回収が139ヶ月から131ヶ月へ縮みました。ただし払う総額そのものは増えます。
上昇が早いほど回収は速いのですか
この算出ではそうなりました。+1.5%が1年後に始まる場合は131ヶ月、5年後に始まる場合は137ヶ月でした。回収の途中で差額が大きくなるほど効くためです。
固定に借り換えた場合も同じですか
違います。固定なら借り換えた側は上がらないので、毎月の差はもっと開き回収はさらに速くなります。ただし金利が上がらなかった場合は固定の上乗せ分が損になるので、別の判断が必要です。
まとめ
- 金利不変の回収は139ヶ月、+1.5%が1年後に始まると131ヶ月へ縮む
- 同じ0.5%差でも毎月の差は金利1%で5,551円、4%で6,804円
- 回収は遅くならないが、払う総額そのものは増える
- 上昇が遅いほど、金利が変わらない場合の結果に近づく