水位は「いまの一点」の数字でしかない

未払利息は、1回の利息が返済額を超えたときに出ます。発生し始める金利は返済額を残債で割った比率で決まるので、残債3,000万円・残り35年・金利0.6%なら3.17%です。

ただしこれは今日の残債で計算した値です。返済を続けると残債は減り、返済額は据え置き期間中は変わりません。したがって水位は毎月少しずつ上がっていきます。金利がゆっくり上がる間に水位も上がるので、水位に追いつけないことがあります。

水位の計算そのものは未払利息は何%から出るか早見表、残り期間との関係は返済額は同じでも元金充当は42%減るで扱っています。

水位を超えても発生しなかった

5年かけて金利が上がり、その後は横ばいという仮定で計算しました。到達金利を水位3.17%の少し上に置いても、未払利息は出ませんでした。

到達金利発生した月数発生した区間未払利息の累計最大の月額
3.47% 0ヶ月 発生しない — —
4.1% 12ヶ月 48〜59ヶ月目 63,420円 9,421円
4.2% 72ヶ月 48〜119ヶ月目 112,974円 11,680円
4.6% 78ヶ月 42〜119ヶ月目 829,932円 20,747円
6.1% 150ヶ月 30〜179ヶ月目 5,122,518円 54,589円

このサイトの計算エンジンによる算出値です。残債3,000万円・残り35年・金利0.6%・元利均等、5年ルール・125%ルールありで月次に計算し、利息が返済額を超えた月を抜き出しました。上昇は5年かけて段階的に起き、その後は横ばいという仮定です。

水位3.17%の少し上にあたる3.47%では1ヶ月も発生しませんでした。二分探索で求めると、実際に発生し始めるのは到達金利3.69%からで、水位より0.52%高い水準です。

発生しても改定で止まる

到達金利4.1%では12ヶ月だけ発生しました。区間は48〜59ヶ月目です。60ヶ月目には止まっています。

止まる理由は返済額の改定です。5年ルールでは60ヶ月目に返済額が見直され、125%ルールの上限まで上がります。返済額が上がれば利息を上回るので、不足が消えます。

つまり発生の期間は「据え置きの終わりに近づいてから、次の改定まで」という形になりやすいということです。据え置き中は返済額が固定されたまま利息だけが増えるので、据え置き期間の後半が最も危ない区間になります。

改定の時期そのものは次の返済額改定はいつか、借入年月の早見表、改定で上がる幅の上限は125%ルールの上限はいくらか早見表で確認できます。

上昇が大きいと1回の改定では止まらない

到達金利が4.2%になると、発生は72ヶ月に伸び、区間は48〜119ヶ月目でした。1回目の改定では止まらず、次の改定まで続いた計算です。

さらに6.1%では150ヶ月、累計5,122,518円まで増えました。改定で返済額が上がっても、上限が1.25倍までなので利息に追いつかない状態が続きます。

上限で抑えられた分の行方は上限で止まった差額は次の改定で戻る、最終回にまとめて請求される仕組みは最終回だけ高くなるのはいつかで扱っています。

残り期間が短いほど余裕は大きい

同じ残債で残り期間だけを変えて、初期の水位と実際に発生し始める到達金利を比べました。

残り期間毎月返済額初期の水位実際の発生開始差
35年79,208円3.17%3.69%0.52%
30年91,078円3.64%4.3%0.66%
25年107,712円4.31%5.19%0.88%
20年132,681円5.31%6.58%1.27%
15年174,320円6.97%9.06%2.09%

このサイトの計算エンジンによる算出値です。残債3,000万円のまま残り期間だけを変え、各期間の毎月返済額から初期の水位を計算しました。「実際の発生開始」は、5年かけてその金利まで上がった場合に未払利息が1円でも出る最小の到達金利を二分探索で求めた値です。

残りが短いほど差が広がりました。残り35年では0.52%ですが、残り15年では2.09%です。返済額が大きく、残債の減り方も速いため、水位が上がる速さが金利の上昇を上回りやすくなります。

ただし残りが短い場合、初期の水位そのものが高いので、現実的な金利では発生しにくい状態です。残り15年の発生開始は9.06%でした。

この結果の読み方

水位は「超えたら即発生」の線ではなく、注意を始める目安として使うのが合っています。水位を超えても発生しないことがあり、発生しても改定で止まることがあります。

一方で、水位に近い状態は元金の減りが遅れている状態です。未払利息が出ていなくても、返済額のほとんどが利息に回っているため残債が減りません。元金充当の減り方は返済額は同じでも元金充当は42%減るで計算しています。

水位に近いときの選択肢は未払利息が近いときの選択肢を比較、水位を上げる方法は危険水位を1ポイント上げる必要額で扱っています。

自分の発生区間を確かめる手順

  1. 返済予定表で残債・毎月返済額・次回の改定時期を確かめる
  2. 返済額×12を残債で割り、いまの水位の目安を出す
  3. 次の改定までの月数を数える。据え置きの終わりが近いほど注意が必要
  4. ツールに想定する上昇幅を入れ、未払利息が出る月があるか確かめる
  5. 出る場合は、その区間が1回の改定で止まるかどうかを見る

発生する月についてよくある質問

水位を超えたらすぐ未払利息が出ますか

この算出では出ませんでした。水位は今日の残債で計算した値で、返済を続けると残債が減って水位が上がります。残り35年の例では、水位3.17%に対して実際の発生開始は3.69%でした。

一度出たら完済まで続きますか

続くとは限りません。到達金利4.1%の例では48〜59ヶ月目の12ヶ月で止まりました。改定で返済額が上がり、利息を上回ったためです。上昇が大きい場合は次の改定まで続きます。

止まった未払利息はなくなりますか

なくなりません。発生が止まるのは新たな不足が出なくなるという意味で、それまでに積み上がった分は残ります。残った分の扱いは未払利息は金利が下がれば消えるかで扱っています。

まとめ

  • 水位3.17%に対し、実際に発生し始めるのは3.69%だった
  • 到達4.1%では48〜59ヶ月目の12ヶ月だけ発生し、改定で止まった
  • 到達4.2%では72ヶ月に伸び、1回の改定では止まらなかった
  • 危ないのは据え置き期間の後半。改定が近いほど止まりやすい