今入れるか待つかの差は上昇幅で入れ替わる
結論から言うと、金利が動かなければ待つ方が少し安く、金利が上がるなら今入れる方が安くなります。残債2,500万円・残り30年・金利0.6%で、控除の残り8年の人が300万円を入れる場合です。待つ場合、その間300万円は年0.3%の預金に置くと仮定しました。
| 3年での上昇幅 | 今入れる(実質総支出) | 8年待つ(実質総支出) | 待つ場合の差 | 今入れて減る控除 |
|---|---|---|---|---|
| +0% | 2,574万円 | 2,568万円 | −6.7万円 | 17.2万円 |
| +0.5% | 2,712万円 | 2,716万円 | +4.5万円 | 17.5万円 |
| +1% | 2,857万円 | 2,873万円 | +16.0万円 | 17.7万円 |
| +1.5% | 3,010万円 | 3,042万円 | +31.6万円 | 18.0万円 |
このサイトの計算エンジンによる算出値です。実質総支出は返済総額と繰上げ額の合計から、控除と預金の税引後利息5.8万円を引いた額です。マイナスは待つ方が安いことを示します。期間短縮型で計算しています。
金利が動かなければ、減る控除の方が今入れて減る利息より大きいので、待つ方が有利です。金利が上がると今入れて減らせる利息が増えるため、差は逆転します。逆転の目安は+0.31%です。
控除の残り年数と残債で境目はどう動くか
条件を変えて、金利横ばいと3年で+1%の場合の差を計算しました。残債が借入限度額を超えている人は、繰上げをしても控除があまり減らないので結論が変わります。
| 残債 | 控除の残り | 横ばい:待つ差 | 横ばい:減る控除 | +1%:待つ差 |
|---|---|---|---|---|
| 2,500万円 | 6年 | −5.1万円 | 12.9万円 | +8.4万円 |
| 2,500万円 | 8年 | −6.7万円 | 17.2万円 | +16.0万円 |
| 2,500万円 | 10年 | −8.8万円 | 21.7万円 | +21.9万円 |
| 3,500万円 | 8年 | −0.5万円 | 11.4万円 | +23.5万円 |
このサイトの計算エンジンによる算出値です。残債以外は上の表と同じ条件です。借入限度額は3,000万円で計算しています。
残債3,500万円では残高が限度額を超えている期間があるので、減る控除が小さくなり、待つ利点も小さくなります。限度額の扱いは限度額を超えた場合の控除で確認できます。
金利より控除率が高いと待つ方が有利な理由
繰上げで減るのは年利0.6%の利息で、失うのは残高に対する0.7%の控除です。控除率の方が金利より高い間は、残高を残す方が差し引きで得になります。一般的な説明はこれですが、金利が0.7%を超えた時点で関係は変わります。
金利と控除率の関係は控除中の繰上げ返済と控除と支払利息の比較で計算しています。年収が低く控除が頭打ちの人は、繰上げで控除が減りにくいので、待つ利点が小さくなります。
待つなら、その資金をどこに置くか
待つ選択には、資金を他に使わずに取っておくという前提があります。預金に置くなら税引後の利息は小さく、5.8万円程度です。その間に教育費などで使ってしまうと、後の繰上げ自体ができなくなります。
逆に、待つ間も手元資金として緊急時に使える点は価値があります。計算には入りませんが、家計の安全度には効きます。預金と比べる場合の考え方は預金金利と繰上げ返済でまとめています。
控除終了後の繰上げは金額だけで見ない
控除終了の翌年から負担が増えるタイミングは、繰上げを検討する節目でもあります。ただし控除終了の翌年に改定が重なる人は、手元資金を増えた返済に備えることも考えます。段差の大きさは控除が終わった翌年の負担で確認できます。
期間短縮型と返済額軽減型のどちらを選ぶかで、控除の扱いと金利上昇への効果は変わります。比較は方式別の実質効果と方式で変わる金利上昇への備えで確認できます。
この比較で置いた前提
待つ場合は、控除の最後の年末残高が確定した翌月に300万円を入れると置きました。両方とも繰上げ手数料は0円で、期間短縮型です。金利の上昇は3年で段階的に起きて、その後は横ばいです。上昇が控除期間の後半に起きる場合は、待つ間の負担が小さくなり、待つ方に有利になります。
預金の金利を0.3%で固定しているので、待つ間に預金金利も上がる場合は差が少し縮まります。ここでの差は、あくまで同じ条件をそろえて比べた目安で、将来の結果を示すものではありません。
今入れるか待つかの判断基準
今の適用金利が控除率を十分に下回っていて、大きな上昇を想定していないなら、待つ選択は合理的です。金利が控除率に近いか、さらに上がると考えるなら、今入れる方に傾きます。
金額の差は数十万円の範囲に収まることが多いので、確実に手元資金を残したいかどうかを優先してもかまいません。半分を今、半分を後で入れるという分け方も選択肢になります。
自分の条件で判断する手順
- 控除の残り年数と、年末残高が借入限度額を下回っているかを確かめる
- 今の適用金利と、控除が頭打ちになっていないかを確かめる
- 上昇シナリオごとに、今入れる場合の控除の減少と利息の減少を計算する
- 生活防衛資金を除いた金額で結論を出す
控除終了まで待つ判断についてよくある質問
年末の直前に入れるとどうなりますか
年末残高で控除が決まるので、年が明けてから入れると控除の減少を1年遅らせられます。差額は12月と1月の比較で計算しています。
期間短縮で控除の要件を外れることはありますか
返済期間が10年未満になると対象外となる場合があります。起点の数え方は10年要件の試算で確認できます。
金利が上がってから入れても遅くありませんか
入れるのが遅いほど減らせる利息の期間は短くなりますが、上がった後の金利に対して効くので、効果はなくなりません。表の差は、最初から入れた場合との差額として読みます。
まとめ
- 金利横ばいなら、8年待つ方が6.7万円安い
- +0.31%あたりで入れ替わり、3年で+1%なら今入れる方が16.0万円安い
- 限度額を超えている人や頭打ちの人は、待つ利点が小さい
- 金額の差が小さければ、手元資金の安全度で決めてよい