そのままでよいかを決める3つの数字
結論から言うと、見るのは固定との分岐、毎月の増加額、未払利息が出る金利の3つです。残債と残り期間別に計算しました。
| 残債 | 残り期間 | 固定との分岐 | 今の返済 | +1%の毎月の増加 | +2%の毎月の増加 | 未払利息が出る金利 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 3,000万円 | 30年 | +1.3% | 91,078円 | 13,903円 | 29,023円 | 3.64% |
| 3,000万円 | 20年 | +1.38% | 132,681円 | 13,466円 | 27,755円 | 5.31% |
| 2,000万円 | 20年 | +1.38% | 88,454円 | 8,977円 | 18,503円 | 5.31% |
| 2,000万円 | 15年 | +1.46% | 116,213円 | 8,837円 | 18,088円 | 6.97% |
| 1,000万円 | 10年 | +1.65% | 85,879円 | 4,354円 | 8,846円 | 10.31% |
このサイトの計算エンジンによる算出値です。変動0.6%、固定1.8%・変更手数料5,500円で、上昇は3年で段階的に起きて横ばいの仮定です。毎月の増加は、その金利で最初から再計算した額で、5年ルールがある場合は改定後に出ます。
分岐は「これを超える上昇なら固定の方が安かった」という目安です。想定する上昇がこれより小さいなら、総額の面ではそのままが有利です。残りが短いほど分岐は高く、未払利息も遠くなるので、そのままの根拠は強くなります。
金額の面でそのままが有利な条件
固定は今日から毎月の差額を払うので、上昇が起きなければ差額がそのまま上乗せになります。残り30年・残債3,000万円なら、金利が動かない場合の差は606万円です。これを払うだけの安心を求めるかどうかです。金額は固定金利の安心料で確認できます。
借り換えも同じで、金利差が小さければ諸費用を回収できません。条件は借り換えない方がいい条件にまとめています。金額の面で動く根拠がなければ、そのままは消極的な選択ではなく、数字で選んだ結論です。
家計の面でそのままが選べる条件
金額で有利でも、増えた返済を払えなければ選べません。次の表は、毎月の増加と年間の増加です。今の家計の黒字が、この額を吸収できるかを確かめます。
| 残債 | 残り期間 | +1%の年間増加 | +2%の年間増加 |
|---|---|---|---|
| 3,000万円 | 30年 | 166,836円 | 348,276円 |
| 3,000万円 | 20年 | 161,592円 | 333,060円 |
| 2,000万円 | 20年 | 107,724円 | 222,036円 |
| 2,000万円 | 15年 | 106,044円 | 217,056円 |
| 1,000万円 | 10年 | 52,248円 | 106,152円 |
このサイトの計算エンジンによる算出値です。毎月の増加を12倍した額で、5年ルールがある場合は改定後に出る金額です。125%の上限に当たる場合、当初の増加はこれより小さくなります。
年間の黒字がこの額を超えていれば、吸収できる範囲です。手元資金も確認します。必要額の見方は生活防衛資金の目安に、耐えられる金利の計算は何%まで耐えられるかにあります。
そのままでも「何もしない」わけではない
そのままを選んでも、やることは残っています。次の改定の時期と額を確かめ、積み立てを決め、年に1回の再計算を予定に入れます。改定の時期は改定の早見表、積み立ての額は金利上昇に備える積立額で確認できます。
火災保険や団信の見直しなど、ローン以外の固定費を見直すことも、余力を増やす方法です。ただし保障の内容を理解したうえで比べます。保険料だけで比べず、補償の範囲を確かめます。
そのままでは危ない条件
次のいずれかに当てはまるなら、そのままの根拠は弱くなります。1つ目は、今の適用金利と未払利息が出る金利の距離が小さい場合です。確かめ方は未払利息が近いときの選択肢にあります。2つ目は、+1%の増加を家計で吸収できない場合です。3つ目は、大きな支出と改定が重なる場合です。
どれも今の数字で確かめられます。当てはまる場合も、すぐ固定に変えるのが正解とは限りません。比べるのは、繰上げ、借り換え、固定、期間の見直しです。4択の比較は上昇幅別の比較で確認できます。
5年ルールの有無で見方が変わる
5年ルールがあると、上昇の影響は改定の時期に出ます。増加は遅れますが、元金の減りが遅れる形で続きます。「今返済額が変わっていない」を判断の根拠にしないことが大切です。ルールがない契約では増加はすぐ現れますが、元金の遅れは小さくなります。
今の契約にルールがあるかは契約書で確かめます。どちらの契約でも、この記事の3つの数字で確かめる点は同じです。ルールの有無による違いは5年ルールがない銀行との違いで計算しています。
そのままを選ぶときの確認手順
- 返済予定表から残債、残り期間、適用金利、毎月の返済を確かめる
- ツールで固定との分岐、次の改定額、未払利息が出る金利を確かめる
- +1%と+2%の増加を家計の黒字と比べる
- 次の見直しの時期を決めてカレンダーに入れ、改定の1年前にも再計算する
変動のままを選ぶ判断についてよくある質問
金利が上がり始めたら、そのままは間違いですか
上昇が始まったことだけでは決まりません。固定の提示金利も動いており、分岐はその時点の金利で計算し直します。動きを見て再計算する判断は十分に合理的です。
年に1回の見直しで間に合いますか
金利の見直しは半年ごとが一般的なので、年1回と、金利の通知が来たときの見直しがあれば、大きく遅れることは少なくなります。ただし水位までの距離が小さい人は頻度を上げます。
周りの人が固定に変えているのが気になります
残債、残り期間、家計の余力は人によって違います。同じ判断が同じ結果になるとは限りません。自分の数字で確かめ、結論の理由を残します。
まとめ
- 固定との分岐は残り30年で+1.3%、残り10年で+1.65%
- 3,000万円・残り30年で+1%なら毎月13,903円増える
- 分岐、家計の余力、水位の3つが揃えば、そのままを選ぶ根拠になる
- そのままを選んでも、改定の確認と積み立ては続ける