0.25%の上昇は、まず毎月の利息を増やす
結論から言うと、基準金利0.25%の上昇で最初に増えるのは利息です。残債3,000万円なら、年利0.25%分の利息は単純計算で年75,000円、月6,250円です。返済額が増えるかどうかは別の話で、契約の見直しルールで決まります。
| 上昇幅 | ルールなし:毎月の増加 | ルールあり:元金充当の減少 | ルールあり:5年後の残債の増加 | ルールあり:改定後の増加 | ルールあり:総返済額の増加 |
|---|---|---|---|---|---|
| +0.25% | 3,360円 | 6,250円 | 35.0万円 | 4,107円 | 124万円 |
| +0.5% | 6,798円 | 12,500円 | 70.5万円 | 8,364円 | 252万円 |
| +1% | 13,903円 | 25,000円 | 142.7万円 | 17,345円 | 522万円 |
このサイトの計算エンジンによる算出値です。残債3,000万円・残り30年・0.6%・元利均等で、1回目の返済から上昇後の金利が完済まで続く仮定です。次回の返済額改定を5年後としています。
0.25%の上昇は、ルールがあると毎月の口座引き落としには現れません。一方で元金の減りは毎月6,250円遅くなり、5年後の残債は35.0万円多く残ります。この残りが、5年後の改定額に4,107円として乗ります。
すぐ増える人と、増えない人の違い
違いを作るのは5年ルールと125%ルールの有無です。ルールがある契約は、半年ごとに金利が見直されても返済額は5年ごとにしか変わりません。ルールがない契約では、金利の見直しに合わせて返済額も変わります。
ルールは法律で一律に決まっているものではなく、契約内容です。「自分の銀行にもあるはず」と推測せず、金銭消費貸借契約書や商品説明書で確かめます。ルールの有無で何が変わるかは5年ルールがない銀行との違いで詳しく比べています。
元金均等返済を選んでいる場合は扱いが変わります。三菱UFJ銀行は案内の中で、元金均等返済には5年ルール・125%ルールがないと明記しています。毎月の返済額に金利の変化がそのまま反映される方式です。
発表から返済に反映されるまでの時差
基準金利の「引き上げ発表日」と「返済額の内訳が変わる月」は一致しません。三菱UFJ銀行が公表している最新の案内では、次の時期が示されています。
| 発表日 | 金利の種類 | 基準日 | 反映される約定返済分 |
|---|---|---|---|
| 2026年6月16日 | 毎月型 | 2026年9月1日 | 2026年11月 |
| 2026年6月16日 | 年2回型 | 2026年10月1日 | 2027年1月 |
| 2026年9月18日 | 毎月型 | 2026年12月1日 | 2027年2月 |
| 2026年9月18日 | 年2回型 | 2027年4月1日 | 2027年7月 |
出典:三菱UFJ銀行の案内(2026年6月17日現在)/同(2026年9月18日現在)。2026年10月31日に確認しました。対象は既存の契約で、借入時期によって扱いが異なるため、案内の全文をご確認ください。他の金融機関の時期はこの表と同じとは限りません。
年2回型の場合、発表から約定返済への反映まで半年以上開くことがあります。発表直後の返済予定表に変化がなくても、それは影響がないという意味ではなく、まだ反映時期が来ていないだけかもしれません。
残債と残り期間で0.25%の重さは変わる
同じ0.25%でも、金額は残債にほぼ比例します。残り期間は毎月の増加額にはあまり効きませんが、総返済額の増加には大きく効きます。上昇後の金利が続く期間が長くなるためです。
| 残債 | 残り期間 | いまの返済額 | ルールなし:毎月の増加 | ルールあり:元金充当の減少 | 総返済額の増加 |
|---|---|---|---|---|---|
| 2,000万円 | 20年 | 88,454円 | 2,192円 | 4,166円 | 54万円 |
| 2,000万円 | 25年 | 71,808円 | 2,216円 | 4,166円 | 68万円 |
| 3,000万円 | 20年 | 132,681円 | 3,289円 | 6,250円 | 81万円 |
| 3,000万円 | 25年 | 107,712円 | 3,324円 | 6,250円 | 102万円 |
| 3,000万円 | 30年 | 91,078円 | 3,360円 | 6,250円 | 124万円 |
| 4,000万円 | 25年 | 143,616円 | 4,432円 | 8,333円 | 136万円 |
| 4,000万円 | 30年 | 121,438円 | 4,480円 | 8,333円 | 165万円 |
このサイトの計算エンジンによる算出値です。適用金利0.6%から+0.25%した金利が完済まで続く仮定で、総返済額の増加は5年ルール・125%ルールありの試算です。
残債3,000万円なら、残り20年でも30年でも毎月の増加はほぼ同じです。総返済額は残り30年の方が大きく増えます。返済が進んで残債が減った人ほど、同じ0.25%の影響は軽くなります。
0.25%を1回だけと考えない
金利の予測はこのサイトでは行いません。ただ、影響の見積もりでは0.25%が1回で終わる場合だけでなく、重なった場合も見ておくと判断しやすくなります。上の表のとおり、+0.5%、+1.0%では総返済額の増加も大きくなります。
上がるペースや時期で結果が変わる点は上昇ペース別の試算、1%上昇をまとめて確認したい場合は金利1%上昇の総額差が参考になります。
判断の基準はどの数字か
見る数字は契約タイプで変わります。5年ルールありの人が見るべき数字は、今の返済額ではなく次の改定後の返済額と未払利息が出る金利です。返済額が同じ間は家計への影響が見えないため、この2つを先に把握しておきます。
ルールなしの人は、毎月の増加額が家計に収まるかを、その月から確認します。増加額そのものは小さく見えても、繰り返すと固定費の増加として積み上がります。
0.25%の上昇だけで借り換えや固定への変更が有利になるとは限りません。諸費用や控除の変化を含めると、借り換えない方がいい条件に当てはまることもあります。動くかどうかは、自分の残債で4択を比べてから決めます。
発表があったときの確認手順
- 返済予定表で、現在の残債、残り期間、適用金利、毎月の返済額を確かめる
- 金融機関の案内で、自分の金利種類の基準日と反映月を確かめる
- 5年ルールの有無と、次回の返済額改定の時期を確かめる。時期の目安は次回改定の早見表で確認できる
- 上昇後の金利をツールに入れ、改定後の返済額と未払利息が出る金利を確かめる
通知書の読み方は金利変更のお知らせで見る3箇所でまとめています。
基準金利の上昇についてよくある質問
基準金利と自分の適用金利は同じだけ上がりますか
多くの契約は「基準金利−引き下げ幅」で適用金利が決まるため、引き下げ幅が変わらなければ基準金利の上昇分がそのまま適用金利に乗ります。当初だけ引き下げ幅が大きいプランは、期間終了時に別途上がる場合があります。
返済額が変わらなければ、当面は気にしなくてよいですか
返済額が同じでも元金充当は減っています。今回の試算では5年後の残債が35.0万円多く残りました。家計の負担がいつ表に出るかの違いであり、増えた利息が消えるわけではありません。
発表があった時点で固定に変えると上昇を避けられますか
固定金利は基準金利より先に市場金利に連動して動くことがあります。変更時点の固定金利で比較する必要があり、上がる前と上がった後の比較で試算しています。
まとめ
- 残債3,000万円・残り30年なら、0.25%の上昇でルールなしは毎月3,360円増える
- ルールありは返済額が同じまま、元金充当が毎月6,250円減る
- 総返済額はルールありの試算で124万円増える
- 発表日と反映月には時差があるので、自分の金利種類の案内で確かめる